ゴルフカート事故による外傷性脳損傷(米国の調査報告)

2019年7月23日に 先行公開され た、Journal of Brain Injuryにおいて【Golf cart associated traumatic brain injury】(ゴルフカート事故による外傷性脳損傷)という論文が掲載されている。 著者のSimpsonBらは、米国のレベル1の外傷センターで5年間にわたりゴルフカート事故後の外傷性脳損傷(TBI)または頭蓋外傷の後向きレビューを行い報告している。 外傷センター(trauma center)とは、米国において、外傷患者に総合的な緊急医療サービスを提供するために設備と人員を整えている病院のことを指す。米国では外傷センターがレベル1~3に分類されており、最も高度なレベル1施設は、人口200 万人に1か所程度設置されている。アメリカ合衆国外科学会によってレベルの格付けがされ階層化されている※。 この調査では、ゴルフカート事故後にレベル1の外傷センターを受診した人の、年齢、性別、人種、GCS(Glasgow Coma Scale/意識レベルの評価指標)、飲酒の状態、損傷の種類と位置、治療内容および転帰(modified Rankin Scale: mRS)に関するデータの分析が試みられている。 その結果、調査した5年の間にゴルフカート事故によるTBI患者または頭蓋外傷が23人確認されている。患者の平均年齢は36歳であり、頭蓋骨骨折が最も多く、次いで急性硬膜下血腫が多かったとされている。筆者らは、ゴルフカートの事故による頭部外傷は過少報告されている可能性があり、安全意識やガイドラインが必要としている。 <引用文献> SimpsonB et al.,(2019) Golf cart associated traumatic brain injury., Journal of Brain Injury , 2019 Jul 23:1-3 <参考文献>※ 横浜市救急医療検討委員会(2013)横浜市の救急医療体制に関する第5次提言、pp.5-7

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    北 徹朗

    <現職>武蔵野美術大学 身体運動文化准教授・同大学院博士後期課程兼担准教授、サイバー大学 IT総合学部 客員准教授、中央大学保健体育研究所 客員研究員、東京大学教養学部 非常勤講師  <学歴>博士(医学)、経営管理修士(専門職)、最終学歴:国立大学法人東京農工大学大学院工学府博士後期課程  <主な社会活動>ゴルフ市場活性化委員会委員(有識者)、公益社団法人全国大学体育連合常務理事、一般社団法人日本運動・スポーツ科学学会常任理事、日本ゴルフ学会理事・代議員、日本ゴルフ学会関東支部事務局長、一般社団法人大学ゴルフ授業研究会代表理事