日本より条件の悪い国でも立派に1グリーンで運営している事実に目を向けるべき ゴルフコース設計家 ~ロバート・トレント・ジョーンズJr.~

以前、日本のゴルフコースの多くが2グリーンになった経緯を聞いたことがあります。「たまたまその年、アメリカの中西部が猛暑に襲われ、一時的に2グリーンにしたところ、それを偶然見ていた日本人が2グリーンをそのまま採用した」という話でした。
この真偽のほどはわかりませんが、ただ、アメリカで一時的だったものを、そのまま半永久的に採用した日本は勉強不足といわれても仕方がないと思います。
私も以前、2グリーンのコースを造って欲しいという依頼を日本のクライアントから請けましたが、もちろん断りました。ゴルフというスポーツは1グリーンのコースで行うものであり、またビジュアル的にも2グリーンは良くありません。
さらに一つ気がついて欲しいことがあります。日本よりもっと気象条件の悪いところでも、立派に1グリーンで充分運営しているコースが世界中にはたくさんあります。これができないのであれば、グリーンキーパーの怠慢、工事の問題、といっても過言ではないでしょう。ターゲットがきちんと設定できる1グリーンに早急に改善すべき、と考えます。

〈プロフィール〉
ロバート・トレント・ジョーンズ・Jr.
1939年生まれ。エール大学、スタンフォード大学卒業。設計手腕は父と並ぶほど評価が高い。現在世界各国に100コース以上の設計を手がけている。日本ではオーク・ヒルズGC、ゴールデンバレーGC等、計26コースの設計を行っている。