去る10月23日(月)、東京秋葉原で、日本ゴルフジャーナリスト協会(以下、JGJA)主催の「第8回 タウンミーティング」が開催されました。タウンミーティングは、聴衆参加型の討論会です。
コロナの影響で中断されていた、JGJA主催のタウンミーティングが4年ぶりに復活。今回はJGJA会員で(一社)日本健康ゴルフ推進機構会長の私(小森)が、僭越ながら初めてモデレーター(司会)を務めさせていただきました。
また、初のリアル会場とオンライン参加のハイブリッド形式での開催。そして初の参加費無料と“初めて尽くし”の開催となりました。

■ゴルフ施設も「蛻変(ぜいへん)」が必要
メインテーマは「ゴルフ練習場における健康増進」。4名の登壇者を中心に「高齢ゴルファーのゴルフ寿命延伸」「ジュニアゴルファーの健全な育成」、そして「ウェルビーイングな社会実現」の3つのテーマで、活発な討議が展開されました。
今回掲げたゴール(目標)は、「ゴルフ練習場を健康増進施設に蛻変(ぜいへん)させる!」です。蛻変とは、昆虫が卵から幼虫、蛹(さなぎ)、そして成虫へと、成長するにつれて姿かたちを変えていく様のことです。
ビジネスにおいて蛻変とは、企業が時代のニーズに合わせて商売の業種・業態を変化させていくことを指します。企業の成長を昆虫の成長になぞらえて表現しているわけです。
例えば、ある大手百貨店は、かつての呉服屋が蛻変したものです。ある家電量販店は、店名からも分るように元々カメラ屋でした。健康増進施設の代表格であるフィットネスクラブも、スタートはスイミングクラブでした。
消費者のニーズが多様化し、変化の激しい今の時代において、様々な業種で「蛻変」は必要不可欠。ゴルフ習場も例外ではなく、これからは「蛻変」が必要であると私は思います。

■厚労省の「健康増進施設」認定制度
「ゴルフは健康にいい」「ゴルフをする人はしない他人より健康寿命が5年長い」だからゴルフをしましょうと多くのゴルフ関係者は口を添えます。しかし残念ながら、ゴルフ場や練習場といったゴルフ施設が、健康増進に寄与する施設であるというイメージが万人に定着しているわけではありません。
「健康増進施設といえば?」と聞かれると、多くの人はフィットネスクラブやスイミングクラブと答え、ゴルフ練習場と答える人はまだまだ少ないと思います。
そんな中、健康増進施設として国のお墨付きが貰える制度があります。厚生労働省の「健康増進施設」認定制度がそれです。この制度により、ゴルフ施設が健康増進施設として国に認定されれば、健康目的でゴルフをはじめる人の後押しになるはずです。そこで本タウンミーティングの最後に、この「健康増進施設」認定制度を紹介しました。

公益財団法人日本健康スポーツ連盟によると、「健康増進施設」は、“健康増進のための運動を安全かつ適切に実施できる施設”と定義され、ある条件をクリアすれば厚生労働大臣に認定されます。申請のあった施設が条件を満たしているかを調査する機関が同連盟です。
更に、健康増進施設の中で一定の条件を満たせば、「指定運動療法施設」として認定されます。特筆すべきは、医師の指示により同施設を利用して行った運動療法に係る費用は、医療費控除の対象になるという点です。
ゴルフ施設が健康増進施設として認定されれば、差別化につながるだけでなく、ゴルフ=(イコール)健康というイメージを定着させることに大きく貢献できると思います。ましてや指定運動療法施設に認定されれば、ゴルフが運動療法として認められることに他ならず、ゴルフ産業に与える影響は計り知れません。
健康増進施設は全国で343施設、うち指定運動療法施設は244施設です。(2023年10月13日現在)
認定を取得している施設の多くが、フィットネスクラブや公共の運動施設でゴルフ施設はゼロです。
今回のタウンミーティングをきっかけに、健康増進施設のお墨付きを得るゴルフ施設が増えることを期待しています。

■むすび
今から丁度120年前の1903年、日本初のゴルフクラブ、神戸ゴルフ倶楽部が開場しました。つまり今年は、日本にゴルフ文化が誕生して120年の節目の年です。この節目の年にJGJAが主催するタウンミーティングが開催できた意味は大きいと思います。
今回は、初めて尽くしで反省点の多いタウンミーティングとなりましたが、ゴルフ界の民度を高め、ゴルフ市場を活性化すべく、これからも活動していきたいと思います。
▽JGJA主催「第8回 タウンミーティング」の詳細はこちら▽
https://jgja.jp/wp-content/uploads/2023/09/dbda4f30ae81787bdc9ddee7fba0842b.pdf
▽公益財団法人日本健康スポーツ連盟の公式HPはこちら▽
▽一般社団法人日本健康ゴルフ推進機構の公式HPはこちら▽
コメントを残す