JGJA特別セミナー「JGTOの未来を探る~V字回復のヒント~」開催

JGJAは3月7日、ジャパンゴルフフェア会場のパシフィコ横浜アネックスホールで、「JGTOの未来を探る~V字回復のヒント~」をテーマとした特別セミナーを開催した。

 

 

 

 

 

日本ゴルフツアー機構(JGTO)の諸星裕会長と、日本ゴルフツアー選手会の阿久津未来也副会長(広報担当)が登壇。JGJA小川朗会長が司会を務めた。

登壇した諸星JGTO会長(右)と阿久津ツアー選手会副会著

セミナーにはJGJA会員らメディア関係者や、練習場経営者などゴルフ業界関係者ら41人が参加し、2人からJGTOツアーの現状などを聞いた後、質疑応答や今後のツアー浮揚策の提案など、約1時間半にわたって議論した。

昨年就任した諸星会長は、この1年間でJGTOが置かれた現状を把握し「国の経済力の落ち方もあるが(世界的に)日本ツアーのプレゼンスが下がっている。(賞金規模は)米ツアーが800億円、リヴが400億円、日本は32億円。日本は下がっていないが他が上がっている。今日は(JGTO浮揚の)ヒントをいただきにまいりました」とあいさつした。

日本ツアーは主催権や放映権は持っておらず、スポンサーは1試合に賞金を含めて3~5億円を出しているが、JGTOに入るのは1000万円に固定されているなど、収入面でも組織として伸びる要素がみつからないのが実情といえる。

就任後は60数社の企業を回ったといい「30数社は『よろしくお願いします』。残りは『(トーナメントを)やってみたい』という企業にセールスに行っている」という。これまでこうしたセールスは広告代理店任せ。(海外のゴルフ関係者に)「JGTOにセールス(する人は)はいない」というとびっくりされるそうだ。ツアーだけではなく組織としてのJGTOが資金不足で動きが取りにくくなっているのは、こうした旧来からの構造的な問題も大きい。

阿久津選手会副会長は選手立場から現状を説明。「選手は賞金額が5000万円でも1億円でもやる気は変わりません」といい、選手たちの間でも大会の盛り上げ方について話す機会があるそうで「一番は地元の小学生を招待すること。その地域の行事の1つとしてツアーをやってくれればいいんですが」と、自身の小学生時代の経験も含めて話した。

そのほかにもJGTOを取り巻く現状を聞いた後に、会場での参加者の質疑応答が行われた。その中から、ネット中継の必要性や方法、インドア施設の活用、地域密着の試合づくり、トーナメント観戦ツアーの実施などについてもアイデアが出され、諸星会長、阿久津選手会副会長もそうした質問や意見に耳を傾けていた。

最後に、阿久津選手会副会長は「普段と違う角度からご意見をいただきました」とし「日本ツアーから米ツアーに5人が参加しているのは、日本は世界に通用することを証明してくれている。(日本ツアーを)素直に評価していただきたい」と話した。

諸星会長は「日本はゴルフ産業で言えば世界2位ですので、世界は日本をほおってはおかない。これが我々の財産。(日本ツアーを)一生懸命大きくします」と話した。

セミナーの全編は下記URLからぜひご覧ください。

 

 

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1959年北海道札幌市生まれ。札幌南高―北海道大学工学部卒。82年日刊スポーツ新聞社入社。同年から計7シーズン、ゴルフを取材した。プロ野球巨人、冬季・夏季五輪、大相撲なども担当。2012年、日刊スポーツ新聞社を退職、フリーに。
著書に「ゴルフが消える日」(中公新書ラクレ)、「ビジネス教養としてのゴルフ」(共同執筆、KADOKAWA)
日本プロゴルフ殿堂、国際ジュニアゴルフ育成協会のオフィシャルライターでHPなどに執筆。東洋経済オンラインでコラム「ゴルフとおカネの切っても切れない関係」を担当。趣味で「行ってみました世界遺産」(https://世界遺産行こう.com/ )を公開中。
【東洋経済ONLINEより】
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