2016年会員募集の現状と今後_その1

 会員募集は現在数多くのゴルフ場で行われている。募集金額は数千万円のクラブ有れば、数万円のものも有る。
 2016年中旬、関東圏を中心とした1都11県を対象に、正会員権及び土曜日に利用出来る平日会員権、或いは利用出来ない平日会員権の募集状況を調査した。現在の募集状況を把握し、今後の活動へ向けた資料として、クラブ運営者の方々に参考資料として頂ければ幸いである。

1、募集状況
 調査対象圏に於いて合計131コースで、会員募集が行われていた。その中でも千葉県34コース、茨城県25コースと群を抜いており、全体の45%を占めていた。
 131コースに於いて既に法的整理をしたコースが75、通常コース56と言う状況である。

 この131コースに於いて166種の会員募集が行われており、50万円未満が65種類、50万円以上100万円未満が27種類ある。その合計数は、92にも及ぶ。つまり100万円未満の募集会員権が、全体の約55%を占めていた。
 ではこの中で正会員権の割合を見た場合、約8割にも及び、殆どがこの募集である事が解かる。では166種類の中で、預託金の有る無しの状況は、下記の通りである。
・預託金有り 65
・無額面   101

 この様な状況を見ると、安価なプレー会員権の募集が、主流である事が理解出来る。これは募集主体による、デフレ経済を引きずった今日の販売戦術上から、そして今有るプレーヤーのニーズを速やかに吸収する為、必然的に考えられたものの様に思われる。
 高額会員権は時代に合わず売り辛く、まして預託金付き会員権は過去の過ちを省みないものとして、採用する事業者が少なくなった。これは新規にゴルフ場を立ち上げない補充募集が、主体で有る事も背景として挙げられる。
 この様な会員募集を通じて無額面会員と預託金会員とが共存したクラブ、或いは無額面のみのプレー会員制クラブが、燎原の火の様に広がっており、それはまるで過去の預託金制度を、全否定しているかの様だ。

2、高額での会員募集の成功事例
 これまで行われて来た会員募集の中で、成功した実例として静岡県の葛城ゴルフ倶楽部は、必見である。
 当該クラブでは2012年より始まり、2013年、2014年、2015年と夏の時期に会員募集を行って来ている。それは今や定期的と表現しても良いほど、お決まりのパターンに成って来ている。募集を行う主な理由は、退会手続きにより減少した会員の補充である。
 4年連続で成功している補充募集の経過は、下記の通りである。
①、2012年_5,760,000円 (50名)
②、2013年_6,260,000円 (30名)
③、2014年_6,296,000円 (30名)
④、2015年_6,296,000円 (30名)
 この募集は、それほど時間の経過を必要とせず、完売してしまう。開始前より入会希望の予約が入っており、早い時には開始から約1ヶ月足らずで、入会申込が定員に達してしまった年も有る様だ。入会審査手続きと入会承認者よりの入金受付手続きを経て、例年予定通りの時期をもって完売状態に成る。

 更にもう1件付け加えておかなければ成らないのは、千葉県の麻倉ゴルフ倶楽部である。同ゴルフ場は2008年10月に開場したのだが、会員募集はさかのぼる事半年前の同年4月より開始された。
 当初は縁故関係者を対象に募られたのだが、募集金額は預託金410万円を含む645万円だった。最終的には預託金600万円を含む924万円で行われ、完売している。
 予定口数が完売しては、次の募集へ向けて一時中断するというプロセスを経て、9年間かけて915名を募集した。この募集の特徴は、2回に渡り正規募集後に追加募集を行った点だ。
 この現象は、経産省へ届け出た数字以上の入会申し込みが有り、正規の募集枠では吸収し得ない為で有り、追加募集の届出と手続きをする関係から起きていた。

 上記2クラブに於ける最大の特徴は、経営母体に対する安心感と信用力の高さであり、更にバブル経済期に被害の少なかった新しい経営者や富裕層が、入会の対象者となった事の様に思われる。

3、会員募集の成功事例_PGMグループ
 PGMグループでは2015年の1年間を通じて、全国77コースに於いて会員募集を行ってきた。その募集実績は、5,300口強という好結果に成った。
 募集活動は2015年1月から開始されたものの、本格的にその活動が軌道に乗り出したのは、4月以降からである。

 例えば茨城県のセゴビアゴルフクラブ イン チヨダでは、2015年4月1日より正会員100名の補充募集が行われた。この募集は大変好評であり、7月末に終了したのだが、実質4ヶ月間の出来事であった。
 募集会員は無額面のいわゆるプレー会員で、募集価格は税別45万円。既存の会員権を取得して入会しようとした場合、その仕上がり金額は70万円ほどである事を考えた場合、その差が一目瞭然と言える。

 募集に応じた入会者の属性は、現会員の家族、友人、知人などが多く、募集成功へ導いた主役は何と言っても現会員と言え、会員による勧誘と推奨がおきな原動力と成った。
 この度の募集は無額面のプレー会員権であったが、会員権が預託金付きか或いは無額面かなどは、入会希望者の判断を迷わせる材料に成り得なかった様だ。

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大野良夫

大学卒業後30歳を契機にゴルフ業界へ身を置く様になり、ゴルフ会員権業者へ勤務の後2003年8月に独立。現在、タクト株式会社代表取締役。
主な活動・著書
「 ゴルフ事件 過去帖 」「 ゴルフ 偉人、名人、達人 列伝 」をWEBにて公開中。
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