反発係数より打点の正確を高めることが飛距離アップにつながる    大東 将啓

SLEルール」は本当にゴルファーのためになるのか!
高反発フェースのドライバーはクラブとして認められないというけれど・・・

クラブフェースの反発係数を0・830以内に抑えるSLEルール(スプリング効果規制)が2008年1月1日から施行される。高反発クラブはゴルフ規則によって正式なゴルフ用具として認められないというもの。しかし、現状では「ルールだからといって素直に受け入れられない」などの意見も多く、一般ゴルファーやゴルフ場も含めて賛否両論が渦巻いている。SLEルールの今後の問題点、一般のアマチュアゴルファーに与える影響などについて識者の意見を集めてみた。


 

反発係数より打点の正確を高めることが飛距離アップにつながる  大東 将啓

反発係数の適用か不適用のクラブ選びで迷われているゴルファーが意外と多い。

その理由は、「少しでも飛ぶクラブを使いたいから」「友人よりも飛距離で負けたくないから」だと言う。

しかし飛距離を出す一番は、自分に合ったクラブで、打点の正確性を高めることなのだ。反発係数に固執するゴルファーに限って、ボールが飛ぶ原理を理解していないことが多い。

ボールの飛びは、(1)初速(2)スピン量(3)打ち出し角度で決まる。ボールの初速によって、放物線を描いて最大の飛距離が出る、最適なスピン量と打ち出し角度がある。

ゴルファーに合ったクラブ選びは、最高のヘッドスピードが出せ、最適なスピン量と打ち出し角度が得られるのかがポイントとなる。ゴルフクラブほど、手にとって見るだけでは判断出来にくい商品はない。クラブのバランス、ロフト角、シャフトの硬さなどは、あらかじめ表示してある場合が多い。その表示によって、ある程度のスペックは判断がつくが、実際に打ち比べてみないと分からない。しかし、ほとんどのゴルファーは、新品のクラブを試打することなく買ってしまう。

「人気のプロが使っているから」「友達が良いと言っているから、自分も欲しくなった」と言った理由で、そのクラブが自分に合っているかどうかの判断をしない。

クラブ購入の際には、今使っている自分のクラブと打ち比べてみることをお勧めする。連続で何球も打つのではなく、一球ずつ自分のクラブと交互にボールを打つ。連続で同じクラブを打つと、身体がクラブに合わせてスイングするようになるから。打ち比べて飛んでいくボールの違いを観察することが、クラブ選びの第一歩となる。

そのときに注意したいのは、フェースの何処でボールを捕らえているかという点である。ボールの打った跡が付く「ショットマーカー」をフェース面に貼って、チェックする。

最大のボール初速を得るためには、スイートスポットでヒットすること。クラブヘッドの芯でボールをヒットすれば、ヘッドスピードの1.5倍弱の初速でボールが飛び出す。打点を観察することで、自分のショットの傾向を知ることができる。

例えばネックよりでボールを捕らえる事の多いヒールヒッターは、本来得ることのできる自分の飛距離を損している。そんなプレーヤーに限って、ボールの行方を気にし過ぎて、打点を観察することまで気が行かない。自分の打点を観察することで、スイングの傾向も分析でき、打点の正確性を高めて最大飛距離を得ることができるのだ。

SLEルール規制で、飛距離が落ちることを心配しているゴルファーは少なくない。反発係数を気にする前に、毎回のショット後に打点をチェックすることから始めてみてはどうだろうか。

打点の正確性を高めることが、飛距離アップの最大要因であるから。