ジュニア対策が進む 関西ゴルフ連盟が独自のジュニア会員 練習場、コースラウンドを無償で提供

ゴルフの少子化対策と言えば、ジュニアゴルファーの育成がキーポイントだ。日本ゴルフ協会(JGA)もジュニア会員制度を設けているほか、各地区連盟も様々な活動を繰り広げている。またプロの各団体もスナッグゴルフの小学校での普及に力を入れるなど、未来のゴルフアーの増加を視野に入れている。そこで今回は独自にジュニア会員制度をつくり、ジュニアに無償で練習場、コースを提供し、注目を浴びている関西ゴルフ連盟(大阪・KGU)の試みをご紹介しよう。

バブルの崩壊とともに、接待ゴルフが影をひそめ、スポーツゴルフが本流となってきた。女子プロの藍ちゃん効果などで、ジュニアのゴルフ熱も、かつてないほど高まってきている。ところが、ジュニアが自由に練習したり、ラウンドする環境が少ない。場所、費用というものが、最大のネツクとなっている。
事の起こりは、昨年の関西ゴルフ連盟のジュニアスクールである。これが大盛況に終わり、ジュニアのゴルフ熱が高いことが分かった。このままだと、少子化とほかのスポーツの多様化に押されて、ゴルファーのいないゴルフ界ができてしまう。ジュニアの育成を真剣に考えようとなった。

加盟220クラブに打診したところ社団法人の名門コースなど49クラブが賛成、練習場やコースを無償提供することとなった。方法はクラブによって、できる範囲で無理せずに長く続けていこういうのが狙い。

参加できるのは、一般の6歳から18歳までの小、中、高校生。JGAのジュニア会員を対象にした。この会員に入ることが先決だが、クラブやKGUで入会手続きをしてくれる。

こうして今年度からKGUジュニア会員制度が発足した。当初、登録したのは586人。4月に高校を卒業することなどで、切り替えがあり、現在は706人のジュニアが練習活動をしている。主に、練習場の利用、最終プレーヤーのスタート後のセルフラウンド練習だが、利用料が「ただ」というのがありがたい。

KGU調べによる一覧表を見てみよう。どのクラブも若きゴルファーの育成のために、クラブ事情の許す範囲で協力していることが分かる。メンバーやゲストのプレーの邪魔にならない範囲で、無償で練習させており、ゴルファーの活性化に尽くしている。指導者や保護者の付き添いを認めており、中には付き添いの有料同伴プレーもできるクラブもある。またクラブバスの利用、ハウスの利用も可というところもあり、こうしたサービスはジュニアゴルファーの態度しだいで拡大することも予想される。

KGUでは「ジュニアにゴルフ場でゴルフに親しんでもらい、ゴルフの楽しさを知ってもらおう」(三谷賀一事務局長)というものだが、実際にスタートしてみるといろいろな問題点も出てきた。6か月間、すんでみて、49コースのうち三分の一のコースを利用している。クラブによっては、指導者保護者の付き添いを望むところと、送迎だけでよいというところがあり、それぞれ話合いが必要。さらに「あいさつができない」「保護者の服装がゴルフ場にふさわしくない」「保護者がゴルフに無知」「禁煙場所で喫煙」「ラウンドで2球以上のプレー」「アプローチ禁止場所での違反」などなど。

ジュニアの方は、いい練習環境の提供に感謝の気持ちをもつことが大事だし、受け入れるほうも、大きな気持ちで指導していく必要があるようだ。
マナー違反者は注意し、聞かない場合は利用できない、という方針である。まずはマナー、エチケットを勉強して参加して欲しいものだ。
とはいえ、大半の会員は真面目に練習しており、未来のトップアマチュアがKGUジュニア会員から続出するかも知れない。

KGUジュニア会員

無料で登録できます。
(6~18歳の男女)
会員証:写真入オリジナル会員証を発行
特 典:協力クラブでの無償プレー(最終組スタート後)、
協力クラブでの無償練習場使用
※JGA会員になるのが前提です。
(登録料、年会費各千円)
会員になると地区連盟のジュニアスクール、選手権大会に出場できます。