オーストラリアのロイヤルメルボルンゴルフクラブで開催された2019年プレジデントカップ。米国チームと世界選抜チームの対抗戦として2年に一度、選ばれた精鋭24人が対峙します。
今回の世界選抜のキャプテン、アーニーエルスに対して米国チームのキャプテンは、タイガー・ウッズ。史上最少年(43歳)のキャプテンでありながら、自らも選手として3日間を戦いました。
3戦全勝を挙げるポイントゲッターとなり、米国チームの勝利に大きく貢献しました。オーストラリアは本来、米国にとってアウェイでありながら、タイガーだけは別格で、至る所で歓声が沸き上がっていました。
二日目には、ジャスティン・トーマスとペアーを組み、松山英樹アン・ビョンホンとフォーサムで対戦します。マッチイーブンで来た18番ホールで、勝負を決める3メートルのバーディーパットをジャスティン・トーマスが決めました。歓喜に酔いしれ涙するタイガーの姿は、通常のトーナメントでは見ることが出来ない表情でした。
今回のタイガーは、ショットの安定度が光りました。ロイヤルメルボルンの硬いグリーンに対して、抜群の距離感とスピンコントロールの効いたアイアンショットで多くのバーディーチャンスを生んでいました。
上半身と一体でテークバックをして捻転を生んでいます(紫丸)。右肩の上に位置する基本に忠実なスクエアーグリップのトップオブスイングは、見事です(緑丸)。胸の開きを抑え、グリップだけを垂直落下しているダウンスイング(赤丸)は、アマチュアゴルファーの手本となります。
インパクト直前までグリップが、右足太もも前に近い位置を通過しています(青丸)。左肩からクラブヘッドまで一直線のインパクトは、「ファー&シュアー」の為の必須条件です(緑線)。フォロースルーでのクラブフェースの向きがスクエアなのも見逃せません(黄丸)。フィニッシュに近いフォローまで右手を伸ばしているのは、手先で調整することなくターゲットに対してのピンポイントのコントロールが生まれるゆえんでしょう(青線)。
熟年期を迎え復活したタイガーの活躍がますます楽しみです。
日本プロゴルフ協会・A級ティーチングプロ
大東 将啓(オオヒガシ マサヒロ)
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