私の提言「日本のゴルフ界を発展させる具体論」「日本のゴルフが変わるには」~蔣野利昭~

第1回JGJA論文大賞決定
大賞受賞作は井関美和氏の
「ゴルフ・全国均一カジュアル化計画」に決定
私の提言「日本のゴルフ界を発展させる具体論」というテーマで、広く一般から論文を募集した第1回JGJA論文大賞の入賞者が決定しました。すべての作品を、応募者の名前等を完全に伏せた状態で審査。当協会の理事全員が読み、投票の結果、大賞1作品、準大賞作品が決まりました。大賞受賞者はゴルフライターの初見進氏を僅差で押さえ、主婦の井関美和さんが受賞しました。当号では、この受賞2作品の他、興味深い主張が展開されていた作品をジャンルのバランスを考慮した上で、掲載いたしました。


 

世界の大国アメリカ、ゴルフはイギリスから大西洋を渡り上流社会へと、そして徐々に誰もが楽しめる手軽なスポーツへと変わった。そのゴルフが生まれた歴史と伝統を大切に守り続けるイギリス。
この2つの国が歩いて来た道は日本とは違う。
世界をめざす日本のゴルフその環境とは、中でも最も大切な事、それは「大衆化」なのだ。エリートスポーツで歩いて来た日本のゴルフ界を変えるには、まず底辺拡大。
今最も重要な事は指導者、そのゴルフ界の指導者とは誰なのか。限りないゴルフ界となれば単に技術だけではない。ジュニアだけの物でもない。それは指導者育成をやってこなかった日本のゴルフ。あまりにも少なすぎる指導者、それはエチケットから始まり、数々のゴルフの知識と技術指導、単に技術ライセンスを持った人を集め指導者として歩いて来た日本。これでは本当の指導者は生まれない。
まずゴルフを大切に伝えたい。その気持がない限り難しい。それはゴルフの指導とは自分の技術を作り上げる以上に難しい。指導と言う人を大切にする心があるか、他人の気持、相手が何を求めているか。
今迄日本のゴルフはスコアーでしか歩いてこなかった。それはジュニア育成も同じプレーをやる子供達だけを集め、育成として歩いて来た日本のゴルフ。これでは底辺は広がらない。つまりエリートスポーツでは大衆化しないのだ。

そんな日本のゴルフは今、沖縄のジュニアが注目されている。米軍の保養施設で始まった手軽なゴルフ。1948年そのベースが生まれ約20年後の日本復帰。すぐに日本のゴルフ界で沖縄旋風がおこった。そして今、ふたたび沖縄ブームが、そのジュニア、次々に素晴らしい選手が育ってくる。なぜだろう。環境プラス何かがある。その現実を立証してくれたのが宮里藍プロのお父さん宮里優氏だ。指導者とは基本、継続、信頼とまさしく指導者の存在が証明されたのだ。それは単にうまくなれば良いと言う指導では続かない。
将来のゴルフ界にとって最も必要な大衆化、そのベースを作るゼッタイ条件はまず指導者育成なのだ。良い指導を受けられるのなら必ずプレーヤーは増える。その魅力ある指導者とは、沖縄では教えるプロ学校の先生方を対象に8年前からゴルフ指導の講習会をやって来た。
日本初、小学校のゴルフ授業もやった。今、小、中、高に授業、クラブ、同好会、愛好会合せ、40校にも登るとなればジュニア育成の前に指導者育成から。指導者育成なしでは日本の未来はない。そうすればジュニアだけではなく、素晴らしいゴルフ界も夢ではないのだと、それが今の日本のゴルフ界にとって最も重要な事。
手軽なゴルフで始まった沖縄はジュニアだけではない。日本のゴルフ界が最も必要としている底辺拡大と言うテーマが南の島、沖縄に見え隠れする。その根本は手軽なゴルフと指導者育成それが、日本が目指す。世界へのゴルフが始まる。