藤田まことさんのご冥福を祈って

必殺や、はぐれ刑事で有名な藤田まことさんが突然亡くなった。同じ年の私には、まさにショックだった。そしてあるプロゴルファーを思い浮かべた。杉原輝雄さんである。

1990年代の初期に一年間、兵庫県にあるサンテレビのレッスン番組杉原手輝雄のゴルフで、藤田さんが司会を勤めた。なにしろレッスン番組は小松原光夫さんぐらいで、当時としては珍しく評判もよかった。私も当時デイリースポーツのゴルフ記者だった関係で杉原ゴルフの解説者として一緒に番組に出ていた。

1994年3月。私はツアー初戦の東建カップ取材のため、会場の鹿児島県のゴルフ場に着いた。東建のイメージキャラクターの藤田さんとぱったりと会った。その節はなどと挨拶していたが、なんと藤田さんが杉原さんのキャディーをやるというではないか。

一緒にいたスポ紙の記者も聞いていたので、2社特ダネでいこうとなり、取材し、会社のほうにも2社トクだから大きく扱えと注文していた。ところがスポ紙の記者がサン紙の若い記者がしきりに杉原さんのところで話を聞いているといってきた。しかし、知らないかも知らんし、そのまま翌朝を迎えた。案の定、3社ダネとなり悔しかったが、抜かれていたら大変だった。藤田さんは普通のキャディー以上によく働いていた。多くの新聞やテレビに、必殺キャディとして当日の模様が報道された。

このころから藤田さんと杉原さんは気のあったパートナーでお互いに師匠として付き合いがあったようだ。昨年も大阪府知事選である候補の応援で一緒に街頭演説をしていた。

杉原さんも10年前から前立腺ガンと戦っている。私も持病が増加して苦しんでいる。

まことさんには、もう会えないが、杉原さんの心情は、誠に忍びない。藤田さんのご冥福を祈るとともに、藤田さんの分まで杉原さんのご健闘を期待したい。

 

甲斐 誠三