JGJA創立10周年「緊急座談会」 日本のトーナメントはどこを向いているのか!?

「ファンなくしてプロスポーツの発展はあり得ない」という基本を忘れかけている日本のゴルフトーナメントに提言

日本のゴルフトーナメントが危ない――。こうした声はいろいろな所で挙がっている。しかし一向にトーナメントの人気は回復しない。その原因はどこにあるのだろうか。日本ゴルフジャーナリスト協会創立10周年を迎えた今、トーナメントの現場をファンと同じ目線で取材するジャーナリストだからこそ感じる危機感・違和感をもとに、具体的な提言を贈る。
(構成・日本ゴルフジャーナリスト協会事務局長 荒井 聡)

出席者
日本ゴルフジャナーリスト協会会長    土井 新吉
副会長 菅野 徳雄
理事 中野 好明
司会・副会長 宮崎 紘一

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まず一人でも多くのギャラリーを呼ぶこと。そのためにできることは何でもする強い意識がないと日本のトーナメントは変わらない

宮崎 長引く不況の中、日本のゴルフトーナメントの低調ぶりが様々な現象や数字的データとして指摘されています。そしてそれは経済状況が悪いからという事だけで片付けられないことだと、私は深刻に受け止めています。システムや、関係者の意識的な問題、大会スポンサーのトーナメントに対する考え方など、日本のトーナメントの根底を考え直さない限り、明日は無いと憂慮しているのですが、皆さんはどうお考えでしょうか。

中野 私も同感です。ひと言で言うならば、ギャラリーやお茶の間のファンを感動させるような良いプレーを選手にしてもらうのが、トーナメントの人気回復の一番の近道ではないでしょうか。そのためには観客でトーナメント会場を埋めることが必要です。ギャラリーが多く入れば、選手は自然に良いプレーをする。あるサッカー選手が、雨のなか多くの観客がスタジアムに来たのを見て「こんな雨のなか来てくれたのに、手を抜いたプレーなどできない」と言っていた。ゴルフも試合会場に多く観客が入れば、変わってくるのではないでしょうか。
もちろんこれは卵が先か鶏が先かの話になってしまいます。良いプレーが続出すれば観客が増える。観客が増えれば良いプレーが自然発生的に生まれる。しかしまず最初にしなければならないのは、大会関係者が一丸となって、試合会場に人が来てもらえるように努力することです。
日本のゴルフトーナメントは、もともとはスポンサーの財力で発展してきました。ですからいまだにスポンサーの影響力が強く、経済の浮き沈みに大きく左右されてしまうのです。いまでも大会運営会社から「スポンサーの得意先を招待して行われるプロアマが終われば、その大会の8割は成功したようなもの」という声が聞かれるところに大きな問題があると思います。
いかに良い試合にしていくか、どうすれば選手が気持ちよく、良いプレーができるかを考えるべきです。それにはまずどのようにすれば一人でも多くの観客に来場してもらえるのか、それを最大のテーマとして考えなくては、ジワジワと日本のトーナメントは衰退してしまうと私は思います。

菅野
 その通りですね。これまで日本ゴルフトーナメント振興協会などの関係団体や我々の協会のメンバーなど、団体や個人が日本のトーナメントの危機を訴え、その再生を提唱してきました。それはそれで関係者の意識改革などに大きな影響力をもたらしました。しかし、まずどのトーナメントでもできること、全てのトーナメントにとって一致した利害というところから始めることが大切だと思います。観客がたくさん入る。それは大会主催者にとって収入が増えることですから、異論を唱えることはありません。かつて観客が増えると仮設トイレの数を増やしたり、運営スタッフを増やさなければならず、経費がかさむのでギャラリーは必要最低限で良い――などと言った大会主催者がいたと聞きましたが、それは何をか言わん。主催者として不適切な存在ですから、早々にトーナメント界からお引き取り願えば良いことです。
ほとんどの主催者は、日本のトーナメントの発展を真剣に願っていると信じたい。それにしては入場料収入を当てにしなさすぎるというのが現状であり、問題だと思います。

