ゴルフの楽しみはプレーのみに非ず

【 GOLF・スケッチブック 】
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「人間の機知が発明した遊戯で、ゴルフほど健康な保養と、爽快な興奮と、尽きることのない楽しさの源泉を与えるものはない。」(「不滅のゴルフ名言集➂」摂津茂和著より)イギリスの元首相アーサー・バルフォアの言葉、これほどゴルフの持つ魅力を表現した言葉を私は知らない。

先日我がゴルフ友人から、プレーだけでは面白くなってきた。他にゴルフを楽しむ方法はないものかと相談されて、取り敢えずこの本を読んでみたら・・・と、昔読んだ大塚和徳著「ゴルフ五番目の愉しみ」を紹介した。案外こうしたゴルフファンが多いのではないだろうか。

さて、その本はアベレージ・ゴルファーにとって幾つかの楽しみがあると、5つの項目を挙げている。1つ目はクラブでボールを打つ技術習得の楽しみ。2つ目は習得した技術を使って、コースで好スコアを記録する楽しみ。3つ目は自分のホームコースから離れて、有名なコースをプレーする楽しみ。

まあこの辺までは皆さんは経験済みであろう・・・。次の項目から重要だ。4つ目はゴルフを通じて多くの友人を作り交友を重ねること。会社勤めのビジネスマン、ビジネスレディにとってなかなか利害関係のない友人を作ることは難しい。これは非常に大切で、齢を重ねるごとに貴重になる。最後の5つ目はゴルフにまつわる諸々の知識を深め、ゴルフというスポーツの広さと深さを味わうこと、だという。

考えてみると、プレーをしない日はトーナメントのテレビ中継を見たり、ビデオクリニックで学んだり、練習したりと、それなりに楽しみはあると思うが、多くのゴルフ友人とゴルフ談義をしたり、ゴルフ書籍を読んで歴史や名門コース、ゴルフクラブの歴史を知ったり、コース設計に関する知識を得ることはゴルフの楽しさを深めてくれる。これこそ広いゴルフ世界の楽しみを味わう原動力となる。

さて、私事で恐縮だが、私の場合は、5番目のゴルフに関する知識を深めることの重きを置いている。知識はゴルフの書籍から得ることが多いが、時にゴルフ映画やゴルフ・コミックから知らされることも多い。たとえば、こんな本にも感動して心温まる。ゴルフ画人として知られる嶋口信義が著した「ワンダーランド ゴルフクラブ」という“ゴルフの絵本”である(集英社インタ-ナショナル刊)。

本の帯には「当代随一のゴルフ画家が世界屈指の難コースのエッセンスをかきあつめて煮詰めて設計した喫驚天動の夢18ホール。愛用クラブ携えて銀蛇神変さらに快刀乱麻のプレーを強いられる天国と地獄・・・」とある。全くその通りで、彼のゴルフ絵にはストイックな笑いやシニカルな優しさにあふれ、見る人を離さない、本当に楽しい。

著者の嶋口信義は残念ながら2012年他界したが、ゴルフの楽しみを「ゴルフの絵本」という形で残してくれたことに感謝し、私の“観るゴルフの楽しみとして大事に取っておきたいと思っている。
〔記:紺 野 望〕

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■1941年東京生まれ。東海大学文学部広報メディア学科卒。
■1965年 FM東海(FM東京の前身)に入局。
■1970年FM東京開局と同時に入社。放送営業、番組制作、イベント事業、経営企画室など各部署を経験する。
■1991年FM東京の衛星波、株式会社ミュージックバード放送開始と同時に移籍、受信機開発、番組編成、契約営業の各部署を担当、取締役営業部長としてコミュニティFM放送再送信事業部を設立し、新たな事業展開に携わる。
■2001年株式会社FMサウンズ(ラジオ番組制作会社=FM東京関連会社)の社長に就任、「TFMパーソナリティカレッジ」など開設。
■2005年ミュージックバード顧問、FM戸塚の顧問として後進の指導に当たる。コーディネーターとして関わったコミュニティFM放送局は50局以上。
■2010年「コミュニティFM進化論」を出版、話題となる。現在、ミュージックバードの顧問、FM戸塚の顧問はじめ、放送ライターとして、ラジオの現状を様々な形で発表している。放送界の賞:ギャラクシー賞のラジオ部門選考委員。ゴルフ活動TFM勤務時代、生ワイド番組でゴルフ情報コーナーを企画し、FM放送に新風を送り込む。FM戸塚をキィー局として近隣7FM局とネットワークを組み、番組「松井幸二のゴルフパラダイス」を3年間放送。ゲストにゴルフ業界人百数十人をゲストに招き、ゴルフの楽しさ、ゴルフマナーの普及などをテーマとして取り上げる。ゴルフ歴40年。浜野ゴルフ倶楽部会員。