自由民主党ゴルフ振興議員連盟は11月14日、同党本部にて総会を行い、懸案となっているゴルフ場利用税の廃止に向けて前向きに議論されていることを報告した。 ゴルフ場利用税について簡単におさらいすると、18歳未満および70歳以上、障害者等のゴルファーを除き、全国のゴルフ場を利用する際に1人1日につき800円~ 1200円が課税されている。別途消費税もあり、二重課税となっている。平成元年の消費税創設時に娯楽施設利用税が廃止されたが、ゴルフ場の利用にのみ課税が継続。税収は平成24年に507億円。そのうち都道府県に354億円の交付が行われている。そのような背景の中、11月4日の参議院予算委員会にてみんなの党松沢成文議員が質問に立った。
「ゴルフのみに課税する合理的理由はどこにあるのでしょうか。今やプレー料金は全国平均で6000円です。ゴルファーは、消費税480円と利用税の800円。つまり利用料の20%以上に相当する額の税金を払わなければプレーできないのです。これではゴルフ振興はままなりません」 この質問に対し、下村博文文部科学大臣は「文部科学省としてはゴルフ場利用税の廃止を総務省に要望します。関係団体等とも連携してゴルフ場利用税廃止への理解を求めたい」 と回答。安倍晋三総理、麻生太郎財務大臣から
も前向きな回答を得た。
廃止に向けて課題となるのが、代替え財源だ。衛藤征士郎ゴルフ議連会長は、「消費税1%アップで2兆7000億円、税率が8%になったので、年間で21兆6000億円の税収が見込めます。消費税の分配は国が61%(約13兆円)、地方が39%(約8兆円)なので、消費税のアップは500億円を埋めるだけの財源には充分でしょう。いずれにしても、廃止を反対されない環境作りが大切です」
と、総会に参加した各ゴルフ団体の長へ理解を求めた。
ゴルフは、国体にも採用され、2016年のリオ五輪から正式種目に復帰する。国民の約1割が親しむ生涯スポーツに対する課税撤廃に向け、今こそ業界は一丸となるときだろう。