世界最高峰・全米女子オープンの舞台を踏む川岸史果(22)森田遥(20)葭葉ルミ(24)ら20代パワー!日本地区予選でチャンスつかむ。

世界最高峰のメジャー、全米オープンゴルフ選手権に出場できる日本地区最終予選会が行われ、男女それぞれ4人が出場権を得ました。男女ともに36ホールストロークプレーのあと、男子が6人プレーオフ、女子は4人プレーオフという大激戦の末、男子は小平智(27)、今平周吾(24)、宮里優作(36)、韓国生まれのチャン・キム(27=米国)の4人。女子は森田遥(20)、葭葉ルミ(24)、サイ・ぺイイン(26=台湾)、川岸史果(22)の4人が嬉しい全米OP切符をつかみました。大会は男子が6月15~18日、米ウィスコンシ州エリンヒルズ。女子は7月13~16日、米ニュージャージー州ベッドミンスターで開催されます(日本地区予選会5月22日=男子は兵庫・小野GC。女子は滋賀・日野GCキング)。
☆      ★      ☆

女子では、今季国内ツアーでも優勝戦線に何度も顔を出している話題の新鋭、川岸史果(ふみか)がビッグチャンスをつかみました。出場権4枠の残り1つをかけて4人(川岸史果、渡辺彩香、松原由美=アマ=、川満陽香理=かわみつ・ひかり)が争ったシビアなサドンデスPO。3ホール目(パー5)、残った強敵の渡辺彩香がボギーとしたのに対し、川岸は2打目、200ヤードを10㍍に2オン。初の海外メジャー切符です。前日まで中京TVブリヂストンレディスで優勝争いをしたばかり(3位)。休む間もなく22日は39ホールを戦う強行軍にも負けませんでした。さすが、″怪物〝といわれた父・川岸良兼とプロゴルファーの母(喜多麻子)を両親にもつサラブレッド。「最後は足が痛くなって辛かったけど、なんとか気力で」(史果)といい「飛距離以外で世界でどれだけ自分の力が通用するのか試してきたい。最終日最終組で回れたら最高ですね」と、早くも世界の最高舞台への夢を募らせていました。
史果は昨年のプロテスト合格。今季はQT26位でのツアー出場なのに、開幕から出場12試合でトップテン6回(2位1度、3位2度)。早々と来季のシード権を内定させている有望株です。父親譲りのがっちりとした体格から繰り出す飛距離は、日本ではトップクラス。ショートゲームも上手にこなします。

★川岸史果「まさか全米に出られるとは思っていませんでした。本当に嬉しいです。最近、落ち着いて集中してプレーができているので、楽しみです。アメリカは、2月に合宿でカリフォルニアに10日間ほど行っていました。高校時代、世界ジュニアでトーレーパインズにも行きました。早くいいキャディーさんを探さないと・・」

プレーオフ進出の川岸史果と違って8アンダーでトップ当選(タイ)したのは、森田遥と葭葉ルミの二人。ふたりとも2年ぶり2度目の全米OP出場になりますが、海外志向の強かった森田は、高校卒業(高松中央高)した15年には米ツアー下部のシメトラツアーに参戦。1勝した経験を持っています。昨年は日本ツアーに戻ってQTから出場。賞金ランク25位に入って今年は晴れてシード選手としてツアーフル参戦です。まだ日本での優勝はありませんが、今季アクサレディス2位、サイバーエージェント4位など、トップテンに4回入っています。昨季の平均パット数、リカバリー率はともに9位。ツアー初優勝が待たれる有望株の一人です。全米女子オープン日本予選に備えて、前週の中京TVブリヂストンを休んでの挑戦。米国でのゴルフの厳しさを知っているだけに、地に足をつけた戦いが待たれます。

★森田遥「海外メジャーは2年前に出ました。アメリカでの予選会でやはり8アンダーで通過しました。全米は自分の中でも格別なもの。雰囲気も違うし、モチベーションが上がりますね。今年のコースは初めてですが、思い切ってプレーしてきたい。2年前に比べれば、身体も違うし、飛距離とかアイアンの精度とかも確実に上がっている。向こうのトッププレヤーと戦う自信も前よりもあります」