不況による経費削減をギャラリーに
押し付けていては、トーナメントの
活性化はあり得ない

土井 私も入場者数は、トーナメント開催側や主催者にとっては計算の中に入っていない感じを受けますね。
2、3年前のジュンクラシックでこんなことがありました。ギャラリープラザに子ども連れの若い夫婦がいたので「いつも見に来るんですか」と声をかけたら「たまたま会社が休みだったので来ました」と言いました。ジュンクラシックは女性と子どもが無料で、お父さんの入場料だけ払えば家族で遊べるので、ということでした。
これは一つの例ですが、大多数のギャラリーの声でもあると思います。もともと主催者は入場料を収入の大きなポイントとしてあてにしていないのだとしたら、入場料を値下げしてでもまずは見に来てもらうべきです。
バブル時代は会場などを派手に飾り付けたり、ギャランティーが必要な芸能人をプロアマに呼んだりと、多くのトーナメントが競って派手な運営を行っていました。それはそれでよかった。しかし、不況で緊縮予算になって最初に削ったのが、トイレの数や、パンフレットなどのギャラリーサービスの部分だった。それに引き換え、賞金総額は減っていない。ますますギャラリーを大会会場から遠ざけることになります。不況だから賞金は減っても問題はないと思います。スポンサーも考え方を変えなければならないと思います。

中野
 そうですね。賞金額や派手な演出を無くして捻出した分を、ギャラリーに還元していくことが必要ですね。

土井
 浮いた金額分をギャラリーサービスに充てたり、入場料を値下げする方がいい。1000円から1500円払えば、野原でお弁当を食べて一日過ごせるから行ってみようか、という状況を作らないといけないのではないでしょうか。

中野 入場料の値段も含めてギャラリーサービスを充実させないといけませんね。千葉県や東京近郊での大会はスポンサーも大きくて、賞金金額も高いけれどギャラリーはあまり来ていません。しかし、大京オープンやサンコーグランドサマーのような地方の大会は、マスコミでの紹介は少ないけれどギャラリーは大勢入っています。このように地域に根付いている大会だとスポンサーが独自に行っているサービスや、集客に対する工夫もあるのではと思います。つまり、ギャラリーを大切にしているのです。
新潟オープンは地元テレビ局がスポンサーですが、大雨だった最終日に、地元のお客さんがテレビスタッフに「傘を持っていたら撮影するのに邪魔でしょう」と言って、傘をささずに試合を観戦していたそうです。これにはスタッフもびっくりするやら感謝するやらの大感動。良い画を撮らなければと思ったそうです。また大雨の中、たくさん集まったギャラリーを目にした選手は「大スターも出場していない大会なのに、こんなに来てくれたのか。みんな我々の良いプレーを期待してくれているんだ」と身の引き締まる思いだったといいます。

土井
 素晴らしい相乗効果ですね。今、日本のトーナメント全体に求められていることだと思います。新潟では、年に1回のゴルフの祭りが新潟オープンとして、地元のファンに受け入れられているということです。

菅野
 アメリカでは一つの町に大会がやってくるのは年に1回あるかないかです。ですから、市や町をあげて全体で大会を盛り上げていくのです。開催コースに到着する前から、町中がお祭り騒ぎです。

中野
 日本でも各地域にトーナメントを分散できれば最高ですね。大分県での「一村一品運動」のように「一県一トーナメント」はどうでしょう。

土井
 来年の熊本国体からゴルフが正式種目になります。これは各県のアマチュアの代表が出てくるということを意味します。その代表者たちが力をつけ、一生懸命プレーしてもらうには、中野さんがおっしゃったように一県で一つのトーナメントを開催して、プロの側から積極的に動いたほうがいいのではないでしょうか。国体の代表はアマチュアですから、その人たちの勉強にもなりますし、ゴルフの振興にも役立つと思います。

菅野
 そういう意味では、いままでずっと日本では統一したトーナメントを作らずに、スポンサーが独自に開催していた大会が、いつの間にかツアーになった感を否めない。日本プロゴルフ協会のやってきたことは何だったのかということになります。この点から考えても、日本プロゴルフ協会にも傘下にPGAツアーオブジャパンを成立させたのですから、全体的なリーダーシップや企画力を期待したいですね。選手会もどのようにしたら多くの人にプレーを見てもらえるか考えていくべきでしょう。

