ゴルファーではなく、ゴルフを増やせ!

篠原 嗣典

ゴルフコースが消えてしまう恐怖

ロマン派ゴルフ作家の篠原です。

自粛期間、僕は朧気な恐怖と戦っていました。
朝、目覚めると、嘘のように恋が冷めてしまうことがあるように、ゴルファーがゴルフを忘れてしまうのではないか? ゴルフなんてなくとも、何ら問題はない、と気が付いてしまうのではないか……

統計上、ゴルフをしている人とカウントする定義は、年に1回以上ゴルフをプレーした人とすることが多いようですが、春のハイシーズンを自粛して、夏ゴルフは無理に行くことはないと考え、秋のハイシーズンは再び感染者が増えて…… あっという間に1年なんて過ぎてしまいます。
1年間、ゴルフをしないで過ごせば、無理にゴルフをしなくとも大丈夫だと思う人が大半であることは推測できますし、統計上のゴルファーは激減するのです。

ゴルフは、用具とコースがなければできません。
ごく一部のコンサバティブで余裕のあるコース以外は、ゴルファーが来てくれなければ、クローズすることになって、ただの原野に戻ってしまうのです。

ゴルフは自粛要請業種ではなく、三密になりにくいゲームであることを主張することもなく、みんなで大人しくしていましょう、という空気になりました。
ゴルフコースがなくなってしまう恐怖を打ち消すように、僕は意地になって自粛期間中にゴルフに行きまくりました。その数、十数回。過ぎて行く春を見送り、萌える新緑から初夏の深い緑に変わっていくゴルフコースに立っていました。

ゴルフ歴40数年。当たり前にゴルフができたことは、実はかなり幸せだったのだと、人が少ないゴルフコースで嫌みなほど絶好調のハイスコアでプレーしながら、何度も何度も思い知らされたのです。

ゴルフをしたおかげで分かったことは

新型コロナウィルスと人類の戦争は、まだ始まったばかりですが、定石だった籠城戦では、今回はどうやら勝ち目がないことがわかりつつあるようです。

馬鹿みたいにゴルフに行った結果、いくつか、わかったことがあります。

一つは、工夫とほんの少しの努力で感染せずに、普通にゴルフをする生活をおくることが、僕にとっての新型コロナウィルスとの戦い方で、勝利条件なのだということです。

もう一つは、ゴルファーを増やそうという考え方では、この危機は乗り越えられないということです。

ゴルフをしたくとも、諸事情で許されない消えゆくゴルファーは、この際、無視しましょう。
ゴルフができるゴルファーが、ゴルフに行く回数を増やすことに力を入れるほうが、現実的に、ゴルフコースを救うことになる近道なのです。

常連を更に太いお客様にするハウツーは、結局、値引きに行き着くのだと諦めていてはゴルフコースの未来はありません。

例えば、商習慣として当たり前になりつつあるサブスク(サブスクリプション。商品を購入するのではなく、一定期間の使用料を支払って、使用する権利を購入するという仕組み。1万円で、期間中何度でも焼き肉食べ放題、とかが有名)をゴルフコースに導入する試みは始まっています。
行けば行くほど『お得』になる感覚が、ゴルフに行く回数を増やします。

月に何回まで、と制限をかけているゴルファーの制限を一時的に無効化できれば……
越えてみると、壁の向こう側は恐れていた世界ではなく、自分でも住める楽園だったということがわかるはずです。
回数を増せば、違うメンバーを誘うことも増えます。その連鎖は、次はゴルファーを増やす波になって、流れができる可能性があるのです。
実質は値引きなのだという目の前のマイナスは、近い未来のための投資です。必ずリターンを生みます。

僕は、新型コロナウィルスがきっかけになって、この国のゴルフを主導していく主役が、一部のエリートゴルファーではなく、本当の大衆ゴルファーになっていくことに期待しています。
エリートゴルファーが1回のゴルフで使う予算で、大衆ゴルファーが一ヶ月周り放題のゴルフをできるようになれば、僕の中に蠢いている全ての恐怖は消えてしまうのです。

新しい合い言葉は「ゴルフを増やせ!」なのです。

2 件のコメント

  • 篠原様、いつも楽しみに愛読させていただいています、67歳のシニアゴルファーです。パラダイム◇◇◇は、縁のない遠い別世界のクラブだと思っていましたが、2月8日付けの「シン貧打爆裂レポート」を読み、自分でも打てるのではないか、と冷やかし半分でショップに行きました。そして、試打したところ、250ヤードの計測距離。すぐに買って、コースデビューしたところ、250ヤードの真っすぐが連発でした。生涯のドライバーに出会えることができました。あの文を見逃していたら、出会えませんでした。ありがとうございました。

    • 山下様
      コメントをありがとうございました。返信に時間が掛かってスミマセンでした。(大人の事情でww)

      ドライバー、結果が出たとのこと。良かったですね。一文を見逃さない、というのは、ゴルフの神様の贈り物です。

      今後も、ゴルフライフを豊かにするお手伝いができるような書き物を残せるように頑張ります!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1965年東京都文京区生まれ。都立豊島高卒・法政大学経営学部中退。中学1年でコースデビューし、27歳まで競技ゴルフに没頭。
    86年サンケイ商事入社。ゴルフ用具販売・バイヤーを経て、スポーツ専門学校ゴルフ講師・中学高校ゴルフ部のコーチとして派遣される。94年広告代理店・マーケティングリサーチ。02年よりジュニアゴルファー育成団体理事。
    主な活動・著書
    2000年メールマガジン・Golf Planet を発行。2020年4000号突破。
    02年~11年ジュニアゴルファー育成を目的とした親子ゴルフ大会を88回主催。コースデビューさせた子供は百名を超える。マーク金井主催の9ホールトーナメントの初代事務局長。ゴルフの底辺拡大を意図する活動を続けている。
    2012年Golf Planet を加筆編集してマイナビより電子書籍化。2017年までに65巻まで発行され、ゴルフエッセイとして日本一の電子書籍となっている。
    2014年ゴルフのショートショート「ゴルフ千物語」をマイナビより発行。シリーズ化されている。
    実際にラウンドして試打をするインプレ「貧打爆レポート」「新・貧打爆裂レポート」をライフワークとしている。
    他に「化粧咲き」「ヒーローたちにララバイを」「まつよい」と3冊の電子書籍小説を発表している。