【この記事は2019-10-15に大西久光ブログに掲載したものを転載しております】
チェリーヒルズで開催された日本女子プロに3.5万人の観衆、白山で開催された日本女子オープンに4.6万人の観衆が集まりました。それぞれに関係者の入場券販売についてのアイデアと努力があったからですが、渋野メジャー制覇による人気上昇がきっかけになったのは当然です。
1968年スタートして以来、女子プロがこんなに盛り上がったのは初めてだ。
2000年頃には大手テレビ局が女子ゴルフの放映をやめようと検討したこともありました。
女子ゴルフの人気がなく、競技数も年々少なくなり、視聴率も落ちていたからです。
競技数が一番多かったのは1991年の39競技でしたが、2003年には30競技にまで減少して、
危機感がありました。
停滞していた2003年にアマの宮里藍が2003年ダンロップに優勝したのをきっかけに宮里と同じ世代のJGAが育てていたジュニア達に火をつけた。宮里のインタビューなどに現れる人柄が受け入れられたこともあります。
プロゴルフ界はインフレ経済と冠スポンサー方式に支えられてきましたが、バブル崩壊以後のデフレ経済に対しては全く無策でした。
然し、女子プロ界は樋口、岡本、小林等のリーダーが米国ツアーの経験者として、米国で経験したことを生かす政策を実行してきました。
トーナメントコースの改善がその主な点です。
10数年前から、6100y前後だったコースを6400y以上に変えましたがそれによってドライバーの距離が240y以上でない人にチャンスがなくなりました。今では女子トッププロの技術力は上がり、アイアンの正確性は男性並みになっています。
樋口会長時代にプロアマに力を入れて、前夜祭出席やプロアマでの貢献度を重視するようになった。先日の女子プロでも新しい方式がとられました。
9hsでプロが変わり、アマは二人のプロとプレーすることができた。同時に2倍のプロがラウンドと練習をする時間ができました。
このような改革にチャレンジしているところも男子ツアー以上です。シード権のないプロにステップ・アップ・ツアーが20競技以上あり、若い選手の競技経験を増やしています。
一方、男子ツアーはどうか?
1999年にPGAから独立してJGTOを立ち上げましたが、独立した事での優位点を何も発揮せず、現在に至っています。女子は男子の独立を見て、協会内に事業部を作りました。
女子は若い世代が次々と出て、毎年のようにリフレッシュされています。男子も20歳代の若い優秀な選手は多くなっていますが、私が進めたかった若い選手のための競技数が増えていません。
ゴルフ競技は競技経験こそが大切です。
今こそ若い人が世界へ武者修行に行く時ではないでしょうか。好調な女子プロツアーにも将来への不安点はありますが、それは次回のテーマにしたいと思います。
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