宮崎
 日本では選手、主催者、協会等様々なトーナメントを構成している要素が、観客の方を向いていません。それを何とかしないといけないということですね。

菅野 現状では、バラバラにそれぞれが自分たちの都合で動いているように感じます。これからはゴルフサミット会議に参加している15団体が共通の意識を持って、協議していかなければなりません。それも最も大切にしなければならないのは、ギャラリー、ファンだという共通の認識を持って。

ギャラリーをトーナメントの
主役として考え、もっと魅力のあるコースで
トーナメントの開催を

中野 私は一昨年、全英オープンを運営しているチェアマンに、どうしてリンクスコースばかりで大会を開くのか聞いたことがあります。今まで私は、全英オープンはリンクスコースで始まったから、それにこだわっているのだと思っていたのです。ところがチェアマンは、「林間コースにもいいコースはあるが、林間コースで全英オープンを開催すれば、お客さんの入場制限をしなくてはならない。より多くのお客さんに見てもらうためにはリンクスで開催するのが一番。林間コースでは選手のプレーも見にくい」からだと言うのです。

土井
 私もR&Aのスタッフに聞いたことがあります。イングランドなどにあるコースでどうして開催しないのかと。そうしたら、「いろいろなコースを調べているが、多くの開催条件に当てはまる適当なコースが今のところない」ということなんです。

中野 全英オープンでは観客を大勢迎えられるスペースのあるコースでないと大会を開けないと考えているんですね。素晴らしいことだと思いませんか。

宮崎
 日本では入場できる人数が限られる山岳コースで大会が開かれることが少なくない。しかし観客数が少ないから、問題にはなっていないということです。実に寂しい話です。

菅野 さらに日本では「ここまで制限するのか」という所までロープを張ってギャラリーを囲い込んでいる場合がよく見受けられる。

中野
 女子の試合などではバックティインググラウンドにロープを張ってしまって、観客から選手のプレーが一番見える、そして一番見たいところをふさいでしまっている大会もあります。

菅野
 例えば全米オープンなどでは、空いているホールを駐車場にして、観客を呼ぶことことを第一に考えている。

宮崎
 ここで視点を少し変えたいのですが、日本ではコースには行かないが、テレビでトーナメントを見ている人がかなり多いというのが現状です。そうなってくると、やはりテレビ放映がゴルフ観戦のメインになってくるわけですが、テレビを見ていて思うことは、最近CS放送などで放映している海外のツアーに比べ、日本はコースそのものがスリリングな舞台ではないと、見ていて思います。

菅野
 コースセッティングの問題です。例えば「東ハトレディス」のように主催者が一生懸命タフなコースにセッティングしようとしているならいいが、ほとんどの大会が、一般ゴルファーを対象に営業しているコースで、トーナメントを開催しています。アマチュアがプレーしているコースで、プロが技術を競うという方が変だと思います。

中野
 「サントリーオープン」では13番ホールの池の水を増やして難度を上げていました。いいアイデアだと思いました。このような工夫をしていくべきですね。

菅野
 どのコースもプロが競技するのにふさわしいように、コースに多少の手を入れるべきです。ラフの草を長くするだけでも難しさは違ってきますよ。

土井
 それと同時に一般のアマチュアプレーヤーも常に「ゴルフコースというのはこんなに厳しいのか」という状況のコースでプレーをする機会を増やすことが、トーナメントを理解してもらう最初のステップだと私は感じています。アメリカではパブリックコースでも難しく、一般ゴルファーも厳しい設定の中でプレーしています。それが「ゴルフ」というものだと思います。

菅野
 そうですね。アマチュアが難しいコースでプレーをしないとなかなかプロのプレーを理解してもらえないでしょうね。アメリカでもイギリスでも本当に難しいコースが評価され、かつ、みんな嬉々としてプレーをしています。一方、やさしくて、いいスコアが出るコースが「いいコース」と認められるのが、現在の日本の状況です。アマチュアゴルファーの中でスコア絶対主義が偏重しすぎている。「ゴルフ文化」という分野になるのでしょうが、我々も機会あるごとに、ゴルフの本質やアマチュアゴルファーのあるべき姿、それに本当に素晴らしいコースはどんなコースなのかなど、欧米の例を紹介するなど、日本のゴルファーに向かって、言葉をどんどん発していくべきだと改めて思います。

