「子育て世代のゴルフライフへのサポートを!」 会社員 江口英樹

第2回JGJA論文大賞決定

私の提言「日本のゴルフをよくする」というテーマで、広く一般から募集した「第2回JGJA論文大賞」の入賞者が決定した。
大賞受賞者は東京ゴルフ専門学校に通う湯浅武晴さん(61歳)、準大賞はゴルフ練習場勤務の今井和浩さん(44歳)が受賞した。
応募者の名前経歴等を完全に伏せた状態で当協会の理事全員で審査の結果、大賞、準大賞を選定した。当号では、大賞作品、準大賞作品に加え、興味深い主張が展開されている入賞2作品を掲載した。


 

「子育て世代のゴルフライフへのサポートを!」

会社員 江口英樹
大阪府寝屋川市 42歳

近年、ジュニアゴルファーの育成が盛んですが、それを一歩進め、家族ぐるみで気軽にゴルフ練習場・コースへ遊びに行ける環境整備を、子育て世代に属する一介のアベレージゴルファーからの視点で提言させていただきます。
まずご承知のとおり、ゴルフは幅広い世代が、太陽の下、同じフィールドで健康的に遊べる貴重なレジャーです。ゴルファーとしてこどもの成長とともに齢を重ねる父母、もしくは祖父母とも、末永く一緒に楽しみたいものです。
また一方、最近の動向として、ファッションとしてゴルフに興味を持つ若い女性が増えており、この流れを一過性のものに終わらせず、その後半生のゴルフライフへつなげることも大切な事だと思います。
近年、核家族化がすすみ、子育て世帯では、こどもが学童年齢に達するまで母親に負担がかかり、息抜きとして楽しめるレジャーがほとんど存在しないのが現状です。またこの期間、妻子を残し父親だけで遊びに出るのは、憚られるものです。(万一、そこで父親だけで足繁くゴルフへ通ってしまえば、妻子にその〝遺恨〟が残り、以後家族で楽しめるまでに回復するのは困難かと思われます。)
夫の立場からすれば、妻子にもゴルフを楽しめる環境さえ与えられれば、本人も家族に気兼ねなく、ゴルフを楽しめるようになり、自ずとラウンド回数も増えるはずです。

― 提案 ―

① 練習場に乳幼児同伴者向け見学用シートやキッズルームの設置を
子育て世代の母親も、安心してこどもを見守る、もしくは遊ばせつつ、打席練習を楽しめれば、息抜きとしてたいへん有意義なものとなります。(家内の実体験に基づきます。)
自動車用チャイルドシートやレストラン用幼児イスの流用、既存イスへのベルト取り付けなど、工夫すれば設備コストはそれなりに抑えられるはずです。キッズルームはカーディーラーなどにあるようなごく小規模なもので用が足りるはずです。

② ゴルフ場への託児所の設置、提携もしくは情報提供
実体験として、私たち夫婦自身、一緒にゴルフをはじめた時から、娘(当時1歳)を預け、コースに出始めました。ステップとして、まず先に託児所を見つけ、次にその近隣地域のゴルフ場を探し、予約するというものでした。娘が4歳になる現在までに計60回、方々のゴルフ場近辺の託児所を利用し、育児からの開放感とラウンドを楽しんで来ました。
ゴルフ場自体に託児施設があるのが望ましいですが、託児所との提携優待サービスや、せめて近隣の託児所に関する情報だけでも提供いただけると、子育て世代にはたいへん助かるものです。

③ 同伴乗用カートの導入
国内でもペット同伴可というゴルフ場があるそうですが、乳幼児や児童がカートへ同乗でき、親のプレーを見学できるようなゴルフ場がないものかと考えております。
託児所料金(プレーフィー1人分以上かかる場合もあります)の節約もさることながら、親として目の届く範囲で安心してこどもを見守れ、こどものほうも見学することで、ゴルフに対する興味が湧き、自発的にクラブを握り始めるきっかけになるのではないでしょうか。

これらの、私が考える子育て世代というニッチな利用者ニーズに対して、どこかの練習場・ゴルフ場で、同業者間の差別化策のアイデアとして、導入をご検討いただければ幸いです。
この乳幼児、児童を持つ子育て家庭にも、親子ともどもゴルフへ親しめる環境が一般に広がれば、まさに生涯に渡って、家族仲良く一緒にゴルフを楽しめるチャンスが増えるのではないかと、考えております。