米国でも人気のシニアゴルフツアー「PGAツアーチャンピオンズ」の公式戦が、来年9月ついに日本にやってきます。シニアツアーを統括するPGAツアーチャンピオンズが18日、東京港区の東京アメリカンクラブで記者会見を開き、日本にもおなじみのトム・ワトソン(67)も出席し、来年9月4~10日の週に千葉・成田市の成田ゴルフ倶楽部で行うと発表。日本で初めて米シニアツアーがナマで見られます。メインスポンサーには日本航空があたり、大会名は「JAL選手権」。賞金総額は米シニアのメジャー並みの250万ドル(約2億6000万円)。60人の米シニアツアー選手が来日予定で、8人の日本シニアプレーヤーも推薦出場枠があり計68人の豪華な顔ぶれによる熱戦が期待です。シニアツアーには画期的な出来事ですが、米ツアーの方も「東京支社」設立が発表され、ゴルフ界のターゲットは、いま日本にーです。
満50歳以上のベテランたちが集うシニアツアー。世界殿堂入りしている故アーノルド・パーマーやジャック・二クラウスらが中心となって1980年に誕生しました。以来、ゲーリー・プレーヤー、リー・トレビノ、グレグ・ノーマン、、トム・ワトソン、ファジー・ゼラー、レイ・フロイド、ニック・ファルド、ベン・クレンショー、フレッド・カプルス、そしてわが青木功らのレジェンドたちがファンを沸かせ、近年はベルンハルト・ランガー(59)やビジェイ・シン(53)、M・A・ヒメネス(52)、J・デーリー(50)、C・モンゴメリー(53)、J・デュラント(52)ら、やはり往年の名選手たちがフィールドを賑わしています。
レギュラーツアーにもひけをとらないほどの人気を集める米国のシニアツアー。今季も1月から11月まで26試合が組まれ、マスターズ2勝のランガー(独)が、4勝を挙げ通算では29勝をマークする活躍で昨季に続いてツアーを引っ張っています。まだ「JAL選手権」に来日する選手は決まっていませんが、だれが来るにしても、一見して損のない妙技、名技をみせてくれるでしょう。
会見に出席したメジャー8勝のワトソンは「これまで日本には何度もきてプレーしたし、コースの設計もしてきた。楽しい思い出ばかりだ。日本にはゴルフに対する情熱がある。ゴルフは尊敬という文化だが、世界に範たる日本のゴルフを私も来年また楽しめるのはうれしい。隣にいる倉本(昌弘)さんをやっつけられたら、日本へきて成功だと思う」とジョークを交えながらもシニアツアーの日本開催をアピールしました。
またPGAツアーチャンピオンズ、プレジデントのグレゴリー・マクローリン氏は「今回の日本開催は、ツアーにとってエキサイティングな新事業。私たちの選手とファンが、東京でゴルフを介した素晴らしい機会を体験してもらえるでしょう。この試合を世界中のゴルフファンのために国際化し続けていきたい」と、複数年契約が交わされた模様です。試合は3日間大会ですが、開幕前には2日間のプロアマ大会が行われ、東京五輪を目指す学生ゴルファーも招待されるという。日本シニアツアーを運営する日本プロゴルフ協会が後援に加わりますが、9月第1週はここ10年間、コマツ・オープンが開催される週。リオ五輪後にこの話を聞いたという倉本昌弘会長は「大慌てで日程を調整しました。コマツさんには感謝しています(コマツが1週早まる予定)。この試合は長期的な契約と聞いているし、日本のゴルフ界にとって画期的でいいニュースですから」と、全面的なバックアップを約束しています。
米シニアツアーの″本番”を日本で見られる時代になって、ゴルフファンにはたまらない出来事です。さらに今週26日(水)には「PGAツアー東京支社」設立の記者発表会がティム・フィンチェムPGAツアーコミッショナーも出席して東京で予定されています。「PGAツアー(レギュラーツアー)」が東京に支社の法人設立登記をし、東京にヘッドオフィースを開設するという運びです。松山英樹、石川遼ら日本の人気選手が主戦場としている米ツアーの日本地区開催が模索されてもう久しくなります。東京五輪(2020年)狙いの展望や取組もありますが、米ツアー念願の日本開催が近づいたともいえるものです。その試金石としても、来年9月の米シニア日本初開催の成否が注目されます。
【この記事は2016-10-24 ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】