ゴルフジャーナリストとしての使命

ジャーナリストは社会で起きている様々な現象の中で、それを伝えるべき情報として価値があるかどうかを精査し、「価値がある」と判断したなら、それを広くパブリックに訴え、共感を得ると共に、そこから派生する新たな動きに影響を与えることが使命である。それはジャーナリスト個人の持つ倫理観や正義観が核となって社会がより良くなるために行動を起こすもので、権力や地位やしがらみなどにとらわれず、信念を持って行動する人であると信ずる。

ゴルフ業界に携わる人間として、20年以上継続して続いている市場の縮小とこれからさらに厳しくなるであろう、いや絶対にそうなることが目に見えているにもかかわらず、改革の旗や声は挙がっても行動という実態が伴ってこない。「これではいけない何かをしなくては」とあちこちから行動が起こり始めているものの、企業の営業活動とは異なるため、そのスピードの遅さに不安や苛立ちを隠せない人が出始めているのも事実である。
なぜ、そうなのか、なぜ行動が遅いのか、そこには一体何が隠れているのか。このような事柄に光を当て、切り口を変えながら関係者に気づきを感じさせる、そこから新しいうねりを起こすきっかけを作っていく、それこそゴルフジャーナリストの仕事ではないかと思う。
Mediaを日本語では媒体と表現するが、媒体とはあるものとあるもの間に入って効果的に結びつけたり、良さを引き出すものと理解する。
「ゴルファーを幸せにする情報を提供する」、それがゴルフジャーナリストの行動の目的であれば、ゴルファーを取り巻く様々な情報の中から有益なものを選択し、媒体として両者を有機的に結びつける役割もゴルフジャーナリズムにあるのではないか。

ジャーナリストは公平なポジションを維持するため地位も権力もないが真実を伝えるという情熱が我々を突き動かしていると思う。
一人のジャーナリストの10本の指が多くの人の心を撃つことができるのなら、JGJAのメンバーの指の総数は、それこそ何百本にもなる。それだけの影響力はあるはずである。
ならばそれをもっと使おうではないか。情報が瞬時に行き交い、溢れ出る大量の情報の中から、真実を見出し、切り込み、あらゆるツールを使って「日本のゴルフを面白くする」それをJGJAの目的としてキャンペーンを始めようではないか。ゴルファーはきっとそれを待っているのだから。

松尾俊介

ABOUTこの記事をかいた人

1949年12月23日生れ  神奈川県出身
東海大学工学部航空宇宙学科卒、在学中は体育会ゴルフ部副将および関東学生ゴルフ連盟の連盟委員を兼務。パイロット志望から一転してゴルフ用品販売業務に携わる。ゴルフ工房を主宰しながら1988年からフリーランスゴルフライターとしても活動。国内外合わせて25のゴルフクラブメーカを取材し、記事として各誌に掲載する。「良いゴルフクラブとは何か」をテーマに取材活動を続ける。1989年米国キャロウェイゴルフの取材と掲載記事をきっかけに親交を深める。
その後1994年キャロウェイゴルフからのオファーを受け日本人初の正社員として契約。日本法人では広報担当責任者として6年間担当し、その後2014年までCorporate Relationsの担当責任者として勤務。主に対外的な渉外活動を行う。2015年からフリーとなる。
「日本のゴルフを面白くする」が新たな活動テーマ
キャロウェイゴルフ在職中はゴルフの普及や活性化のために幅広く活動。
◎ゴルフ市場活性化委員会広報責任者
◎一般社団法人日本ゴルフ用品協会 活性化委員、ジュニア委員
◎NPO日本障害者ゴルフ協会理事
◎北海道ゴルフ観光協会顧問
主な活動・著書
*著書:クラブが分かれば上手くなる!(スキージャーナル社)  
*取材編集:ゴルフの楽しみ方(講談社)