「ゴルフを本当のスポーツに」

明けましておめでとうございます。日本にゴルフ場が出来てちょうど100年目にあたる3年前(2001年)、ゴルフ関連16団体が中心となり、「日本ゴルフ100年祭」が行われました。16団体に加盟している日本ゴルフジャーナリスト協会は、協賛企画として「ゴルフを本当のスポーツに」という観点から記念論文を一般公募しました。
ゴルフはもちろんスポーツです。それなのに敢えて「本当のスポーツに」というテーマにしたのは、日本ではゴルフが「金持ちの大人の遊び」と見られてきたからです。日本のゴルフは「社用」とか「接待」によって支えられてきました。
バブルの頃は数千万円の会員権がぼんぼん売れ、首都圏では平日のビジター料金が3万円以上というのはざらで、それでもスタートをとるのが大変でした。社用のためには高いほうがよいというので、ゴルフ場の建設にあたっても豪華なクラブハウスを造るなど、日本のゴルフはスポーツからかけ離れていってしまいました。
やがてバブルがはじけ、社用ゴルファーがいなくなったことで入場者が激減、個人でも払えるような料金に割引競争が始まるわけです。しかし今まで3万円近くもしたビジター料金を半額以下にして入場者が多少増えたとしてもバブルの頃に比べたら売り上げは大幅にダウンしているので、やっていけるはずがありません。
往復の交通費を入れても1万円ぐらいで抑えられるなら、一般のサラリーマンでも月2回ぐらいのゴルフは可能だと思います。「そんな低料金ではいくら入場者が増えてもやっていけない」と経営者は言うかもしれません。既存のゴルフ場にはもちろん無理でしょう。
ゴルフ場をつくる段階から考え直さなければなりません。コースやハウスの建設費を出来るだけ抑えて維持費や経費を削減、人件費も必要最小限にすればよいのです。ゴルフはスポーツだという観点に立てば、そういう経営の仕方も無理ではないはずです。
ゴルフ関連16団体が取り組んできた「ゴルフ場利用税」も、4月から一部軽減される見通しです。昨年まとまった与党の税制大綱で70歳以上の者、障害者、18差歳未満の者、授業や部活動で利用する18歳以上の学生と教員、国民体育大会に参加する選手は、それぞれ非課税とすることになったのです。
日本のゴルフが「本当のスポーツ」に向けて、ようやく第一歩を踏み出したといってよいでしょう。

菅野徳雄