シニアツアーの老舗大会「第18回ファンケルクラシック」(8月17~19日 静岡・裾野CC)に、前巨人軍監督の原辰徳氏(60)がアマチュア枠で初出場することが決まり、注目されています。
ファンケル社会長の池森賢二氏(大会会長)とはじっこんの間柄の原氏は、ファンケルクラシックの大会特別顧問も務めています。現役時代からゴルフを愛好し、シングルハンデの持ち主。池森会長から2年ほど前から出場を勧められていましたが、今年やっと実現しました。
ファンケルクラシックは、プロ70人に加え、5人のアマチュア枠が設けられており、原氏はそのアマ枠で参戦します。予選カットはありません。例年大勢のギャラリーを集めることで有名なファンケルクラシックですが、第18回目を迎える今年はさらに大会は盛り上がりそうです。
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ファンケルとシニアツアーは切っても切れない間柄になっています。いまから18年前、バブル不況が日本を襲い、プロゴルフツアーのスポンサーも減少、特にシニアツアーは一けたの数試合しかない厳しい状況下にありました。
そんな中、池森会長は「シニアプロが活躍する場を広げ、日本経済に活気を与えたい」と、2001年に創設したシニアトーナメントがファンケルシニアでした。第5回大会からは「シニアの元気が日本の元気!」をスローガンに掲げ、大会名を「ファンケルクラシック」としました。
そしていまやシニアツアーは、倉本昌弘会長時代に入り年間19試合にまで増加する活況を呈するようになりました。
観客動員数において、国内シニアでは独壇場で昨年度は3日間で22,666人を集めました。8年連続で2万人を超える観客を動員、もちろん国内シニアツアーではトップの動員数を誇っています。
ファンケル男といわれた室田淳が4回の優勝を果たしているのを筆頭に、高橋勝成が創設時から3年連続優勝するなどで話題をさらいました。昨年はシニアツアー史上初の5人によるプレーオフを演じ、シニア3年目の米山剛が劇的なシニア初優勝を飾って大会は盛り上がりました。
会場の裾野CC内ではファンケルのドリンクコーナーに無添加化粧品とサプリメントの体験ブースや、プロによるサイン会、プロ愛用品のチャリティ―オークション。また多彩な食品ブースや動物と触れ合えるキッズパークなどもあって、家族ごと楽しめる大会になっているのもギャラリー動員の一助になっています。
大会の賞金総額は7200万円。優勝賞金は1500万円で、シニアツアーの年間賞金ランキングを大きく左右するビッグイベントでもあります。今年からは特別賞として、3日間を通じて最も多くのバーディーを奪った選手に賞金100万円を贈る「最多バーディー賞」も新設されます。
話題豊富なファンケルクラシックに、今年は原辰徳氏登場で″熱さ〝がヒートアップしています。プロ野球関係者の中でも抜きんでたゴルフの実力でシングルハンディの持ち主。平均飛距離は280ヤードは出るという原氏が、シニアプロに交じってどこまで通用するかは興味津々です。
プロ野球選手にはゴルフ好きも多くて、その筆頭はなんといっても尾崎将司。西鉄ライオンズのエースとして君臨したあと、プロゴルファーに転身して大成功。内外合わせて前人未到の113勝。賞金王12回という偉業を打ち立てました。
ジャンボ並みとはいかなくても、プロゴルファーにひけをとらない飛ばし屋で″プロ並みの腕前〝といわれる原氏のシニアツアー参入。都内で行われた今年のファンケルクラシック開催の記者発表では、特別ゲストプレーヤーとして出場プロと並んで原氏も出席「ファンケルには96年から長くお世話になってきました。
会長からは2年ほど前から″出てみないか〝と勧められていました。3日間をプレーするのは大変だと思いますが、我々世代の中嶋常幸さん、倉本昌弘さんらが頑張っておられるので、野球界の代表として挑戦してみようと思う」と、その決意を語っていました。
この夢の一戦を前に、原氏は7月28、29日2日間大会のシニアツアー「熊本・阿蘇シニア」(熊本・コスギリゾート阿蘇ハイランドGC)に前哨戦デビューをしました。
初日1アンダー71で40位スタート。2日目は74で通算1オーバー。
117人中59位でフィニッシュしました。阿蘇山麓の丘陵コース。2日目の1番(328ヤード、パー4)。やや打ち下ろしのホールではフォローの風にも乗ってドライバーが飛び、グリーン右のスロープに跳ねてカップ2㍍弱にワンオン。これを沈めるイーグルを奪って、いきなりギャラリーを沸かせたりしました。途中、ドライバーでOBを出すホールもありましたが、パー5の最終18番ではグリーン脇のバンカーからカップに寄せてバーディーフィニッシュする役者ぶり。
現役時代の打撃フォームをほうふつさせるきれいなスイングで駆けつけたギャラリーを喜ばせました。
熊本のコースと同じように、ファンケルでは富士山麓に広がる裾野CC。適当なアップダウンもあって面白いコースです。最終18番は打ちおろし、左曲がりのパー5。グリー手前には池もあって2オンか3打目勝負か、各選手のさまざまな攻め方が楽しめる最終ホールです。
2打地点が、これまでは林の陰になってグリーン脇のスタンドからは見えなかったのですが、池森会長のたっての要望を受け、裾野CC支配人の配慮で、陰になっていた木を伐採。グリーン脇のギャラリースタンドからも選手のセカンドショットが望めるようになりました。
果たして飛ばし屋の原氏が2オンを狙ってのロングショットが見られますかどうか。″同世代〝といわれた中嶋常幸プロは「自分の体調は万全ではないけど、マークセンには負けても、原辰徳には負けないようにしたい」と、楽しみな″エール〝を送っています。予選落ちのない大会ですから原氏も思い切った攻撃ゴルフができるはずです。3日間大会というのはアマチュアには楽ではありませんが、原氏のベストスコアは66ということです。
大会は17日からですが、18(土)、19(日)にはBSジャパンで生実況も予定されています。真夏の1日、楽しみが増えた″若大将〝原辰徳のシニアツアー参戦ですー。
【この記事は2018-8-6 ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】
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