会長就任のご挨拶 =批判と提言を旨として=

3月17日に開催された日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)の理事会及び総会で、私、片山哲郎が会長に再任され、今後2年間、2期目の舵取りを行なうこととなりました。各位におかれましては、倍旧のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

昨年までの2年間、JGJAの活動指針は、
ゴルフ界の木鐸となるべく、モノ言うジャーナリスト集団の形成を目指す
というものでしたが、当期はこれを継承しつつ、新たにふたつの文言を加えました。
単なる批判精神の発揮ではなく、建設的かつ提言型の批判を旨とする
ゴルフ界の「議論の磁場」となる活動に注力する

以上の指針に則り、JGJAを運営してまいります。

ともすれば、舌鋒鋭く斬り込むことが正統なジャーナリズムと考える風潮もありますが、JGJAの質を高めるには「批判と提言」を備えた筆致の徹底が不可欠と考え、「建設的かつ提言」の文言を加えました。また、JGJAが「議論の磁場」となることで、多様な立場の多彩な声をゴルフ界で共有し、相互理解を深める一助になりたいと考えております。

多様な声――。そのひとつに、ゴルフ文化とゴルフ産業の対峙が指摘され、卑近な例に高反発ドライバーを巡るゴルフ規則団体とメーカーの対立構造があります。前者は「ゴルフの上達には自己研鑽が必要であり、用具の進歩に過剰に頼るべきではない」と主張し、後者は「産業規模を維持するにはシニアのゴルフリタイア防止が不可欠」と反論します。同様の二律背反はゴルフ界各所で散見されますが、だからこそ、両論併記を旨として、闊達な議論により光明を見出したい。そのような役割が、JGJAにはあると考えます。

過去2年間、JGJAは対話型集会の「タウンミーティング」を年2回行い、聴衆から意見を募る活動に注力しました。また、新たに「JGJA大賞」を設け、独自の視点でゴルフ界への功労者を選び表彰する活動もはじめました。いずれも、JGJAの執行部及び会員各位の献身なしには、実現できなかったことであります。

今後は従来の活動を土台として、JGJAの価値向上を図ってまいります。SNSの普及で「一億総発信者」となった現代において、ジャーナリストを名乗る我々と「一般の発信者」は何が違うのか? 真贋を含め玉石混交の情報社会で、我々の存在価値はどこにあるのか? これらを自らに厳しく問い、切磋琢磨しなければなりません。そのため新たに「教育機能」を設け、会員の筆力向上を目指します。併せて昨年6月に再構築したウエブサイトの発信力も強化します。

上記の活動により、現状70名規模の会員数を「100名体制」に増強し、ゴルフ界における存在感と会員価値の向上を図ります。また、どこからも監視・強制されることなく、自由闊達に主義主張を展開するためには、会費収益を主体とした運営が前提となります。会員100名体制は、そのための一里塚だと考えております。

良き言論機関をもつ産業には、健全な発展が望めます。我々JGJAは「報道」の本質的な役割である「ウオッチ・ドッグ機能」(番犬機能)に磨きを掛け、ゴルフ界発展の一翼を担うべく精進してまいる所存ですので、今後とも倍旧のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

         日本ゴルフジャーナリスト協会

        会長 片山哲郎

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1962年生まれ、東京都出身。「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行する株式会社ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長として、ゴルフ用品産業及びゴルフ界全般の動向を取材、執筆。2014年4月から3期6年、日本ゴルフジャーナリスト協会会長(現顧問)。ほかにインタラクティービ(J:COM)番組審議会委員(現任)、ゴルフ市場活性化委員会マーケティング委員(現任)、大学ゴルフ授業研究会理事(現任)。信条は「人の至福は健康で長生きすることであり、これに寄与できるゴルフは『善』である。善なるゴルフ産業が健全発展するために、建設的な批判精神をもち、正確、迅速、考察、提言を込めた記事を書く」――。