SLEルール」は本当にゴルファーのためになるのか!
高反発フェースのドライバーはクラブとして認められないというけれど・・・
クラブフェースの反発係数を0・830以内に抑えるSLEルール(スプリング効果規制)が2008年1月1日から施行される。高反発クラブはゴルフ規則によって正式なゴルフ用具として認められないというもの。しかし、現状では「ルールだからといって素直に受け入れられない」などの意見も多く、一般ゴルファーやゴルフ場も含めて賛否両論が渦巻いている。SLEルールの今後の問題点、一般のアマチュアゴルファーに与える影響などについて識者の意見を集めてみた。
16%が高反発「全面OK」
片山 哲郎
「月刊ゴルフ用品界」はこのほど、全国のゴルフ場2374コースに対して電話調査を行った。テーマは、高反発ドライバーが使用禁止となるSLE規則の導入を控え、どのような対応を行うのか? というもので、1340コースから回答を得た。調査期間は10月下旬から11月中旬にかけてだった。質問は、
(1)全面使用可能 (2)全面使用禁止 (3)すべての倶楽部競技に限定して禁止
(4)一部の倶楽部競技に関して禁止
(5)基本的には全面禁止だが、年齢や性別などに使用可能の特例を設ける
(6)わからない、検討中
以上の6項目に分類し、ゴルフ場の方針を尋ねたもの。結論は別掲の円グラフにあるとおりで、(3)が639コースで全体の48%を占めた。方針が未決の(6)が255コース(19%)、次いで(1)の全面可能が211コース(16%)となっており、(2)の全面禁止(202コース、15%)をわずかに上回った。
興味深いのは、(1)と(2)が肩を並べたこと。全面禁止を打ち出すコースは伝統と格式を重んじる名門に多く、逆に倶楽部競技を含めて全面可能は、競合商圏で苦戦する一般的なコースが多い。「集客に苦労している昨今、規則変更でお客様に規制を設けるなどは論外」という意見が聞かれた。
このような比率が何を意味するのか? ひとつには「多様化」の発露といえなくもない。バブル時代に急増した日本のゴルフ場はいずれも「一流」を目指し、ゴルファーに選択肢を提供する個性的なサービスが少なかった。高級会員制倶楽部としての横並び意識だろう。今、ゴルフ場は競争の波にさらされており、多様なサービスで集客合戦を展開中。「高反発」の使用を巡る判断が割れるのも、多様化の一環と考えられる。