渋野日向子のスイングとチェックポイント

2019年の全英女子オープンで海外での初試合にもかかわらず、優勝を成し遂げた渋野日向子プロ。樋口久子さん以来の42年ぶりの日本人メジャーチャンピオンという偉業を達成して一躍ヒロインになりました。

昨年にプロテストに合格し、今季から本格的に国内ツアーにデビューしたばかりの20歳。メジャー優勝をつかみ取ったその攻撃的なプレースタイルはもちろんのこと、つねに笑顔でラウンドする姿は、現地メディアから「スマイリング・シンデレラ」と呼ばれました。国内でもすでに3勝をあげ、獲得賞金額が1億円を突破しました。(10月20日現在)。

渋野プロのゴルフスイングの特徴は、躊躇なく思いっきりの良い振り抜きです。フィニッシュでの緑丸にみられるようにシャフトがターゲットを向くまで一気に振りぬいています。それは、アドレスに入る前からの一連のルーティーンにも現れています。スピーディなプレースタイルは、思想を単純化して疑念を持たない証拠と言っても良いでしょう。

ワイドスタンスでどっしりとしたアドレスでは、頭を右サイドに置いて右足体重で構えています(青丸と青線)。両腕を伸ばした状態をキープしたままテークバックをすることで上半身の回転を促しています(紫丸)。

トップオブスイングでは、背中が見えるほど左肩が深く回転しているのがわかります(赤丸)。ダウンスイングでは、腕とシャフトの角度が鋭角な深いコックがキープされています(緑線)。そしてグリップの位置が左足前のハンドファーストの状態でインパクトを迎えています(黄丸)。

これは頭の位置が右サイドの「ヘッド・ビハインザ・ボール」の状態だから成しえる技です。ダスティン・ジョンソンやキャメロン・チャンプをはじめ世界のトッププロの共通点ですが、女子プロでははドライバーショットでこれほどのハンドファーストは珍しいところです。

渋野選手のスイングは真似することが出来なくても、①笑顔を絶やさないプレー②思想を単純化してスピーディーなプレー③最後まで躊躇なく振り抜くことを心がけることで、ゴルフの女神は間違いなく微笑むでしょう。

日本プロゴルフ協会・A級ティーチングプロ
大東 将啓(オオヒガシ マサヒロ)

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ABOUTこの記事をかいた人

1958年(昭和33)生まれ
1981年 同志社大学経済学部卒業
1983年 ダラス大学院経営修士課程(MBA)卒業
(社)日本プロゴルフ協会(PGA)会員、A級インストラクター
 文部科学大臣認定ゴルフ教師
1997年 PGAコンベンションティーチング部「優秀賞」受賞
1999年 PGA 研究発表 「最優秀賞」受賞
2000年 高知工科大学起業家コース博士後期過程入学
2001年 PGAコミュニケーションプログラム「優秀賞」受賞
2003年 高知工科大学起業家コース博士後期過程終了
主な活動・著書
日本ゴルフ界初の博士プロ。
デビット・レッドベター、ジョー・ティールをはじめ、通訳、翻訳、
インタビュー等を通じて100人を超える海外のティーチングプロと親交を持つ。 主な著書
「ザ・ゴルフボール」ごま書房
「驚異の新ハンマー打法」ごま書房
「ゴルフが上手くなる考え方」週刊パーゴルフ
「目からうろこが落ちまっせ」ゴルフ&ゴルフ
「一人でやれるコンペ必勝法」スポーツニッポン
「ナチュラルゴルフスイング」週刊パーゴルフ
「45分でゴルフがうまくなる!」PHP研究所
「Tee あんどTea」読売新聞のゴルフコラム
東香里ゴルフセンタ― 所属