JGJAでは9月26日に「日本のジュニアゴルフを歪めたのは誰だ? 障害と解決策と徹底討論」をテーマに第5回となるタウンミーティングを開催した。
小学生、中学生向けのスクールを運営するキッズゴルフの石田伸介スクール事業部長、地元地域のゴルフ普及に尽力、多数のイベントを実施している鹿沼カントリー倶楽部の福島範治代表取締役社長、2015年にザ・ファーストティープログラムを日本に導入した古屋浩プログラム・ディレクター、小田原でレッスンを行っているプロゴルファーの三觜喜一氏現場での状況を語ってもらった。
当日は平日にも関わらず雑誌やインターネットのメディア関係者など、ゴルフ業界の関係者およそ70名が集まった。
当初1時間30分を予定していた討論だが議論が白熱。2時間近くまで及んだ。
今回はその中でも特に熱く語られたのが、以下の2点だった。
1点目は地域行政との連携である。
鹿沼カントリー倶楽部ではゴルフ場を体験してもらおうと、スナッグゴルフのイベントと合わせてゴルフボールを使っての工作教室やコース内の池で水遊びの場として開放するなど子供向けの夏休みのイベントを開催している。
これらの告知に関してだが鹿沼市と組み、市のネットワークを活用、時には市長自らが情報発信をしてくれることも。ゴルフ場だけではできない幅広い人への案内を可能にしている。
それにより両親がゴルフをやらないお子さんも参加。
中にはお子さんを通じ両親がゴルフに関心を持つというケースも珍しくないという。
三觜氏も同じように小田原市と組み事でジュニア向けのレッスン会を行っている。
当初は自らスナッグゴルフのインストラクター資格を取ったり、用具を準備したりと持ち出しもあったそうだが、現在では市で予算も取ってもらい、道具なども提供を受けているという。
ただ、地域行政の協力を得られるまでは最初は誰が指導するか、場所の確保はどうするかなど実現まで多くの時間がかかったという。
これらの成功事例を元に他の地域にもレクリエーションとしてのゴルフが広まることを願いたい。
もう1点はゴルフを通じての教育についてである。
小学生、中学生というと人格形成を始め教育面でも重要な年頃だ。
ゴルフはレフェリーがいない、自身の誠実さに頼られるスポーツ。エチケットにはゴルフの精神が宿っている。と言われることなどもあり、この世代の子供達に1度は体験してもらいたいスポーツである。
生涯スポーツであるゴルフ。
石田氏のキッズゴルフでは家族競技会やスクール対抗のフレンドシップマッチを主催している。
ラウンドの中に両親や祖父母からゴルフ場でのマナー、プレー態度を学ぶことは大きな意味がある。
また個人競技と言われるゴルフで、スクール対抗のチーム戦は団体競技の大事さを学べることは大きなメリット。子供にどのようなスポーツをおやらせようか悩んでいる両親にとっては、ゴルフを選択肢の1つに入れる理由に十分なりうる。。
多くのメディアでヒーローが出てくることがゴルフの普及には欠かせない、と語られている。
それが大事であるのは確かだが、この20年を振り返った時に宮里藍、横峯さくらの登場以降、男子でも石川遼、松山英樹とゴルフをやらない人でも知っているプレーヤーが誕生してきた。
残念ながら彼ら、彼女らがいながらゴルフ業界はほとんど変わることができなかった。
2020年のオリンピックまで1000日ほどまで迫ってきてトップジュニアに目が向きがちだが、ゴルファー人口が減少する中で、将来の事を考え、より多くの小学生、中学生にゴルフに触れてもらうことは関係者として真剣に取り組まなければいけない課題である。
今後もJGJAでは各地域、団体の取り組みから何かヒントが生まれ、ジュニアがゴルフに携わる機会が増えることができるよう、このような意見交換の場を積極的に設けて行く予定だ。
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