ジャーナリストは社会で起きている様々な現象の中で、それを伝えるべき情報として価値があるかどうかを精査し、「価値がある」と判断したなら、それを広くパブリックに訴え、共感を得ると共に、そこから派生する新たな動きに影響を与えることが使命である。それはジャーナリスト個人の持つ倫理観や正義観が核となって社会がより良くなるために行動を起こすもので、権力や地位やしがらみなどにとらわれず、信念を持って行動する人であると信ずる。
ゴルフ業界に携わる人間として、20年以上継続して続いている市場の縮小とこれからさらに厳しくなるであろう、いや絶対にそうなることが目に見えているにもかかわらず、改革の旗や声は挙がっても行動という実態が伴ってこない。「これではいけない何かをしなくては」とあちこちから行動が起こり始めているものの、企業の営業活動とは異なるため、そのスピードの遅さに不安や苛立ちを隠せない人が出始めているのも事実である。
なぜ、そうなのか、なぜ行動が遅いのか、そこには一体何が隠れているのか。このような事柄に光を当て、切り口を変えながら関係者に気づきを感じさせる、そこから新しいうねりを起こすきっかけを作っていく、それこそゴルフジャーナリストの仕事ではないかと思う。
Mediaを日本語では媒体と表現するが、媒体とはあるものとあるもの間に入って効果的に結びつけたり、良さを引き出すものと理解する。
「ゴルファーを幸せにする情報を提供する」、それがゴルフジャーナリストの行動の目的であれば、ゴルファーを取り巻く様々な情報の中から有益なものを選択し、媒体として両者を有機的に結びつける役割もゴルフジャーナリズムにあるのではないか。
ジャーナリストは公平なポジションを維持するため地位も権力もないが真実を伝えるという情熱が我々を突き動かしていると思う。
一人のジャーナリストの10本の指が多くの人の心を撃つことができるのなら、JGJAのメンバーの指の総数は、それこそ何百本にもなる。それだけの影響力はあるはずである。
ならばそれをもっと使おうではないか。情報が瞬時に行き交い、溢れ出る大量の情報の中から、真実を見出し、切り込み、あらゆるツールを使って「日本のゴルフを面白くする」それをJGJAの目的としてキャンペーンを始めようではないか。ゴルファーはきっとそれを待っているのだから。
松尾俊介