今年の「日本アマチュアゴルフ(男子)NO1」は、大阪学院大4年の亀代順哉(かめしろ・じゅんや、21)でした。北海道苫小牧市の北海道ブルックスCCを舞台(7月5~8日)に行われた日本アマチュアゴルフ選手権は、最終日69で回った亀代が通算6アンダーとして並んだ比嘉一貴(東北福祉大3年)とのプレーオフを2ホール目のバーディーで下し、逆転で初優勝しました。ロングヒッターで名を売る亀代は、早くもその本領を発揮。″アマチュア日本一”の肩書をつけて来季はプロに転向することが決まっています。また一人、期待の新星がプロの門をたたきます。(競技は昨年まで決勝ラウンドは上位によるマッチプレーだったが、今年から4日間72ホールのストロークプレーになった)
日本アマ日本一を争う過酷な4日間の戦い。3日目を終わってトップに並んだのは比嘉一貴と、ともに18歳の小斉平(こさいひら)優和(茨城・日本ウェルネス高3年)と坂本雄介(埼玉栄高3年)の3人。1打差の4位に亀代と、連覇を狙う金谷拓実(広島国際学院高3年)がつけました。この5人の中から最終日誰が飛び出すか。全く予測のつかない大激戦でした。優勝争いの厳しいプレッシャーに加え、北海道独特の強い風がコースを吹き抜け、最終日はスコアがなかなか伸びません。前半、同じように苦しんだ亀代は557ヤードの9番(パー5)で飛ばし屋の本領をみせました。残りの第2打は220ヤード。ドライバーは330ヤード飛んだことになります。セカンドは5番アイアンでグリーン横まで運び、これをピン50㌢に寄せてのバーディー。300ヤードを楽々超えるティーショットは魅力です。この9番で一気に爆発しました。ターンした10、11、12番と4連続バーディー。17番のパー5でもまたも第2打でグリーン手前。アプローチした奥4㍍をねじ込んで6バーディー(3ボギー)とスコアを伸ばしてトップに立ちました。これでほぼ決まりかと思われた試合でしたが、最終組で1打遅れてきた比嘉が、18番で起死回生のチップインバーディーを奪って亀代と並び、プレーオフへ持ち込んだのでした。
プレーオフ1ホール目をパーで分けた2ホール目(18番)。比嘉が長いバーディーパットを外したあと、亀代は下り7㍍の難しいフックラインを沈める鮮やかなバーディーで「日本一」を勝ち取りました。「本戦の18番とほぼ同じラインだったので読めていたから」と、会心の笑顔をみせた亀代。初めての全国レベルのビッグタイトルをつかんで興奮はピークに達していました。
★″飛ばし屋”のパワーを生かし、1打差4位から逆転優勝した亀代順哉のコメント。
「プレーオフはプレッシャーもなく戦えました。最後のあのラインは本戦の18番と同じライン。距離だけは違っていましたけど、ちゃんとストロークできれば大丈夫だと思って打ちました。自分はもともと飛ぶ方だったんですが、大学2年のころからさらに20ヤードは飛距離が出るようになった。そして曲がりも少なくなった。入学時は70㌔だった体重が筋トレや食事で、いまは80㌔に増えました。太ももも70㌢になってズボンがはけなくなって・・(笑い)。胸囲も大きくなったし、それが飛距離につながっていると思います」
徳島県出身で香川西高から大阪学院大に進んで4年生。キャプテンとして60人ほどの部員をまとめる大役も果たしています。最近の大阪学院大は、大堀裕次郎(2013年日本アマ優勝=プロ転向)、小西奨太(2014年日本学生優勝)長谷川祥平(2015年日本学生優勝=プロ転向)と有望なゴルファーを輩出していますが、それら先輩に
続く″大物”亀代順哉の登場!といっていいでしょう。
大学在学中に体力増強を果たしたと話していますが、プロツアーに出場した15年のHEIWA・PGM、今年4月の東建ホームメイト杯でのドライビング・ディスタンスでともにプロを抑えて1位。今年の東建では平均301・25ヤードを記録しました。パワフル・亀代の飛距離は、来季プロ転向すれば一段と脚光を増すことでしょう。楽しみな新星の出現です。
亀代の残るアマの競技は「日本学生ゴルフ選手権」(8・23~26)になります。注目です!
【この記事は2016-07-19ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】