松山英樹がプレーオフを制し米ツアー2勝目!

【米アリゾナ州スコッツデール7日(日本時間8日】
松山がうれしい米ツアー2勝目をモノにした。
しかも相手は米ツアーの実力者で日系3世の祖父を持つリッキー・ファウラー
(27歳=米国)。
2週前のアブダビHSBCゴルフ選手権で
ローリー・マキロイ(26歳=北アイルランド)、
ヘンリク・ステンソン(スウェーデン=39歳)を破り
波に乗っていた相手との4ホールに及ぶ一騎打ちを制したとあって、
今後大きな自信となることは間違いない。
今季の4大メジャー、さらにはリオ五輪での活躍も期待できそうだ。
また、日本人としては丸山茂樹の3勝に次ぐ、2人目の複数優勝者となった。

米男子ツアーの「ウエイスト・マネジメント・フェニックス・オープン」最終日は
TPCスコッツデールスタジアムコースで行われ、
通算14アンダーで並んだ松山とファウラーによるプレーオフへともつれ込んだ。

3ホール目でファウラーがティーショットを左の池に入れボギーを叩いたのに対し、
松山は1・5㍍のバーディーチャンスこそ外したものの、
パーで上がり熱闘にピリオドを打った。

それにしても、手に汗握る名勝負だった。
ともに3打差の2位、最終組でスタートした松山とファウラーはデッドヒートを展開。
松山が1番で4.5㍍を沈めてバーディーを先行させると、
ファウラーも3番のパー5でグリーンの右から、
アッサリと1㍍に寄せてバーディー。
ともにスコアを1つ伸ばし、大ギャラリーの待つサンデーバックナインへと向かった。

ファウラーは10番、グリーンの奥から難しいアプローチをチップインのバーディー。
13番でも左の奥から80㌢に寄せてバーディーを奪い、単独トップへと躍り出た。
さらに15番のパー5は8㍍に2オンして2パットのバーディーと攻撃の手を緩めない。
優勝の2文字を大きく手繰り寄せ、上がり3ホールへと突入した。

一方の松山もあきらめない。ファウラーの背中を追い、13番で奥4㍍を沈めてバーディー。
2打差で17番のパー4を迎えると、ここでドラマが待っていた。
ファウラーは守りに出ず、グリーンまで317ヤードのティーショットを果敢に1オン狙い。
ところがボールは花道にバウンドしてからグリーンを突き抜け、なんと池に入ってしまう。
1罰打を費やしての3打目が4㍍と寄らず、2パットのボギーを叩いてしまった。
一方の松山はグリーンの手前から80㌢に寄せバーディー。
2打差が一気に縮まり、14アンダーの首位に並んだ。

18番でのプレーオフ1ホール目はともにフェアウエーをキープし、パー。
同じく18番が舞台となった2ホール目はファウラーが右サイド、
松山が左サイドのフエアウエーをとらえる。
2打目もまず松山が右奥3・5㍍につけると、ファウラーもピン奥4㍍のバーディーチャンス。
ファウラーが先にこれをど真ん中から沈めプレッシャーをかけるが、
松山も左カップからねじ込んでバーディーを奪い返す。
18番での2ホールは主役2人がともに譲らず、勝負は3ホール目の10番に持ち越された。

ここでファウラーがティーショットを左に曲げる痛恨のミス。
左ラフからの第2打はグリーンの奥にオーバーしてしまった。
しかしここでもファウラーが底力を見せる。アプローチを3㍍近くショートしながら、
このパットをあっさり沈めパーセーブ。
松山はフェアウエーのいいところからピン奥8㍍と寄せきれず。
2パットのパーで絶好のチャンスを生かせない。

しかし4ホール目の17番で、ついにフィナーレが訪れた。
ファウラーにとっては最終ラウンドの第1打がグリーンオーバーの池ポチャとなり、
松山に並ばれた鬼門のホール。
その忌まわしい記憶が払拭できていなかったのか。
大事なティーショットを今度は左に曲げ、ボールはまたもや波紋を描いた。
1ぺナを払っての第3打も寄らず、本選に続いての2パットボギー。
一方、松山はグリーン手前の花道に第1打を運び、2パットのパー。
2014年のメモリアルトーナメントに続く、米ツアー2勝目が転がり込んできた。

4日間で61万人を超えるギャラリーを動員する大舞台でのV。松山はスターへの階段をさらに一段、上った。

http://tochro-golf.com/2016/02/08/494.html

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当協会会長。2024年3月の改選により任期2年の3期目に入った。甲府一高→日本大学芸術学部演劇学科卒。スポーツ新聞の記者として岡本綾子や青木功が全盛の海外ゴルフツアーを特派員として7年半、300試合以上取材。1983年の全英オープンを皮切りに男女メジャー競技の取材もその1割強に上る。
「岡本綾子ゴルフのすべて」など多くの連載を取材・執筆。
運動部長、文化部長、法務広報室専門委員、広告局長、同顧問を歴任後2015年9月に退社。調査報道物を最も得意とし週刊パーゴルフで「ゴルフ場を造った男たち」、「日刊ゲンダイ」火曜日掲載の「今ゴルフ場で何が起こっているのか」などを連載。日刊ゲンダイ毎週金曜日の「ホントにゴルフは面白い!」は人気連載となり休載なしのペースで4年目に突入している。スポーツ関連の問題で東京新聞の「こちら特報部」など、マスメディアからコメントを求められることも多い。GOLF Net TV「小川朗のゴルフギョーカイ学」ではゴルフの「キホンのキ」について解説している。ノンフィクション、インタビューものにも定評があり単行本・新書版の分野でも精力的に活動。「岡本綾子のすぐにチェックしたい!ゴルフの急所」(日本経済新聞出版社)は紙面で1年にわたり連載したものに加筆・再編集したもの。「新書版ながら9刷のスマッシュヒットとなっている。「どんなクセでも自分で直せるゴルフレッスン」(星野英正)。『ゴルフは「自律神経力」で確実に10打縮まる!』(小林弘幸・横田真一)も大好評を博し「アスリートのパフォーマンス向上は腸内環境から」などのテーマで講演活動も精力的に行っている。
㈱清流舎代表取締役社長。
やまなし大使。
主な活動
「ゴルフまるごと生情報」の海外リポート、米LPGA「ファーモア・インベラリーC」(ともにテレビ東京)の解説も務めた。インターネットDAZNのゴルフ中継やラジオのコメンテーターも務めている。
法務広報室専門委員時代に日本自殺予防学会に入会、総会で「自殺とメディア」をテーマに講演。済生会病院のHPではソーシャル・インクルージョンのページで「いのちの電話」理事長や「自殺防止センター」相談員のインタビューを行っている。http://www.saiseikai.or.jp/social-inclusion/  また、スペシャルオリンピックス日本の公式ウエブサイト でも有森裕子理事長や安藤美姫らアスリートによる座談会http://www.son.or.jp/column/interview/index.html のインタビューも担当している。日本大学藝術学部文芸学科、日本ジャーナリスト専門学校などで『スポーツ新聞の作り方』をテーマに講師も務めた。ウエブメディアではe!Golfに「小川朗の現場主義!」を連載中。Yahoo!Japan公式コメンテーターも務めている。終活分野にも詳しく、終活カウンセラー協会の認定終活講師として検定や勉強会に定期的に登壇。「みんなの介護」の「介護の教科書」における連載も54回を数えている。https://www.minnanokaigo.com/author/akiraogawa/ 清流舎代表取締役 The Tokyo Chronicle 編集長。https://www.tokyochronicle.net/