【 GOLF・スケッチブック 】
記事はゴルフの諸事を書いています
5つの「ゴルフの楽しみ方」を前回は紹介した。1つ目は技術習得の楽しみ、2つ目はその技術をして好スコアを楽しむこと、3つ目は名ゴルフコースでプレーする楽しみ、4つ目が沢山のゴルフ仲間と交流すること、5つ目がゴルフに関する知識を得ること、だ。今回はその具体的実践者を3人ほど取り挙げてみたい。
最初に「アメリカゴルフの舞台裏」を著した唐沢憲正さんにスポットを当ててみよう。
唐沢さんは大手商社に勤めていた若いころアメリカ勤務が長かった。1960年代以降合計12年間ニューヨ-クを中心に生活したという。その間学生時代に覚えたゴルフの魅力が忘れがたく、駐在中新聞雑誌やテレビ観戦、近くのパブリックコースでのプレー、近郊で開かれるPGAツアーの週末観戦など、暇あれば積極的に接触した。
その結果、アメリカにおけるゴルフ文化を直に体験することができ、ますますゴルフにのめり込んでいく。そして齢を重ね、定年になってからも幾度か渡米し、アメリカ人のゴルフ仲間や黄金時代のアメリカゴルフを垣間見てきたという。その結晶が著書「アメリカゴルフの舞台裏」である。詳しくは本書をお読みいただきたいが、アメリカ人とゴルフ文化を知る上で貴重な体験的逸話が豊富で、楽しい読み物になっている。
二人目は梅本晃一さん。大手の情報機器、ITソリューションの会社を卒業後、好きなゴルフの研究に没頭している人だ。目的は「生涯ゴルフ」の実践にある。それを実現するには先ず「健康体づくり」が大切だと、自分で考案した「ゴルフ体操」を提唱する。その成果をまとめた著書が「生涯ゴルフの極意」である。高齢化社会におけるシニアの楽しみをサポートするゴルフ実践方法は大いに参考となる。
3人目は著書を沢山著している山口信吾さん。定年のちょっと前からシングルになる目標を定めて猛練習、2年でものにし、卒業してからゴルフの広い魅力を追求して行く。山口さんの「死ぬまでゴルフ!」という著書にはこう書いている。第1章「上達環境を整える」第2章「臨界点を越えよう」は共に前述大塚和徳さんのいうゴルフ5つの楽しみの1と2に相当する。第3章「ゴルフの恵みを味わい尽す」はプレーだけでは得られない楽しみを語る。
「ウマが合うゴルフ仲間と徹底的に交流する」の項は、マッチプレーの楽しさや力量を競ったり、19番ホールではゴルフ談義に盛り上がる。「四季折々の手づくりゴルフ旅を愉しむ」の項では、ゴルフの歴史やゴルフ発祥の地といわれるリンクスへの手づくりの旅を実践して行く。そして“いざ聖地へ”と。「リンクスでプレーせずして死ぬなかれ」と数々のリンクスを訪ね歩いて楽しんでいる。
山口信吾さんは、今やれっきとしたゴルフ専門家だが、業界人のように最初から歩んだ人ではない。ゴルフに憑りつかれて以来、“ゴルフを楽しむ”というテーマを実践している人だ。知識文才に恵まれ、ゴルフ専門誌等に多く執筆している。以上3人は、自己体験を本にして「ゴルフの楽しさ」を紹介している。
こうした方々は沢山おられる。ネット上で探してみると至るところに散見できる。お仕舞いに、ゴルフブログを13年も書いている「ゴルフも人生もno plan」氏を紹介しておこう。書いているゴルフの分野は幾つかあるが、なかでもゴルフ書籍の書評は約740冊にのぼる。その貪欲さとエネルギーに敬意を払ってしまう。このブックレビューを読んでいると、現代のゴルフ事情やゴルフの注目のされ方、ゴルフに憑りつかれた人種の姿が浮かんでくる。こうしたブログを探すのも、また楽しいものである。
〔記:紺 野 望〕
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