宇田川健助
開幕した国内女子ツアー、しかし今後は未定
コロナウイルスの影響で開幕が延期となっていた国内男女のゴルフツアー。
ついに待ちに待った新シーズンが、6月25日から千葉で行われる国内女子ツアー、アース・モンダミンカップで幕を開けた。
国内女子ツアーの2020年シーズンは、すでに2021年シーズンと合わせて1つのシーズンにすることが、JLPGAから発表されているが、アース・モンダミンカップの後に予定されていた4試合に関しては、残念ながら中止が決まっている。
現時点では、次にトーナメントが行われるのは、早くても8月中旬以降になる。
他のプロスポーツでは、プロ野球が6月19日に開幕し、JリーグもJ2は6月27日に再開、J1は7月4日から行われることが発表されている。
そこで気になるのが選手の移動である。
例えば、プロ野球のセ・リーグであれば、開幕から2週間ほどは関東を中心に対戦カードが組まれており、パ・リーグでは開幕カードが終わった6月23日からは、火曜日から日曜日の同一カード6連戦が組まれている。
これは移動による感染リスクを避けるためであり、Jリーグでも移動のリスクを軽減するために、6月27日と7月4日の対戦カードにおいては、近隣チーム同士で試合が組まれた。
しかし、ゴルフ界では、開催週の変更などによる移動リスクの軽減などの話は聞こえてこない。
コロナはトーナメントスケジュールを再考する機会になるか?
国内女子ツアーの当初の予定では、千葉県でのアース・モンダミンカップの翌週は、神奈川県での資生堂アネッサレディスオープンと、同じ関東圏での開催になるはずだったが、その後は、北海道から茨城、さらに再び北海道と、選手には大きな移動が強いられることになっていた。
選手、関係者のことを考えれば、1週おきに関東と北海道を移動するのは、肉体的にも、金銭的にも負担になるのは明らかだ。
ゴルフの大会は、シーズン開幕戦として知られているダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントが、1988年の初開催以来、沖縄県にある琉球ゴルフ倶楽部で行われているのをはじめ、長年に渡り、同じ週に、同じコースで行われることが多く、地元の人の中には、それを楽しみにしている人が大勢いる。
昨年、USPGAツアーでJGTOが共催したZOZOチャンピオンシップが開催されるにあたり、ブリヂストンオープンゴルフトーナメントが開催週を1週早くしたことに、多くのゴルフ業界関係者から感謝の声が上がったことを考えても、スポンサーや開催コースも含め、開催週、開催会場を変えるのは容易でないことは想像がつく。
それでも前例が無い、このコロナ禍では、短期的な視点でなく長期的に考えて、トーナメントの開催週を変更し、近隣県で続けて大会を行うなどの案を検討しても良かったのではと思う。
アメリカ全土だけでなく、近年ではアジア地域なども回るUSPGAツアーでは、3月にフロリダ州で連戦があるなどの工夫が昔から行われている。
また、ファン拡大の施策としても、同じ地域でトーナメントが続けて行なわれることで、ゴルフ熱が高まり、観戦に訪れる人が増えることが見込めるではないだろうか。
開幕という明るい兆しが見えた国内ゴルフツアーだが、2021年に向けて、開催週の変更など、スケージュールの再考が行われることを期待したい。
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