「普及活動を見えるかたちに」 東京ゴルフ専門学校 2年 代表:加藤展也・鈴木大典・山内章寛・姜尚賢・栗原 昭裕

第2回JGJA論文大賞決定

私の提言「日本のゴルフをよくする」というテーマで、広く一般から募集した「第2回JGJA論文大賞」の入賞者が決定した。
大賞受賞者は東京ゴルフ専門学校に通う湯浅武晴さん(61歳)、準大賞はゴルフ練習場勤務の今井和浩さん(44歳)が受賞した。
応募者の名前経歴等を完全に伏せた状態で当協会の理事全員で審査の結果、大賞、準大賞を選定した。当号では、大賞作品、準大賞作品に加え、興味深い主張が展開されている入賞2作品を掲載した。


 

「普及活動を見えるかたちに」

東京ゴルフ専門学校 2年 代表:加藤 展也(28歳)
鈴木 大典(19歳)
山内 章寛(20歳)
姜  尚賢(27歳)
栗原 昭裕(25歳)

はじめに

私は東京ゴルフ専門学校生5名の代表です。

内藤校長より日本ゴルフジャーナリスト協会で「日本のゴルフ界をよくする」提言論文を募集しており応募してみては、とお話を頂き、2年生クラスメートで相談・議論し、私達の意見を開陳する、またとない機会であると考え、応募しました。

現状認識

議論の中で一番始めに出てきて多かったのが、子供のころから感じていることで、ゴルフになじむ方法が少ないという意見でした。
野球やサッカー等は学校に上がる前からいろいろと接触でき、しかも小、中学校では授業の中で実践する機会もあります。その中から自然に興味が湧き、関心の強い者は専門的練習に入って行く道筋も見えてきます。
たとえゴルフに興味が湧き、関心を持っても、高額なゴルフ道具の購入の壁、ゴルフ練習場にすぐに行けない地理的環境などが立ちはだかり、一般的にはとっつきにくいということです。そして、いざ本格的に練習をしようとしてもジュニア教室は特定の場所にしかなく、一般的に授業料も高額で、気軽に入学し練習ができる状況ではありません。

提言

ゴルフ業界は多くの組織機能が縦割り分担されて活動されていると聞きますが、私たちから見ると、業界挙げて普及活動をしているようには全く感じられません。しかも前述したように、新しく始めようとする者にとっては高い塀だらけです。
そこで日本ゴルフジャーナリスト協会が普及活動のマスタープランを作成し、具体的計画書を各組織などに呼びかけ役割分担を決めて、ゴルフ普及の総本山の新しい団体組織を設置する運動のスタートを切られたらいかがでしょうか。各組織や各所で進められているゴルフジュニア教育やゴルフ場開放活動などの普及活動を一体感ある活動に組み上げ、世間から具体的によく見える形にするということです。
また、ゴルフは審判不在が特徴で、自己申告がベースであり、しかもマナー・エチケットが重んじられます。少年時代からゴルフに親しむことは、礼儀作法から情操教育、人格形成まで大変効果的で、中国の上流社会では子どものしつけ教育のためにゴルフを学ばせると聞きます。このゴルフの特徴を日本の小・中学校にも取り入れやすい環境作りや協力も業界の重要な役割であると思います。
また、具体的な活動の一例として、古くなり不用になったクラブや、年配者で使用しないので寄付頂けるクラブなどを業界として組織的に集め、必要としている学校やゴルフ教室などに寄付をして使ってもらう活動など各業界に協力要請をされて、協力が見える形にゴルフジャーナリスト協会としての広報活動などされてはいかがでしょうか。
サッカー協会は地域クラブの運営組織が整っていることもあり、草の根運動を各クラブチームに要請していると聞きます。
ゴルフは個人競技だけに組織化が難しいですが、一番フリーな立場にあるジャーナリスト協会なら利害関係も少なく、関係団体からも協力頂けるのではないかと思うのが私達の意見です。

まとめ

ゴルフの普及には、そのきっかけ作りやなじみやすくするために、環境を整備する必要があります。その環境作りに日本ゴルフジャーナリスト協会が一肌脱いで、業界組織化への呼びかけ活動を始められることを、私達一同、改めて提言いたします。私達はスポーツとしてのゴルフの普及を使命と考えており、後輩や、女性、高齢者などを大勢呼び込み、ゴルフ界が活性化することを心から願っています。是非気軽にゴルフに親しめる社会の実現を期待しています。