最近になって、またぞろ2025年問題ということが言われ始めてきました。2015年前にも同じようなことが言われましたが、今度の2025年問題は、ベビブーム世代の団塊の世代が2015年頃までに75歳以上の後期高齢者になることで、社会医療費の急増が見込まれることが懸念されているのです。2015年問題の際は、団塊の世代が前期高齢者になることの問題のほかに、ゴルフ界では高齢者のゴルフ人口減が心配されていました。しかし、平均寿命が延びたこともあると同時に、大半のゴルフ場が乗用カートを導入したことによって、高齢者のゴルフ場離れは予想していたより下回りました。果たして、2025年問題はどうなるでしょう?
そこで、幾つになってもゴルフはやめないほうが良いというか、ゴルフをすることは長寿に直結するという話をしたいと思います。
12月上旬にスウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式があり、日本の大隅良典東京工業大学名誉教授がノーベル生理学・医学賞をしましたが、ノーベル賞の生理学医学部門の選考委員会があるのは、カロリンスカ研究所というところです。そのカロリンスカ研究所から、スウェーデン国内のゴルファー30万人を対象にサンプル調査した結果、ゴルファーの死亡率は、ゴルフをしない人より40%も低く、寿命も平均5年長いということが発表されています。しかも、ハンディが少ないゴルファーほど長生きするそうです。高齢者になったからと言ってゴルフをやめるのではなく、できるだけゴルフ場に出ていつまでも向上心を持ってプレーすることを心掛けていれば、長生きできることが証明されているのです。
以前、ゴルフは歩いてプレーするから成人病対策に適していると言われていました。乗用カートを導入するゴルフ場が増えたことで歩数は確かに減りましたが、それでも最低、7000歩~8000歩は1ラウンドで歩きます。これは、日常生活では歩くことを日課にしている人以外では実現できない数字です。
それだけでも確実に身体に良いことは分かりますが、カロリンクス研究所の調査結果から分かるのは、単に歩くことだけが寿命を長くする訳ではないということです。ポイントとなるのは、ハンディが少ないゴルファーほど長生きする、というところです。ハンディが少ないゴルファーとはどういうゴルファーか考えてみましょう。まず考えられるのは、練習量が多いということでしょう。ということは、クラブを振る回数が多く、それだけ体を捻転させるので血流も良くなります。
次に考えられるのは、頭を使ってプレーしているということです。上手になればなるほど、単にティショットでドライバーを振り回して、第2打でどんなところからでもピンやグリーンを狙うのではなく、ホールの状況を見極め、絶対に打ってはならないところを避け、自分の飛距離やボールの状況などをしっかりと判断してできるだけ少ない打数でホールアウトすることを心掛けています。いわゆるマネージメント力ということですが、これは認知症対策にも最適と言われています。“どこにどう打って、どこに乗せようか?このグリーンの速さと傾斜ではどこにどれだけの強さでパットしたら良いだろうか?”などと考えてプレーすることで思考能力を衰えさせることを防げます。芝の緑や周辺の自然の四季の移ろいを目にしながらのプレーも目だけでなく精神的にも良いとされています。「年だからやめる」などと言わず、大いにゴルフを楽しみましょう!
「VIew Golf 新聞」 2017新年号より
「VIew Golf 新聞」(http://golnavi.com/)
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