2グリーンに慣れているので違和感はないがやっぱり1グリーン  ~細川 和彦~

2000年は海外の試合にかなりのウェートを置いて戦ってきました。試合数は15試合前後だったと思います。6月のケンパー・オープンで2位に入り、獲得賞金が昨年の150位相当を上回ったことで、米ツアーのテンポラリーメンバー(臨時会員)になれました。このチャンスを逃したくないと思い、出られる試合はウエーティングでも出るようにしたのです。結果は苦しみの連続でした。予選を通った試合の方が少なかったのですが、いい経験をしました。
さて、その日米のゴルフコースの違いはいろいろありますが、まずグリーンでしょう。2グリーンの日本に対して米国では1グリーン。向こうでは1ホールにグリーンが二つあるなんて考えも及ばないことだと思います。2グリーンに慣れている僕らにしてみれば、グリーンが二つあっても少しも違和感はないのですが、1グリーンと比べるといろいろと違いが出てきます。
1グリーンの方が攻めやすいのは確かです。基本的に1グリーンなら大きく造れるし、2グリーンは小さくなるのが普通です。グリーンが大きければセカンドは打ちやすいですが、ゴルフはそう簡単ではありません。広い1グリーンは大きな傾斜など、アンジュレーションが必ずといっていいほどあります。小さなグリーンが四つ分ほどの傾斜がある場合もあるし、上下二段になっていれば上一つ、下一つの2グリーンがあるようなものです。端の方にオンしたら打ち方一つでカップから離れていくようなグリーンだってあります。2グリーンのグリーン脇のラフに外した方がパーなり、バーディは取りやすいともいえます。アイアンのいいときは日本の小さな2グリーンでもいいですが、アイアンの悪いときは広い1グリーンでパター勝負の方が安心という考えもあるでしょう。
僕らはどうしてもプレーする立場でものをいってしまいますが、1グリーンがいい、2グリーンは面白くないといった感じは特に持っていません。先にいったようにそのときの天候やゴルフのできによって、どちらにもいいところ悪いところがあると思います。日本は元来、高麗グリーンから始まっていますから、のちに夏は高麗、冬はベントという感じで二つのグリーンを造るようになったのでしょう。日本も昔のコースは高麗の1グリーンだったはずです。
芝生の研究が進み、日本の夏でも耐えられるベントができてきていますので、これからは日本も1グリーン化が進むでしょう。見た目でも2グリーンよりは1グリーンのの方がコースとしては格好がつきます。これからコースを造るなら僕も1グリーンですね。しかし、2グリーンにも味があると思っています。

〈プロフィール〉
細川 和彦(ほそかわ かずひこ)
1970年茨城県生まれ。99年は全日空オープンとゴルフ日本シリーズJTカップを制し、賞金ランキング2位。今年は海外を拠点として戦い、ケンパーオープン2位の成績を残している。