近鉄、オリックスの合併問題が発端となり、プロ野球の1リーグ化がマスコミを騒がせている。第3者的にこの騒動を眺めていると、プロ野球のコミッショナーとは、全く、権限も、力も、リーダーシップも持たない役職ではないかと思えてならない。
日本のプロ野球球団は、各企業がスポーツビジネス、興行として手がけている。だから、それぞれが利益を追求して当然である。ならば、テレビの放映権、観客の入場収入が突出して大きな巨人との対戦を行いたいと思うのも、これまた当然の思いであろう。だから1リーグになって、これまでより巨人との対戦が減るセ・リーグは消極的。これまでなかった巨人との対戦を手に入れることのできるパ・リーグ球団は賛成という色分けになる。
しかし、これはそれぞれの球団の言わば目先の利益を巡る思惑ではないだろうか? 球団の数が減ること。2リーグが1リーグになること。そしてこれらに伴う様々な影響を対極的に考察し、今後の、いや100年先の日本のプロ野球にとって良いことなのか? 悪いことなのか? を冷静に誰かが分析しないで、何らかの結論が付けられてしまったら、いつかプロ野球界は後悔することになる。
同じことが日本のプロゴルフトーナメントにも言えるような気がしてならない。現在日本のトーナメントは、それぞれの主催者企業が、工夫や努力を重ねて、自分のトーナメントを少しでも活性化させようとしていることは事実である。そしてその創意工夫、努力の積み重ねが、結果的に日本のトーナメントの活性化、発展に寄与しいる面は少なくない。
しかしそれはあくまでも結果。個々のトーナメントの目先の利益を度返しして、日本のトーナメント界全体の発展だけを考える機関が必要ではないだろうか?
アメリカ大リーグや日本のJリーグ(サッカー)では、例えばテレビの放映権全部をリーグが別会社を作って統括している。そしてそこで得た利益を、経済的に苦しい球団に分配している。それにより、大リーグやJリーグでは、本来なら採算が取れない地域に、チームを存続させることができている。これは野球なり、サッカーの空白地域を埋めることで、それぞれのプロスポーツの活性化が実現できるという考えが根底に流れていると聞く。
日本のゴルフトーナメントにおいても、主催者企業の判断だけで、開催コースが決められていると、開催地域に偏りが出てしまう。
もちろんこれは私企業がスポーツイベントとしてトーナメントを開催している以上当然のことであり、批判を受ける筋合いのものではない。
しかし、プロゴルフの発展を考えたら、たとえ採算性が低くても、トーナメント開催地域は、日本全国に散らばっていた方が理想であろう。これは一例に過ぎないが、主催者企業の思惑とは違った次元で、ゴルフ界発展のためにやらなくてはならないことは少なくないはずだ。
そのためには、それが男子の場合は日本ゴルフツアー機構。女子なら日本女子プロゴルフ協会になるのかどうかは別として、日本のトーナメント開催に関して、特段の権限を持った組織を作り上げ、そこが指導的立場に立って日本のトーナメントの仕組みを作り上げていく必要があると思う。
今のプロ野球のドタバタを見て、そんな気がしてならない、今日この頃である。