勝ちは勝ち!36ホール競技に短縮された BSオープンを制した時松隆光の″幸運児”ぶり!

超大型台風21号の接近で最終日を戦わずしてツアー2勝目を手中に入れた男がいます。プロ6年目の時松隆光(24)。ブリヂストン・オープン(千葉・袖ヶ浦CC)は初日、最終日と2日間が悪天候で競技中止となり、2日目にベストスコア「64」を出して単独トップに浮上した時松が、そのまま横滑りでたなぼた優勝となったわけ。

36ホールでの競技が成立したため、規定により3000万円の優勝賞金は50%の1500万円が賞金加算に。ただ、主催者のご厚意により75%の2250万円が時松の手に渡りました。この時松という男、昨年は非ツアーのネスレ招待日本マッチプレー、レクサス杯に優勝、国内最高額の優勝賞金1億円をゲットしたラッキーボーイ。

昨年までは下部ツアーのチャレンジツアーで戦っていた無名選手ですが、この優勝で一躍″全国区”のトップツアー選手に躍り出るシンデレラ男になりました。

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たなぼた優勝が決まった時松の第一声は「1勝目はまぐれか運。2勝目を挙げて初めて実力、といわれますが、僕は2勝目も運でした」ープロ6年目のパットしなかった時松が、強い運を運んできたのは、昨シーズンのことでした。

7月、チャレンジツアーで1勝、その資格で出た同じ7月のダンロップ・スリクソン福島オープンでツアー初優勝。その優勝を受けて次週のネスレ招待日本マッチプレーレクサス杯(非ツアー)の出場が決まったのです。

連日の雨の中、飛距離よりも安定したショットで2日間通算9アンダーを出して優勝した時松隆光。(BSオープン=千葉・袖ヶ浦CC)

そのマッチプレーでは″大物”をあれよあれよという間に下して優勝まで登りつめ、頂戴したのは1億円のビッグマネー。異なるカテゴリーではありましたが、1ヶ月間で3勝をつかむ偉業。

その3勝で獲得した優勝賞金は、180万円(チャレンジ)、1000万円(福島OP)、1億円(ネスレ日本マッチプレー)。無名の新鋭は、この大ブレークでツアーシード権をとり、今季に臨んだのでした。

大躍進が期待された今季は、前半戦苦戦が待ち受けていました。前半戦14戦して10度の予選落ち。その間7試合連続予選落ちがあるいばらの道でした。秋の陣を迎えた9月中旬。ANAオープンが大きな転機でした。3日目、パー5の5番。30ヤードの第3打アプローチが、ガチャと直接カップイン。

トップに浮上したこのイーグルで勢いづきました。最終日を終えて池田勇太、今平周吾との3人プレーオフ。惜しくも池田勇太にやられましたが、2位に入った自信は大きく、2週後のトップ杯東海クラシックではまたも1打差の2位(優勝=小平智)でした。日本オープンも13位に入る健闘でブリヂストンOPに乗り込み、2日間になった試合で快挙です。

幼少5歳のとき、心臓を患って手術を受けたという時松。父親が「少しでも丈夫な子になるように」とゴルフを教え、子供のときからベースボールグリップ一筋でここまできたという。福岡県出身。沖学園高1年で「全国高校選手権九州大会」に優勝。11年には「九州アマ」をとっています。

今回も2日間の平均飛距離が270ヤードに届かないほど飛ばし屋ではないですが、正確なドライバーとアプローチショット、グリーン周りの小技の冴えは秀逸。ステディなゴルフスタイルが、いくつもの幸運を呼んだともいえそうです。

★36ホールの短縮競技でも勝ちは勝ち、と語る時松隆光のコメント。

「最終日の天候がよくないのは分かっていたから、(前日の)2Rではしっかり攻めるところは攻めて、パターもショートしないようにしました。これまで2位が多かったので、最終日は優勝争いをやって勝てたら今後の自信になったんですが・・。

でも日本シリーズに出たいので、ちょっとだけ″台風きてくれ”という気持ちもありましたね(笑い)。短縮になって、また先輩プロにちゃかされる可能性はありますね。でも優勝は優勝なのでもちろん嬉しいです。9月のANAのころからショットがよくなってきた。

曲がるのを怖がって、ショットが小さくなっていた。″曲がっても怖がらずに”と意識してやったらよくなってきました。夏のころは何をやってもダメだったのですが、いまはイメージ通りに飛んでます。シーズン中に切り替えができたのは大きいです。やりがいを感じています」

ツアーに勝てば翌年から2年間の国内シードがもらえます。この試合の勝者には来年の米ツアー、「WGC・ブリヂストン招待」(米オハイオ州)の出場権も与えられるので、やはり「優勝」のご褒美は大きなものがあります。

米ツアーから帰国第2戦の石川遼。第1戦の日本オープンに続いて2日間4オーバーで連続予選落ち。大勢のファンをがっかりさせた(千葉・袖ヶ浦CC)=提供:ともにJGTO

初めて挑戦することになる準メジャーの「WGC・ブリヂストン招待」について「僕にはPGAの選手と戦うという発想がなかった。出られるということだけでも意義がある。ダスティン・ジョンソンにはきっと100ヤードは置いていかれるでしょう」と、笑いながらも「飛距離はなくても向こうの舞台で戦っている人が見たい」と、突然舞い込んできた来季の米ツアー出場に、早くも大きなユメを夢見る時松。

今季「ブリヂストン招待」は松山英樹が勝った試合で、優勝賞金は166万ドル(約1億8400万円)でしたよ、時松クンー。

【この記事は2017-10-23 ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】

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児島宏

早大第一文学部卒。昭和33年デイリースポーツ社入社。プロ野球では長嶋、王らの巨人V9時代を担当。ゴルフではマスターズ、全米全英オープンなど国内外のトーナメントを数多く取材。デイリースポーツ東京本社運動部長などを経て、現在日本ゴ ルフジャーナリスト協会員。東京運動記者クラブ会友。