ゴルフ場設計家の加藤俊輔さんと幾度となく時間を忘れゴルフ談議をさせていただいた時の話を僕だけではなく多くのゴルフを愛する方々へお伝えできればと・・・。
今年はオリンピックの年!オリンピック時に良く聞かれる言葉が「No contest」という言葉である。例えば100メートル走で追い風の時に良く聞くそれである。
つまりある一定の追い風時は記録にはならない!ということである。
これをゴルフに置き換え「No Wind No Golf」という言葉をなぞって想像してもらいたい。
「風のない日はゴルフにならない」という意味で使われる言葉である。
少々意味は異なるがニュアンス的には何となく理解できるだろう。
僕の好きなゴルフの名言に「風はゴルフの最大の財産だ。風がいろいろ変化することによってひとつのホールがいくつものホールとなるからだ。」(チャールズ・マクドナルド談)という言葉がある。
やはり風!つまりWind!ゴルフはもともと自然を相手に楽しむものであり一体となることが要求される。無風快晴では楽しさが半減どころかゴルフの楽しみが損なわれてしまう。
日本でゴルフがブームになったのは社用族が交際費を使い接待に明け暮れた時代であることは記憶に新しいことと思うが「接待=無風快晴=ゴルフ日和」という感覚が今に伝えられているような気がしてならない。
加藤俊輔さんより「風のない日はゴルフ日和とは言わんのだよ!」と言われたことが僕のゴルフへ対する興味を一層深めた一言であった。
「No Wind No Golf」という言葉を思い出しながらゴルフをする!クラブ選択が楽しくなる!コースマネージメントを考え直す!思い通りに風を読み成功した時のショットは何とも言えない幸福感が訪れる。
【ゴルフ場設計家:加藤俊輔氏プロフィール】
1933年、東京都生まれ。日本の代表的なイメージを描きだした太平洋クラブ御殿場コース、富士や箱根等のアクセントの強いビューバランスを取り込んだ伊豆ゴルフ倶楽部、そして思想的影響をうけスコティッシュデザインの北海道ゴルフ倶楽部、そして理想的な風を求めてつくり上げた瀬戸内海ゴルフクラブ。そのどれもが、設計意図の異なる特徴あるコースばかりであり、様々な色合いを持ったコース造りに取り組み手掛けた日本のコースは70コース以上ある。