【この記事は2020-8-20に大西久光ブログに掲載したものを転載しております】
その1年前(昭和33年)、ダンロップは国産「ダンロップ65」の製造販売を始めた。当初の値段が1個350円。しかしその価格では高すぎるし、このままではゴルフの振興にとってガンになる、と社内論議を生んだ。そして徹底的に製造工程が見直され販売ルートの確立を行った結果、翌年6月には一1個300円まで値下げされた。
私が関西学院大学を卒業してダンロップに入社した年である。神戸本社で3ヶ月の社員教育を受けながら、そこで見たものは大きな倉庫に積み上げられた在庫ボールの山であった。そのうえ、値下げになったとたん、物品税減税の関係で販売店から、数か月分のボールが帰ってきた。先輩とそのボールの山を整理しているうち、7月になって私は東京に配属され、そして先に触れたプロへのボール売りが始まったのだった。なまじ在庫の山を見ているだけに、時には気の迷いもあったが。
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