現地時間30日から「全英女子オープンゴルフ」が名門ターベリーで開催され、日本からも数多くの女子プロが参戦する。すでに3つのメジャートーナメントが終了しており、そのうち、全米女子プロゴルフ選手権は韓国のパク・インビ、そして全米女子オープンも韓国のチョン・インジが制している。
米女子ツアーの賞金ランクを見ても、韓国勢の活躍が目立つ。トップ10に一位のパク・インビを含めて4人、トップ20にいたっては9人を韓国勢が占めている。
日本勢はと言うと、トップ20は一人もいない。トップ50ですら、宮里美香(29位)と横峯さくら(49位)の二人だけ。日本の女子ツアーに目を向けても韓国勢の隆盛が目を引く。イ・ボミが賞金レースを独走しているし、すでに19戦終了した時点で韓国勢が7試合を制している。
この違いはどこから生まれてくるのだろう。私は動機付けの決定的な違いが一番の理由であると考えている。動機付けにはいくつもの分類があるが、対比される代表的なものに、「希望系動機付け」と「緊張系動機付け」がある。
日本の女子プロは希望系動機付けを好む。キーワードは、「希望」、「夢」、「憧れ」であり、単純に「夢を叶えたい」という願望に基づいた動機付け。しかし、この動機付けでは弱過ぎるのだ。言葉で「優勝したい」と言うのは美しいが、そこから切実感は伝わってこない。もっと言えば、この願望を言葉で表現するだけでは、何も前には進まない。
一方、韓国の女子プロを支えているのが緊張系動機付け。キーワードは「貪欲」、「危機感」、「飢え」である。ハングリー精神を心の中に満たして貪欲に賞金を獲りにいく。この動機付けは強力である。この動機付けがあるから、必然的に韓国の選手たちを猛練習に走らせることになる。この点において明らかに日本人選手は遅れをとっている。それはともかく、ターンベリーで貪欲なプレーに終始して優勝争いに絡む日本人選手が現れることを期待したい。
(日刊ゲンダイ 平成27年7月31日付)