フィールドキャストとして参加した東京オリンピック

東京オリンピックは、日本選手の大活躍で幕を下ろしました。

私は、今回、日本プロゴルフ協会からの要請で、ゴルフ競技の技術担当ボランティアとして参加させて頂きました。

今回のゴルフ競技には、最新のオメガシステムが導入されて、全選手の全てのショットのデータを計測記録し、放送などに反映されていました。この新システムは、昨今の欧州プロトーナメントで使用するために開発されたものとのことです。各ホールのフェアウエイとグリーンサイドに担当が一日中張り付き、計測機器とタブレットを使って毎ショットの位置情報を入力していきます。

男子は、7月29日(木)から8月1日(日)まで、女子は、8月4日(水)から8月7日(土)までのそれぞれ4日間のストローク競技でメダルを争います。

各60名の出場選手が、7:30からアウト1番からスタートしていきました。 一組3人ずつ20組が11分間隔で、最終スタートが11:09となります。オメガシステムは、アウト担当が朝6時半集合、イン担当が9時集合で、朝のミーティング後にそれぞれの配置につきます。最初の組が、担当場所に来てから約4時間後、最終組がプレー通過した後に、持ち場を撤収して業務終了となります。

私は、男女通して8日間、全て15番のグリーンサイドを担当しました。すなわち全ての選手を定点観測したこととなります。女子の部では、3日目から台風接近の影響でスタート時間が6時半に繰り上がったと同時に、アウトとインの両方のスタートとなりました。したがって、15番担当の私も、朝の集合時間が5時半となり、始発の電車で現場に入らなければならない状況となりました。雷で中断した男子の時は、電車で家につくのが夜9時を回り、朝いちばんから猛暑のなかの作業に加えて長時間の拘束のため体力の限界となりました。

霞ヶ関カンツリー倶楽部は、関東でも猛暑で有名な場所です。今回のオリンピック期間も酷暑に加えて、雷による順延が度重なりました。

特に男子二日目は、最終組が15番ホールのセカンド地点で2回目の順延となり、翌日の朝6時半からの再開となりました。私は、2013年から毎年全米プロを現地取材させて頂き、全選手のスイングをカメラに収める定点観測をしてきました。全米プロ選手権は、155名の出場選手の為に1か所に10時間以上滞在する事も珍しくありません。

しかしながら今回の霞が関カンツリー倶楽部の酷暑にはまいりました。観測機材が設置されている箇所は屋外のため、もちろん空調や扇風機も有りません。しかもテレビ塔の横の為に風通しがほとんどありません。 8日間の競技中、わが人生で一番汗をかいたと思います。飲み干した水分も、合計で30リットルを越えました。

ニュースでご存知の方も居ると思いますが、笹生優花選手のキャディーは、練習日から酷暑の為に入院しました。また、レキシー・トンプソンのキャディーも、我々の計測地点の真下でうずくまり動けなくなりました。私自身が無線で本部に連絡し、タンカで運ばれる事態となりました。このエリアの酷暑は半端ではなく、皆様もテレビを通じて松山英樹選手がしきりに吹き出る汗をタオルで拭っている仕草をご覧になっていたと思います。

大会は、予備日を使わずに無事に終了しました。それに加えて稲見萌寧選手の銀メダル獲得と大成功裏の結末となりました。今回、大会を支える裏方の運営の一助を担わせて頂きました。華やかな競技の陰で、いろいろな方々の支えで成り立っていることを、改めて学ばせて頂きました。

1 個のコメント

  • すごい、体力、行動力、貴方だから、出来た、お疲れ様、今年の霞が関は経験した事の無い暑さ、関係者、ボランティアの皆さん、ご苦労さま、お疲れ様でした。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    1958年(昭和33)生まれ
    1981年 同志社大学経済学部卒業
    1983年 ダラス大学院経営修士課程(MBA)卒業
    (社)日本プロゴルフ協会(PGA)会員、A級インストラクター
     文部科学大臣認定ゴルフ教師
    1997年 PGAコンベンションティーチング部「優秀賞」受賞
    1999年 PGA 研究発表 「最優秀賞」受賞
    2000年 高知工科大学起業家コース博士後期過程入学
    2001年 PGAコミュニケーションプログラム「優秀賞」受賞
    2003年 高知工科大学起業家コース博士後期過程終了
    主な活動・著書
    日本ゴルフ界初の博士プロ。
    デビット・レッドベター、ジョー・ティールをはじめ、通訳、翻訳、
    インタビュー等を通じて100人を超える海外のティーチングプロと親交を持つ。 主な著書
    「ザ・ゴルフボール」ごま書房
    「驚異の新ハンマー打法」ごま書房
    「ゴルフが上手くなる考え方」週刊パーゴルフ
    「目からうろこが落ちまっせ」ゴルフ&ゴルフ
    「一人でやれるコンペ必勝法」スポーツニッポン
    「ナチュラルゴルフスイング」週刊パーゴルフ
    「45分でゴルフがうまくなる!」PHP研究所
    「Tee あんどTea」読売新聞のゴルフコラム
    東香里ゴルフセンタ― 所属