最も多くのゴルフファンが
トーナメントを観戦する
テレビ放送こそ、何よりもまず
わかりやすさを重視すべき

宮崎 先ほど、日本ではゴルフの試合を見るのはテレビ放送がメインだという話が出ましたが、ぜひテレビで行っていただきたいのが、放送中のルールの説明です。トーナメントでルールに関する問題が起きたときに、テレビの画面を通して、きちんとした説明があまりないのです。一般のゴルファーからすれば一番の教材になると思うのですが。
中野 言葉によるフォローはしていますが、見る側にとっては必ずしも十分ではないかもしれません。
宮崎 海外の放送では問題が起こるとすぐに解説者が出てきて説明します。それでも理解しにくい場合は、ルールの専門家が出てきて、図表なども掲示して詳しく解説しています。日本でもぜひ取り入れてほしいと思います。一般ゴルファーにとってゴルフのルールは覚えにくいものです。勉強する機会もたくさんあるわけではありません。だからこそ、テレビでルールを説明するシステムを早急に作って欲しいのです。日本ではどういうルール違反を冒したのか、それについてどういう裁定を下したのか、明確な説明をしないで逃げてしまう傾向があると思います。

中野 私もそのことについては提案したことがあります。しかし、テレビでルールに関することを説明しようとすると、カメラマン他スタッフ全てがルールを全部理解していないと映像を作れないのです。テレビ関係者全員のゴルフの理解度のレベルが高くないと不可能です。

菅野 ルールの専門家も必要になってきますね。

中野 テレビでのルール解説については各局で問題になっています。早急に解決しなければならないと思います。一つの例ですが、テレビ朝日では今年の「日本プロマッチプレー選手権」においてルール解説を行いましたが、実際には日曜日にルール解説を行うのは難しいのです。試合を生中継している関係で、試合展開が面白くなってくると、その試合の映像を中断してまでルール解説を行うと、視聴者から別のお叱りを受けてしまうのです。「なぜ、今いいところなのに放送を中断するんだ」とね。しかし、いずれ放送席に的確にルールを説明する専門家が必要になってきますね。

宮崎
 アメリカではルールに関する問題はきちんと伝えるべきだという姿勢がはっきりしていますね。それがゴルフ界全体のレベルアップや成熟につながっていくと思います。
中野 日本のゴルフトーナメントの放送は、アメリカの映像の作り方、「カット割り」をもとにして作っていますが、視聴者のゴルフに関する知識レベルが違うので、日本ではもう少しわかりやすく放送した方がいいと思います。アメリカの人口は日本の2倍くらいしかないのに、コースの数は1万5000コース、それに比べて日本は2000コース。明らかにアメリカ人の方がゴルフをたくさんプレーしているし、よく知っています。ですからアメリカでは一般ゴルファーのレベルが高いので、あのような映像でもいいと思います。しかし、日本でイギリスやアメリカと同じように放送しては、日本人には難しすぎる。ルールの問題なども、もう少しわかりやすく、日本のレベルで放送すべきです。

宮崎
 少なくともプロがルールのトラブルを起こした場合は、競技委員が裁定しているところを放送して欲しいですね。

中野
 現在は競技委員にマイクを向けても大丈夫です。レポーターが聞きにいってもいいことになってます。

菅野
 相撲ではないけれど「ただいまの裁定は……」というようにできれば面白いですね。

中野
 放送席もルールの解説の重要性を知るべきですし、日本プロゴルフ協会の競技委員もテレビにというよりも、ファンに対してどういうジャッジを行ったのか説明した方が面白いと思います。

プロゴルファーは常にアマチュアのお手本であることを意識してほしい

宮崎 ルールといえば次に出てくるのがマナーですが、以前、試合中の喫煙について書いたら読者からの反響が大きかったですね。「なぜ、今までこういうことを書いてくれなかったのか」って。多くの人が不愉快に思っていて、チャンネルを変えてしまうという人もいるんです。
菅野 試合中に喫煙している選手がいるのをテレビで見て、日本ゴルフ協会に抗議文を送っている人もいるそうです。
宮崎 ファンがいやがっていることをプロがやって試合が成立してしまっています。問題意識、いや、ファンの声を完全に無視しているとしか私には思えません。

