2019年、ぺブルビーチでの全米オープンでメジャー初優勝を果たしたゲイリー・ウッドランド(35歳)。185センチ、91キロの恵まれた体格を生かしたドライバーショットは圧巻。平均309ヤードと、PGAツアーでも屈指の飛ばし屋です。
2007年にプロ転向後、しばらくは下部ツアーでも結果を残せない時期が続いていましたが、2011年に大ブレーク。「ボブホープクラシック」では敗れたもののプレーオフに進出。2カ月後の「トランジションズ選手権」でツアー初勝利を飾りました。
大学時代は、バスケットボールの奨学生として進学するが、2年の時にカンザス大学に転向してバスケからゴルフに種目を変更した経歴を持ちます。
ウッドランドのアドレスは、両足をがに股にどっしりと構えています(青丸)。ハーフウェイバックまでは、両腕を伸ばしてスイングアークの大きなバックスイングを心がけているのがうかがえます(緑丸)。トップオブスイングは、シャフトが地面と平行よりもだいぶんと手前のコンパクトなものです(緑線)。
しかしトップからの切り替えしで急激にコックの為を作っています。すなわちグリップが腰の位置なのに、クラブシャフトが地面と垂直の位置をキープしているのです(青線)。そこからヘッドスピードを加速して、左手甲がターゲットサイドに先行するハンドファーストの位置でインパクトを迎えています(紫丸)。
フォロースルーまで腰を回転し続けた結果、左足つま先側が大きくターゲットサイドに向いているのがわかります(黄丸)。アーノルド・パーマーを彷彿させるフィニッシュは、フェースを返すのを抑えてボールの捕まり過ぎを防いでいでいる動作の現われです(赤丸)。
ウッドランドは、今までの課題であったショートゲームとパッティングへの取り組みを重視してきました。ぺブルビーチでの最終日終盤の17番、グリーン上の30ヤードを、ウエッジで見事に寄せてパーを拾ったところに凝縮されていたような気がします。ショートゲームに磨きがかかったウッドランドの今後の活躍が楽しみです。
日本プロゴルフ協会・A級ティーチングプロ
大東 将啓(オオヒガシ マサヒロ)
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