12月13日の参議院文教科学委員会で松沢茂文参議院議員が馳浩文科大臣に、2020東京五輪ゴルフ競技の開催地変更を迫った。
(写真左端が松沢議員、右端が馳文科大臣)
松沢議員が強く推すのは、東京都江東区の若洲ゴルフリンクス。
馳大臣はまずゴルフ経験の有無を問われ「ゴルフは大好きです。プロレスラーのころに坂口征二さんの指導を受けましたが、いまだに100を切ったことはありません」と告白。
だが候補に挙がっている霞ヶ関CCも、その前の最有力候補だった若洲GLも、プレーしたことはないという。
松沢議員の「霞ヶ関と若洲、コンパクト五輪を目指すという会場へのアクセスや宿泊施設の面で、どちらが会場ふさわしいと考えるか?」の問いには
「若洲の方が近いに決まっています」と答弁。
これを受け松沢議員は「8月の猛暑の時期に、霞ヶ関で開催すれば熱中症で死者が出る可能性がある。しかも都心から1時間半もかかる。
若洲はごみの島の埋め立て地で東京湾の真ん中にあり海風が吹き、内陸部より4度も低い。ナイター設備を導入すれば欧米のテレビ放映時間にも合致するし、
風力・太陽光発電で発電・充電し環境技術の面でもアピールできる。都有地も近くにあるから練習場、駐車場も整備可能で、選手村から4キロ、プレスセンターから2キロ。
東京駅、羽田空港から15分。アスリートファースト、ギャラリーファーストの面で、どちらが五輪にふさわしいか?
2020東京招致委員会第1回会議の議事録を入手し、当委員会に提出してほしい」とたたみかけた。
これに対し、馳大臣は『関係者が詰めて総合的にが霞ヶ関に決めたことなので、蒸し返すようなことはしません。
私の立場で調査し直しをしたり、議事録を集める気はありません。ただ暑さ対策、輸送、宿泊の問題は、よりよい環境を作って行く』
と下村前大臣同様、霞ヶ関路線を踏襲する方針を崩さなかった。
「大臣、それでは新国立競技場やエンブレムの問題から学んでいませんよ。同じじゃないですか。リーダーは行動すべし、です」
と松沢委員はさらに迫ったが、のれんに腕押しだった。
五輪後に誰でも利用できるパブリックコースが若洲。プライベートコースの霞ヶ関は都民や国民が自由に利用できず、レガシーにはなりえない。
そうした問いも含め、馳大臣が防戦一方だった感はいなめない。
プロレスラー時代、リング上の馳は輝いていた。
東スポでゴルフ担当をやりながらプロレス取材の応援に駆り出されたころの、
そんなシーンを良く覚えている。
だが、大臣となった馳にその姿をダブらせることは、どうしてもできなかった。