中野
 タバコを吸うなと言っているわけではありません。吸っても構わないと思います。ただ、ホールとホールの移動中に吸うなど、上手に出来ないものでしょうか。

土井
 全英オープンの時など、イギリスのプロたちはよく吸っていますよ。吸っているけれど気にならないんです。

菅野
 日本のプロはどうしても吸い方が目立ってしまっています。堂々と吸っていますし、くわえタバコの選手もいますし。

土井 基本的にタバコの吸い方が下手なんですよ。かつてのマレーネ・ディートリッヒのように上手にタバコを吸えないのでしょうか。見られているという意識が選手に欠如していると思います。これはタバコだけの問題に留まらず、見られていれば良いプレーをしなければならない。ミスをしたり、思うようなプレーができなかった時でも、投げたような態度を出さないのが、世間に注目されているプロスポーツ選手として最低限の意識だと思います。

中野
 芹澤信雄選手は同一トーナメントを何回も休まないそうです。「少ないながらも私にも各地にファンがいるんです。ずっと出場しないと、いつの間にか顔を忘れられてしまう」からだそうです。「プロの義務」と本人は言っています。

菅野
 それは非常に大切なことですね。選手も人の子。ですから「夏休み」を取りたい気持ちは理解できます。だから、夏場は主力選手が大会からいなくなります。シーズンが始まる前に「今週は私たち、来週はあなたたち」というように決めておけばいいことだと思うのですが、やろうとしない。どうしてそういうところから変えていこうとしないのでしょうか。ゴルフファンがいてこそ、自分たちプロが生活していける、と思わないのでしょうか。
宮崎 ゴルフ界全体を見てみると、視聴率が低下していたり「日本のトーナメントはつまらない」という声を聞いたりもします。これらを根本的に解決する手段はないのでしょうか。

土井
 魅力のある選手が少ない。そこから解決していかないと仕方がないと思いますよ。

菅野
 「見たい」という選手がいれば、視聴率も上がると思います。中野 ギャラリーに144名全選手の名前を書いた用紙を配って「好きな選手をこの中から20名選んでください」というアンケートを実施してみてはどうでしょう。そして、そのアンケート結果を選手に見せて、自覚してもらう。

菅野 根本的なところで今のゴルフには魅力がないように思われるのですが、問題なのは原因が一つではないということです。そして「これが抜本的な改革だ」といえるものも見当たらない。

土井
 ゴルフ場の問題やエチケットやマナーの問題、その他、今の日本のゴルフには解決していかなければならない問題が山積しています。もちろんその中にはゴルフジャーナリストに課せられた問題、義務も少なくありません。しかし、ゴルフの発展、ゴルフトーナメントの活性化はゴルフ界に生きるすべての人々にとって、利害の一致する課題であることは確かです。
我々日本ゴルフジャーナリスト協会も創立10周年を迎えました。しかしこれまでの活動は決して十分なものだと、私自身も思っていません。10年を迎えた今、ジャーナリストの責務である「物を言う」協会として、建設的な提案をどんどん行っていこうと考えています。 今回の座談会でも「とにかくトーナメント会場にギャラリーを呼ぼう」というひとつの意見・提案が出ました。改革や意識の変化を関係者に強くアピールしていくことはもちろん、ゴルフトーナメントの楽しさ、素晴らしさを我々協会のメンバーが一般のファンに伝えることで、トーナメントの活性化に少なからず結び付いていくと強く思います。このようなディスカッションをもっと規模を広げて定期的に行うことも、これからますます必要になると痛感しております。
今後とも日本のトーナメントの発展、そして正しいゴルフジャーナリズムの確立に向けて活動していきたいと、改めて意欲が沸いてきました。会員の皆さんにもそのためのご助力をこの席をお借りしてお願いしたいと思います。

宮崎
 今、土井会長からの発言にもあったように、日本ゴルフジャーナリスト協会創立10周年の節目を向かえ、さらに会の活動を活発化していくことが、日本のゴルフ界の発展に微力ながら貢献することにつながると思います。その意味でも今回の座談会はひとつのスタートとして意味があったものと考えます。
皆さん、本日はどうもありがとうございました。