今季のゴルフシニアツアーの日程が発表されました。昨季と同数の18試合が組まれ、4月12日、金秀シニア沖縄オープンで今季も国内ツアーの幕が開きます。賞金総額は残念ながら6800万円減の7億7700万円。
2年連続減額で4年ぶりに総額8億円を割り込みました。昨季まで最終戦だったいわさき白露シニアの会場、鹿児島・いぶすきGC開聞コースを今季はレギュラーツアーのメジャー、日本プロ選手権で使用するため、白露シニアは1年間休場となったのが、賞金ダウンの大きな原因です。
しかし、今季のシニアツアーのフィールド(50歳の誕生日から)には昨季1試合デビューした谷口徹に続き、深堀圭一郎、手嶋多一、丸山茂樹、藤田寛之らの″若きシニア〝が々と登場します。
青木功や中嶋常幸、尾崎健夫、高橋勝成、倉本昌弘、飯合肇らかってのスーパースターの時代に代わって、国内シニアの舞台は実績十分な新しい顏の激戦の場へと様相が一変しそう。
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主な日程では、日本シニアOPが埼玉・日高CC(9月19~22日)、日本プロシニア住友商事サミット杯は、昨年と同じ茨城・サミットGC(10月10~13日)。
4月末には昨年に続いて台湾で「富那仰徳シニア」(林口GC)の海外開催が組まれています。閉幕は11月19~20日のISPSハンダ杯フィランスロピーシニア(埼玉・鳩山CC)となります。
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倉本昌弘プロがシニアツアーを管轄する日本プロゴルフ協会(PGA)の会長に就任して3期6年目のシーズンです。
就任当時の14年は、11試合だったシニアツアーをこのこの5年間で18試合にまで増やした倉本会長の実績は評価されるところです。
昨季は豪雨被害を受けて中止となった広島シニアを除いて実施されたのは今年と同じ18試合。
6800万円減とはいっても総額8億円近い賞金を揃えたシニアツアーは、50歳を過ぎたシニアプロにはモチベーションが高まる舞台です。
最高賞金の日本シニアOPは優勝賞金1600万円。2番手のファンケルは優勝1500万円。3番手の富士フィルムやスターツは優勝1400万円。
日本プロは優勝1000万円というビッグマネーがフェアウェイに敷き詰められています。2日間大会が10試合ありますが、その一つマルハンカップ太平洋クラブシニアなどは、2日大会で優勝者に1000万円(賞金総額5000万円)が配分されています。
昨季、5勝を挙げて3年連続のシニア賞金王になったプラヤド・マークセン(タイ)は、7536万1400円を稼ぐシニアツアー記録を更新しました。
シニアツアーは魅力たっぷりのフィールドなのです。
50歳の誕生日から出場できる”シニアツアー待ち”のプロは多士済々。昨年は、レギュラーツアーでも50歳92日で2度目の日本プロを制した谷口徹が、7月の日本シニアオープンでシニアデビュー。
優勝のマークセンとV争いをしてシニアツアーを盛り上げました。レギュラーツアーとかけもちする谷口ですが、今年はシニアへの出場は増えるものとみられています。
昨年10月に50歳の誕生日を迎えたレギュラーツアー8勝の深堀圭一郎と手嶋多一は、今季のシニア登録を済ませており、深堀は「メインはシニアツアーになる。沖縄の開幕戦から出たい」と宣言しています。
深堀は、この1月から青少年子女の教育活動をゴルフを通じて行っている「ザ・ファースト・ティー・オブ・ジャパン」(米国ゴルフ殿堂内に創立されたNPO法人)の日本支部アンバサダーに宮里美香プロとともに就任。ここへきて再び多忙なプロ生活が蘇りそう。昨年10月に50歳になっている手嶋多一は日本オープン、日本プロの歴代優勝者でレギュラー8勝の実力者。
また、今年6月に50歳を迎える藤田寛之は、レギュラーツアーの賞金王(12年)。レギュラーとの″二足のわらじ〝になりますが、シニアへの参戦も表明しています。
2000年から米ツアーへ挑戦、3勝を挙げた丸山茂樹は、国内ツアーでは9勝の実績。米国で手首を痛め、以後試合からは遠ざかっていますが、最近は練習量も増やして今年9月12日の50歳誕生日待ち。
9月19日からの日本シニアオープンがデビュー戦になりそうですが、米ツアー経験者として米国のシニアツアー(チャンピオンズツアー)も見据えているマルちゃんです。
シニア日程をみると、昨季台湾で行った初めての海外新規大会、「富邦仰徳シニア」が、同じ賞金総額4000万円で4月最終週に連続開催。「海外の試合を増やしていきたい」と海外進出に積極的な倉本会長の思いがこもっています。
真夏の酷暑対策として「特にギャラリーの体調を考えて」(倉本会長)7月は試合なし(昨季は2試合)。
8月第1週だったマルハン杯太平洋クラブは9月第1週にずらすなど、9月の試合が昨季の2試合から4試合に増えました。
新しい顔が続々登場してくる今年のシニアツアーは新鮮味がいっぱい。ギャラリー数の増加も期待され、シニア新世代の幕があきそうです。
【この記事は2019-1-21 ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】
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