もう一人のトップ通過は、葭葉ルミ。プロ6年目。東京・墨田区出身(千葉・日大第一高)の江戸っ子プロ。2年前の全米OPでは14位タイに入る健闘でした。昨年7月、ニッポンハム・レディスでツアー初優勝。このオフはパワートレーニングを実行。飛距離は一段と伸びて、ツアーではAクラスの飛ばし屋。今季も259.46ヤードでドライビング・ディスタンス1位(5月21日現在)をキープしています。15年にはルールミスを犯して失格になるアクシデントも経験するなど、さまざまな体験を経てジワジワと実力をつけてきた一人。

★葭葉ルミ「飛距離は自信がありますが、あとはショートゲームなど細かいところをもっと磨かないと思っています。今年はクラブもスイングもすべてチェンジしました。アメリカではミッシェル・ウイー(米国)と回ってみたい。全米は2度目ですが、新しい気持ちで楽しみたいと思っています」

3位で通過した台湾のサイ・ぺイインは日本ツアーのシード選手。日本はもう6年目で師匠は島袋美幸プロ。未勝利ですが昨季の賞金ランクは44位。曲がらないドライバーショットがセールスポイントで、ショートゲームやパッティングが課題とか。初めての海外メジャーです。

★サイ・ペイイン「今年の全米は会場がニューヨークだから特に行きたかった。ニューヨークはまだいったことがないから。向こうの選手がどんなゴルフをするのか、吸収できればいいですね。もう少し成績が出るようになったら米ツアーにもチャレンジしてみたい」と、ビッグチャンスをつかんで胸躍らせています。

*    *     *     *

全米オープン日本地区予選で出場枠4つを勝ち取った4人。左から小平智、C・キム(米)、今平周吾、宮里優作(兵庫・小野GC)=写真提供:日本ゴルフ協会

全米オープン日本地区予選で出場枠4つを勝ち取った4人。左から小平智、C・キム(米)、今平周吾、宮里優作(兵庫・小野GC)=写真提供:日本ゴルフ協会

男子でトップ通過したのは、小平智。日本予選でも1R目、64を出して突っ走り、2R目も69で、36ホール11アンダー。2位の今平周吾を4打引き離しました。今季まだ勝利がありませんが、予選落ちなしの快走。先の日本プロ日清杯では3位でした。女子の古閑美保プロとの結婚で話題集中の小平ですが、夫人同伴で行く初めての全米OPで爆発しますかどうか。
2位タイには、関西オープンでプロ初優勝したばかりの今平周吾ら6人が並び、残り3つの枠の争奪戦。8ホール目でやっと勝ち残った宮里優作を含め、今平周吾とC・キムが切符を手にしました。任成宰(韓)、小林伸太郎、A・ブランド(豪)の3人がPOでの落選でした。

★小平智「一番行きたい試合だったので本当に嬉しい。全米オープンは小さいころから見ていたし、憧れの舞台。この試合に合わせて体のケアもしてきて第一関門は突破できた。先週周吾(今平)が勝って刺激になった。世界で20代が活躍してるから、日本も周吾とか自分らで盛り上げていきたい」

★2年連続出場の宮里優作
「長い一日で疲れたね。プレーオフも8ホールやって日没ギリギリだった。もう最後は暗くてね。(1日44ホールもやったのは)人生で初めてですね。ホント、チャンスもらっちゃったね、神様から・・。全米は去年悔しいことも嬉しい思いも経験したから、昨年よりは上にいきたい。メジャーの舞台に立つっていうことが大事ですからね。いま、ゴルフはいい状態だから、全米オープンまでキープしたい」
昨年の全米OP(ペンシルベニア州オークモントCC)での優作は、日本人トップの7オーバー23位でした。

今季ツアー初優勝した今平周吾は全米初出場。「小さい時からテレビで見ていた舞台。どこまでやれるか楽しみです」と胸ワクワク。好調を維持しての初メジャー挑戦だけに、みどころ一杯です。

今年の全米オープンは、この予選組とは別に、世界ランク4位の松山英樹。5月21日付けの世界ランキングで「60位以内」に入った池田勇太と谷原秀人も出場権を得ています。合計6人が日本ツアーから挑戦します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

児島宏

早大第一文学部卒。昭和33年デイリースポーツ社入社。プロ野球では長嶋、王らの巨人V9時代を担当。ゴルフではマスターズ、全米全英オープンなど国内外のトーナメントを数多く取材。デイリースポーツ東京本社運動部長などを経て、現在日本ゴ ルフジャーナリスト協会員。東京運動記者クラブ会友。