ゴルファーはノンゴルファーに比べて肥満または過体重ではあるが、健康関連QOL(HRQOL)が高い:オーストラリア大規模健康調査(AHS)の2次分析

2011年から2012年にかけて、オーストラリアでは国内最大規模の健康調査(Australian Health Survey: AHS)が行われた。 この調査は、健康状態、リスク要因、および行動・社会経済環境を含めた健康関連の課題について様々な情報を国民から収集するように設計され、栄養と身体活動に関する最新情報とともに、生化学データについても初めて収集が行われている。
2019年4月に、南オーストラリア大学のStenner Bらによって、[Associations between markers of health and playing golf in an Australian population](オーストラリア住民における健康の指標とゴルフプレーとの関連)という論文が報告されている。 この研究の目的は、AHSのデータベースを利用し、オーストラリア在住者における健康の指標とゴルフプレーとの関連性を調査することであった。 分析のために、AHS調査対象者12153人(9435人が18歳以上)のうち、『ゴルファー(n = 128)』と『ノンゴルファー(n = 4999)』が抽出された。 データベースを2次分析した結果以下のことがわかったとされている。

オーストラリア人データの2次分析結果:ゴルファーとノンゴルファーの比較

  • ゴルファーはノンゴルファーよりも高齢(ゴルファー57.7±14.2歳、ノンゴルファー48.5±17.6歳、p <0.05)
  • ゴルファーとノンゴルファー間の収入に相違はない
  • ゴルファーはノンゴルファーに比べて「過体重または肥満」の割合が高い(ゴルファー76%、ノンゴルファー64%、p<0.05)
  • ゴルファーは人生のある時点で虚血性心疾患と診断される可能性が高い
  • ゴルファーはノンゴルファーに比べ1日の歩数が多く(ゴルファー:8870±3810歩、ノンゴルファー:7320±3640歩、p <0.05)身体的に活発である
  • ゴルファーはノンゴルファーに比べて幸福や健康関連尺度の評価(HRQoL:Health Related Quality of Life)が高い
本研究の今後の課題として、データが横断的で因果関係について不明な点が多いため、ゴルフと健康の因果関係をさらに精査することや、身体的健康だけでなく精神的健康も含めるべきである、とされている。

参考文献

Stenner B.,et al.(2019)Associations between markers of health and playing golf in an Australian population. ,BMJ Open Sport Exerc Med. 2019 Apr 12;5(1):e000517

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

北 徹朗

<現職>武蔵野美術大学 身体運動文化准教授・同大学院博士後期課程兼担准教授、サイバー大学 IT総合学部 客員准教授、中央大学保健体育研究所 客員研究員、東京大学教養学部 非常勤講師  <学歴>博士(医学)、経営管理修士(専門職)、最終学歴:国立大学法人東京農工大学大学院工学府博士後期課程  <主な社会活動>ゴルフ市場活性化委員会委員(有識者)、公益社団法人全国大学体育連合常務理事、一般社団法人日本運動・スポーツ科学学会常任理事、日本ゴルフ学会理事・代議員、日本ゴルフ学会関東支部事務局長、一般社団法人大学ゴルフ授業研究会代表理事