去る3月22日、芝ゴルフ場において日本ゴルフジャーナリスト協会主催「ルールを知ってゴルフを楽しもう」懇話会が開催された。会場には当協会会員ほか一般の参加者も集まり、講師のマイク青木氏(ルール研究家)の話に耳を傾けた。
●開催要項
日時 3月22日(水)
開場17時30分
開演18時~20時
会場 芝ゴルフ場 会議室
講演 「ルールを知ってゴルフを楽しもう」~2000年度ルール改訂について
講師 マイク青木氏
(ゴルフルール研究家)
会費 3000円
参加者数 56人
(うち一般公募12人)
●講演の主な内容
各章(用語の定義、プレーについての規則)および付属規則(ローカルルール)について、変更点や新たに加わった点などの説明があった。
内容は次の通り。
(1)「用語の定義」の変更点
◇異常なグラウンド状態
◇穴掘り動物
◇救済のニアレストポイント
◇障害物
◇目的外のグリーン
◇修理地
修理地は、限界が上方に伸びたのが変更点で、これまではボールが修理地内の木の枝に止まってもそのボールは修理地内の球とは認められなかったが、新規則に「修理地内のすべての地面と、草やかん木、樹木その他の修理地内に生育しているものはすべて修理地の一部である」という言葉が加わったため、修理地内の球として認められるようになった。
(2)「プレーについての規則」の変更点
◇規則4 クラブ
◇規則4―3
損傷クラブ..修理と取り替え
◇規則6―8
プレーの中断.,プレーの再開
◇規則13―2
球のライ、意図するスタンス・ス イングの区域、プレーの線の改善
◇規則14―2
球の打ち方..援助
◇規則14―3
人工の機器と異常な道具
◇規則20―2c
再ドロップを要する場合
ドロップした球がホールに近づいたかどうかの判定に際しての基点の一つに、ニヤレストポイントや最大限の救済が受けられる最も近い箇所が加えられた。
ドロップしたボールがホールに近づいたかどうかの判定はこれまではその球が止まった場所であったが、新規則はニアレストポイントを基点に判定する。従って、ドロップした球がニアレストポイントよりホールに近づいた所に転がっていって止まった場合は再ドロップしなければならないことになる。
◇規則24―2b
動かせない障害物..救済
ボールが動かせない障害物の近くに止まってプレーできない場合、ニアレストポイントの定め方は、例えばスルーザグリーンであれば従来は「ホールに近づかず、その障害を避けられる、ハザード内でもグリーン上でもない場所で、球のある箇所に最も近い点(ニアレストポイント)をその障害物の上を越えたり、中や下を通すことなくコース上に決定しなければならない」とあった。しかし、新規則ではこの文より「その障害物の上を越えたり、中や下を通すことなく」という制約部分が削除されたため、ニアレストポイントの位置が変わる場合が出てくる。ただし、物の性質上これまでの制約を残す方がよいと思われるものについては、委員会の判断でローカルルールでカバーすることができる。
◇規則25―1b
異常なグラウンド状態(救済)
◇規則25―1c
球を紛失した場合(異常なグラウンド状態の中で)
など。
(3)「ローカルルール」(付属規則1) の変更点
◇競技の条件
バンカー内の石、固定スプリンクラーヘッドなど。
なお、当日は56人が参加し、うち12人は一般公募による参加者。事前に週刊ゴルフダイジェストや週刊パーゴルフをはじめゴルフ専門誌、スポーツ新聞各紙などで告知を行ったため、関心が高まったものと思われる。
会場では、熱心な参加者からマイク青木氏に対して質問も多数あり、2時間とった講演時間が短く感じるほどの盛況であった。
※ルールについての参考資料は、(財)日本ゴルフ協会発行の「ゴルフ規則」1999年度版および2000年度版。