女子ゴルフ界、黄金世代から世代は早くも次のヒロインへ! 日本女子アマに続き、日本ジュニアも制した高3・吉田優利(18)の強いゴルフ!

次々と若手を輩出する女子ゴルフ界に、また気鋭のシンデレラ娘が出現です。吉田優利(18)=千葉・麗沢高3年=。6月の「日本女子アマ」に続き、今回「日本ジュニア」(15~17歳の部)も制し、同一年にアマ2冠を達成。同じ年に2冠を獲得したのは03年の宮里藍以来15年ぶり史上3人目。

2日目、67で首位に立ち、最終日は5バーディー、2ボギー、連日の60台(68)で回り通算8アンダー。2位を1打差で振り切って初制覇です。会場の埼玉・霞ヶ関CC東コース(パー71)は、2020年の東京五輪の開催コース。その夢舞台での快挙で「特別なコースで勝てたのはうれしい」と会心の笑顔でした。男子(15~17歳の部=西コース)は、昨年2位の杉浦悠太(16)=福井工大福井高2年=が通算10アンダーで初優勝。

☆★    ☆★    ☆★

″黄金世代〝といわれる若手実力者が居並ぶいまの女子ゴルフ界。それはプロの世界だけにとどまらず、次代を目指すアマチュア界にまで波が打ち寄せています。3週前の女子ツアー、大東建託いい部屋ネットで優勝争いの末、3打差3位タイに入った安田祐香(17)=滝川二高3年=。

好調を維持した彼女が日本ジュニアでも本命視されていましたが、パットが入らず大苦戦。初日7打差の22位発進と安田が出遅れると、すかさず頭をもたげたのが、吉田優利、政田夢乃(北海学園札幌高3年)、渋沢莉絵留(福岡・沖学園3年)らの新鋭です。2日目、トップタイに立った吉田は、6月の日本女子アマの覇者。同一年2冠に王手をかけて迎えた最終日。

強い吉田が実力を見せつけました。首位で並んで出た政田に10番でリードを許しましたが、「女子アマのときもビハインドから巻き返したのを思い出した」という吉田は、勝負はバックナインーと意を決していました。14番、15番と100ヤード以内のアプローチを連続してカップ10センチにつける連続バーディー。これで逆転すると、17番も58度のウェッジで3たび10センチ。ピンそばへのスーパーショットを連発したバーディーラッシュは、圧巻でした。

69で回った政田は1打差2位。″本命〝安田も意地のベストスコア、66を出して追いすがりましたが、4位が精いっぱいでした。

☆同一年アマ2冠を達成した優利の優勝コメント
「日本女子アマでの経験が生きました。政田さんが10番でバーディーをとってきて、私は12番をボギーにしてビハインドだったんですが、日本女子アマのときを思い出して、バックナインが勝負だと。コースマネジメントでホールを逆算、どこでとれるかを考えながらやっていた。結果的に3つバーディーがきたので。

きょうは3日間でショットの調子が一番よかった。スイングは毎日変わるし、細かいところは試合中は気にしていられないので、何か一つつかむようにしてます。きょうはインパクト前から後ろにかけて右肩が下がっていたので、上からしっかり打つように意識してました。アマの2冠を一年でとれてすごくうれしい。

(宮里藍に次いで史上3人目の快挙といわれ)宮里藍さんは雲の上の人すぎて、想像もつかない。会ったこともない。ゴルフだけでなく、人柄もすばらしい。少しでも近づけるようにしたいです」

ナショナルチームに入って3年目。昨年はヨネックスレディス9位タイ、スタジオアリス17位タイでともにベストアマの健闘もありましたが、日本女子オープンに出られないなどアマチュアの競技で悔しい思いもしたのがいい薬になったようです。今年から本格的に上田桃子、比嘉真美子らを指導する辻村明志コーチに師事し、スイングやメンタル面の指導を受けています。

6月の日本女子アマに続き、8月は日本ジュニアも制してトロフィーを手にする吉田優利(千葉・麗沢高3年)=埼玉・霞ヶ関CC(提供:ともに日本 ゴルフ協会)

6月の日本女子アマに続き、8月は日本ジュニアも制してトロフィーを手にする吉田優利(千葉・麗沢高3年)=埼玉・霞ヶ関CC(提供:ともに日本
ゴルフ協会)

「私はテレサ・ルーさんが好きなんですが、同じコーチに教えてもらっている上田さん、比嘉さんも目の前で見ることができるのですごい勉強になります」と、目を輝かせる優利。今年は2月のISPS豪州女子オープンで34位のローアマチュアを獲得。海外の試合で飛距離の大切さを知り、スイングスピードのアップを意識した練習を重ねて、平均飛距離が10ヤードほど伸びた(240ヤード)という。

父親英隆さんに勧められて10歳からゴルフを始め、千葉・麗沢高に入ってからめきめき腕をあげてきた18歳。次の試合は、世界アマ(8月29日~9月1日)がアイルランドで。 そのあとは、日本女子オープンが地元、千葉CC野田コースでと、ビッグゲームが続きます。

「世界アマは安田(祐香)さん、西村(優菜)さんと3人で頑張りたいです。日本女子オープンは、去年出られなくて悔しい思いをしたし、今年はよく知っている地元のコースなので、こちらも頑張りたいです」と、次なるターゲットを見据えています。黄金世代から、世代はすでに次のヒロインへと移り変わろうとしています。次々と生まれる″金の卵〝への期待が高まる、女子ゴルフです。

【この記事は2018-8-20 ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です