私の提言「日本のゴルフ界を発展させる具体論」「一人でも多くの人にクラブを握ってもらうためには…」 入 賞 ~初見 進~

第1回JGJA論文大賞決定
大賞受賞作は井関美和氏の
「ゴルフ・全国均一カジュアル化計画」に決定
私の提言「日本のゴルフ界を発展させる具体論」というテーマで、広く一般から論文を募集した第1回JGJA論文大賞の入賞者が決定しました。すべての作品を、応募者の名前等を完全に伏せた状態で審査。当協会の理事全員が読み、投票の結果、大賞1作品、準大賞作品が決まりました。大賞受賞者はゴルフライターの初見進氏を僅差で押さえ、主婦の井関美和さんが受賞しました。当号では、この受賞2作品の他、興味深い主張が展開されていた作品をジャンルのバランスを考慮した上で、掲載いたしました。


 

現在、日本のゴルフ業界関係者の間で問題なのは、危機感の欠如である。先のゴルフフェアで『ゴルフ市場活性化委員会』のセミナーに参加したが「ゴルフ離れを食い止めるには、これからどうしたら良いか」という点に関して〝本当に、真剣に考えているのだろうか〟と思わざるを得なかった。
その最たるものは、「始めようゴルフ」、つまり、これからゴルフを始めてもらうにはどうしたら良いか? について、初心者でも参加しやすいスクランブルゴルフ大会の開催を提唱していた。
その前段階の、「どうしたらクラブを握らせることができるか」を飛び越しての議論となっている。他の取り組みに関しても、すべてが競技を開催することで、もっとゴルフを続けてもらってゴルフの輪を広げて活性化につなげようとするものであった。
現在ゴルフを楽しんでいる人の何パーセントが競技ゴルフをしているだろうか。
会員制のクラブにおいても、クラブ競技に出場するのは3割に満たない。友人知人とのゴルフを楽しむ人が増えているのが現状であるのに、これからゴルフを始めさせようとする人に向かって、競技ゴルフの誘い込をメインに据えるのは的外れである。
それに気がつかないのは、この期に及んでも業界関係者の間に危機感が欠如しているからに他ならない。プロゴルファーも含めて関係者が危機感を持たないといけない。
日本のゴルフを発展させるために必要な最低条件は、一人でも多くの人にクラブを握ってもらうことである。その最も簡単で効果的なのは、業界関係者一人一人が身近な人にゴルフを始めさせることである。そうすることで確実にゴルフ人口は増加するし、何が問題になっているかも身に染みて理解でき、本当の解決策に向かって前進するはずだ。
クラブメーカーで働く人やゴルフ雑誌の編集者の中にもゴルフをしない人がいるが、それは絶対におかしい。ゴルフに携わっている人がゴルフをしないで、ゴルフの発展が実現するはずはない。積極的に平日のゴルフを会社が先頭に立って推奨するくらいにならないと、真のゴルフの発展にはつながらない。
さらに、親、兄弟、妻、夫、子供、友人など身近な人にクラブを握らせることで、その人たちの友人知人がゴルフを始め、輪が広がっていく。
「そんなことでは抜本的な解決策にならない」という人がいるかもしれないが、先に述べたように、その過程でネックになっているものが見えてくる。例えば、軽やカローラクラスのクラブの開発と、それらの露出の拡大である。
現在、広告宣伝で露出され、市場でメインに販売されているクラブはいずれも高価格のものばかりで、それを見ただけで二の足を踏む人が少なくない。一人でも多くの人にクラブを握ってもらうのがゴルフ普及の原点であるのだから、クラブメーカーも真剣に普及品の開発販売に取り組んでほしい。