日本プロゴルフ協会創立60周年記念パーティーが、7月10日に東京のホテルニューオータニで関係者ら約300人を集めて開催されました。
冒頭、PGA倉本昌弘会長が60年の節目に会長職を務めさせていただき大変光栄との主催者挨拶を述べました。
「1957年、埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部でカナダカップが行われ、中村寅吉・小野光一の日本代表チームが世界の強豪を下して優勝した。
これがゴルフ第一次ブームを巻き起こしたのだが、同じ年の7月26日に神奈川県の相模ゴルフ倶楽部に東西のプロゴルフ協会員が集い、協会の統一が決まった際には会員数は100名だった。それから60年を経て協会会員数は現在5542名を数える。」
協会の歴史を振り返り、挨拶に立ったPGA倉本昌弘会長は「(各ゴルフ協会と)力を合わせ、これからもさらに発展して行きたい」と抱負を語りました。
継いで、スポーツ庁の鈴木大地長官が祝辞を述べられました。
倉本会長と懇意にしているPGAオブアメリカのポール・リヴィ会長もアメリカより駆けつけ祝辞と特別記念を贈られました。
JGTOの青木功会長は「LPGA(日本女子プロゴルフ協会)の小林(浩美)会長と3人で手を組んでゴルフ界を大きくしたい」と祝辞を述べました。
そして、「功労者表彰」が、PGAの競技や事業に長年にわたり深く協力している団体に対して贈られました。スポンサー部門には、スターツコーポレーション、コマツ製作所、ファンケル、金秀本社の代表者が登壇。
PGAゴルフアカデミーでは、太平洋クラブ、東条の森カントリーへ。放送局では、日本テレビ、ビーエス朝日に対して、倉本会長より感謝状と記念品が贈呈されました。
5人の永久シード選手によるトークショーも開催されました。アトラクションとして永久シードの青木功、中嶋常幸、倉本昌弘、尾崎直道、片山晋呉の5選手によるトークショーでは、順番に隣の選手との思い出を語り合う方式で、パーティー出席者を喜ばせました。
日本のゴルフ界は、世界同様に今後も市場の縮小傾向が予想されています。特にゴルフ層の中核を閉めている団塊世代のゴルファーが抜け落ちて市場が急激に縮小することは、人口統計のデータ同様に明らかな事実として切迫しています。
その中で5千人を越えるプロ集団の日本プロゴルフ協会の担う役割は、大変大きなものとなることは疑いのない事実です。倉本プロは、2014年2月に日本プロゴルフ協会の会長に就任して早々に「経営戦略会議」を立ち上げ、ゴルフ市場活性化の提言書を発表しました。
しかし新規ゴルファー創出プログラム「PGAゴルフデビュープログラム」は、東西2校で開校されましたが、集客がままならない状態が続いております。
練習場オーナーの話によると「『PGA』のネームバリューで集客できる時代ではない!」と、半ばあきらめ気味に吐露していました。女子プロトーナメントの隆盛に比べて人気のない日本男子プロの現状に対して、どれほどの危機感を男子プロやティーチングプロ、PGA、JGTOの関係者が持っているのでしょうか?
「笛吹けど踊らず」ということわざがありますが、5542人のPGAメンバーが踊っていないのが現状のように見受けられます。JGTOサイドが「PGAツアー」の商標を使う問題も遅々として進んでいません。「茹で蛙現象」として映っているのは私だけでしょうか?
最新のレジャー白書では2016年のゴルフ人口が550万人に大幅減少した発表がありました。これは2001年の1340万人から59%減少したこととなります。団塊の世代がコア層のゴルフ人口が今後ますます減少するのは火の目を見るよりも明らかです。
60周年の節目を迎え、そして2期目に入り倉本会長のより強いリーダーシップと、5542人のPGA会員の一人一人が直面している危機に面して目覚めることを期待しています。
日本プロゴルフ協会 A級ティーチングプロ 大東将啓
この記事はゴルフ&ゴルフに掲載されたものを転載しております。
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