技術革新・規制緩和によって「人・モノ・カネ・情報」が国境を越えて行き交うようになった今日の「グローバル化」の中で、日本のゴルフ界は、未だかつて「ガラパゴス化」から抜けきれない状態ではないでしょうか?
私自身、25年前から日本のゴルフ界の将来を憂い、世界との橋渡し的な役割を担うべく活動を続けてまいりました。
米国で開催されている「ティーチング&コーチングセミナー」の通訳&コーディネーター、日本のプロや研修生を米国ミニツアーに挑戦・参戦する橋渡し、海外トーナメントの取材、海外ゴルフツアーの主催など、現地ににおもむき、皆様と一緒に体験して来ました。
「百聞は一見に如かず」の諺のように、とりあえず海外に出て行くことを皆様に進めて来ました。
「メジャー」と言われる4大ゴルフトーナメントを中心に日本でもテレビで見られる機会が多くなりました。しかし、現地で観戦して初めて知ることは数多くあります。

たとえは、1日5万人を越えるギャラリーの半分以上がゴルフをしない観客なんです。ゴルフをしない層が1日1万円のチケットを購入して売り切れになる工夫を興行主が数々と取組んでいます。選手側もそのことを理解して、ギャラリーサービスに応えているのです。
日本でも野球、サッカーなど他のプロスポーツイベントの観客がゲームを観戦に来るのに、日本のゴルフトーナメントにはそれが無い、まさしく「ガラパゴス」化と言えるでしょう。
9月1日から7日まで、わいず倶楽部10周年記念として「大東プロと行くぺブルビーチゴルフツアー」を開催し、ご一緒しました。世界屈指のゴルフ場として有名なぺブルビーチゴルフリゾート内にある3つのゴルフコースを20名の参加者の皆様がラウンドされました。
毎年のAT&Tプロアマトーナメントや10年に一度開催されている全米オープンゴルフ選手権の開催コースとして、海沿いの絶景の景観は、あまりにも有名です。
ぺブルビーチゴルフリンクスをラウンドする当日は、学生の試合が開催されており、我々は、試合の選手が出た後の12時ごろからのスタートでした。

タフな試合コンディションのコースセッティングのため、前半の9ホールは3時間ほどかかってしまいました。ゴルフ場からは、数人のマーシャルが進行を早めるために各組に注意をうながしました。
前の組と1ホール以上離れているパーティーには、ティーグラウンドを前から打つなどの対応も迫られました。「高いお金を払ってプレーしているのに、ゆっくりプレーさせて欲しい」との参加者からの苦情がありました。
しかし、アメリカでは、「個人の人権」同様に「公共の福祉」が重んじられているのです。前の組との間隔があくスロープレーは、ゴルフ場全体の「公共の福祉」に反し、許されないのです。

これは、日本のゴルフ場が供給過多のために「お客様は神様」的なサービスと、昔ながらのうるさい先輩ゴルファーからの指導が無くなってきたからの「ガラパゴス」化と言えるのではないでしょうか?
フェアウェルパーテーの総評で私は参加者の皆様にあえて苦言を申しました。
『口幅ったい言い方ですが、「ぺブルビーチをプレーしただけ」で終わるのよりも「ぺブルビーチをプレーしただけのことはある」と言われるゴルファーになってもらいたい』。
「プレーの進行を早めるための段取り上手になる。クラブを3本持ってボールを捜しに行く。素振りは1回で、構えてから2秒以内に打つ(素振りを何回も繰り返すのは、疑念や不安感があるから。長いアドレスでは、筋肉が硬直する傾向があるから。)

他人のプレーにも注意をはらうことで、プレーの進行にプラスになるだけでなく、自分のプレーの参考にもできます。グリーン上では、他人のラインでも、自分自身がパットすると思い観察することで、1ラウンドが4ラウンドすることと同じ経験値が得られて「ライン読み」の名手となることができます。」
日本のプロ選手たちが海外に出向き打ちのめされて帰って来て一念発起した再挑戦するように、皆様も今回の打ちのめされた経験を糧に練習課題に取組んで、一段上のレベルにあがって頂ければ幸いです。
例えば、洋芝の対応です。日本の高麗芝と違い、ボールが沈んだ状態になり、打点の正確性が要求されます。高麗芝であれば、芝の上でボールがティーアップされているような状況で、少しばかりのダブリはOKです。
しかし、洋芝は、少しのダフリもミスショットとなりますので、ダフリ気味でゴルファーには大変難しいのです。

また、現地におもむき、現地のゴルファーと一緒にプレーをして下さい。ゴルフは世界共通語です。ゴルフを一日一緒にプレーすれば、旧知の仲のように打ち解けることは間違いないです。
その時に重要なのが「英語力」でなく、「人間力」、そして「ゴルフ力」と言えるでしょう。「また、あの人と一緒にゴルフとしたい!」と思ってもらえるゴルファーになるべく、「ゴルフ力」を磨いて頂くことで、ゴルフのレベルアップにも必然と繋がるものと信じております。
世界中のゴルファーとプレーを一緒にし、交流を深めることが、我々が出来る一番の民間外交ではないでしょうか?
そのために、機会があれば、海外に出向き、皆様のゴルフ力を高めていただきたいと思います。ゴルフを通じたご縁を大切に、そのためのお手伝いが今後もしていきたいと思っております。
全く同感です。
P.Bはワイフなんかゴルフ始めて2年足らず。米国人青年2人との1組でしたが、ラウンドはあっという間の3時間半でした。ボールの行方を見て、ともかく暫定球を打ち、ロストボールにこだわらないこと、OKパットはしないけれど連続パッティング、カート往復は極力早く。それでもディボット跡にポットの砂はやり、ボールマークはなおす。ショットの練習ばかりの人が日本には多すぎますね。
若い仲間をスコットランドや神戸GCなどへ行かせています。みんなリピーターになります。人の輪ができています。昔は難しかったけれどネットの時代は楽です。