女性ゴルファーへの歩み寄り

2008年頃、“女子ゴルフブーム”があったと記憶しています。華やかなウエアがゴルフ場を彩り、瞬間的に女子ゴルフ市場が活気づきました。メーカーもこぞってギアやアパレル、小物などのレディス製品を出し、競い合ったのです。しかしここ数年聞こえてくるのは、「ブームは去ってしまった」という声ばかり。果たしてこの、過去の“女子ゴルフブーム”をゴルフ業界はどう捉えているのでしょうか?

当然、いいこともありました。その時ブームだからと始めた女性ゴルファーの中で、本当にゴルフに“ハマった”人たちは、継続してゴルフを楽しんでいるし、アパレルやギアにお金を使っている現状があります。実際に矢野経済研究所では、国内ゴルフ用品出荷市場を性別で調査しており、近年の女性ゴルフ用品の出荷比率は約20%、一方の女性ゴルフアパレルでは約35%を女性が占めています。この割合が多いか少ないかは別として、少なくとも“ブーム”時代の恩恵として残った女性ゴルファーが貢献していることと思います。

しかし、一方でなぜ、“ブーム”と言われるような一過性のものになってしまったのでしょうか。

たくさんの原因が考えられますが、ひとつには、ゴルフ業界の女性への“幻想”があったのではと推測します。

例えば、「ギアはピンクが入っていればいい」とか、「ウエアは派手に、機能よりも見た目重視で」とか。そこにはどちらかといえば、作り手側本位のモノづくりが多く、男性目線の女性への”決めつけ” や”思い込み”があったように感じます。そこへ女性ゴルファーの意見が採用されていることは稀で、ニーズとマッチしなかったのも一因ではないでしょうか。

最近では、レディス製品の企画担当の中に女性が組み込まれることも増えてきたと思いますが、まだまだ男性社会のゴルフ業界では、女子モノだからと言って女性社員の意見が100%反映されるわけではありません。わたしが担当している「GEW女子部」では、業界女子へのインタビューや各社のレディス市場への取り組みをお伝えすることで、ゴルフ業界の男性に対しても、女性に対する”決めつけ” や”思い込み” を払拭していきたいと考えています。こういった業界の体質改善こそ、多くのレディスゴルファー獲得には欠かせないものでしょう。

また、ゴルフを始めていない女性に、ゴルフに対するイメージを聞いたところ、「ルールやマナーが厳しそう」という声が挙がりました。

英国発祥の歴史あるスポーツですから、ルールはもちろん、不文律の細かいしきたりが存在するのも事実です。でもそれが単純にゴルフへのハードルを上げているのだとしたら、そのハードルを下げる努力をしなくてはなりません。ルールをわかりやすく解説する講座があってもいいし、特別ルールで行うゴルフがあってもいい。極端な話、3ホールぐらいの初心者専用ゴルフ場があれば、そこでルールやマナーを覚えていけばいいですし、お小言を言うオジ様ゴルファーからは逃れることができます。

このように女性ゴルファーに対し、業界から歩み寄っていくことこそ、過去の”ブーム”を教訓にした活性化の一歩となるのではないでしょうか。

最後に、実際に「GEW女子部」の取材活動を通じ、初心者や未経験者の女性向けのゴルフイベントにおける女性たちの参加理由を紹介したいと思います。

「ハワイでコースデビューしたい」

「ゴルフができると上司との会話が弾みそう」

「年をとっても続けられそう」

「ファッションを楽しめる」

ゴルフに対するイメージは何もネガティブなものばかりではありません。実に前向きな回答で、わたし自身も喜ばしい気持ちになりました。ゴルフ業界としては、この意気込んでゴルフに向かってきてくれる女性たちの実態を深く知り、ウェルカムな雰囲気の醸成に努めるべきだと思うのです。

※日々の活動はGEW女子部Facebookページにてお知らせしています。

ABOUTこの記事をかいた人

青樹里沙

大学卒業後、ITベンチャー企業、サイバードにて携帯を活用したプロモーション・広告のプランナー業務や恋愛シミュレーションゲームの企画を経験。
その後、ゴルフ用品界に入社。2014年6月より「GEW女子部」みならい編集長に就任。