″みなみ世代〝強し!伏兵・17歳、高橋彩華(さやか)女子アマゴルフ日本一に!!

今年の″女子アマ日本一〝に17歳の伏兵・高橋彩華(さやか)=新潟・開志国際高3年=がその座を射止めました。今年は1999年大会以来となる4日間のストロークプレーで争われ、実力重視の大会を制しました(昨年まで予選36ホールはストロークプレー、決勝は36ホールマッチプレー)。昨年の覇者、同世代の勝みなみはプロ競技に専念しており、出場しませんでした。高橋は2打差の2位から出て5バーディー、2ボギーの69で回り通算12アンダーで逆転勝利。3打差の2位に9アンダーの畑岡奈紗(17)=茨城・ルネサンス高3年=。首位で出た吉本ひかる(17)は8アンダー3位タイに終わりました。女子アマ10代の優勝は、これで17年連続。若者の時代が強く反映されました。
(福島・グランディ那須白河GC、6月21~24日 写真すべて:JGA提供)
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安定したショットを武器に逆転劇を演じた高橋彩華(日本女子アマ)提供:JGA

安定したショットを武器に逆転劇を演じた高橋彩華(日本女子アマ)提供:JGA

プロの競技で活躍する勝みなみ(鹿児島高3年)らと同じ高校3年生。新潟県生まれ。父親・剛さん(43)の手ほどきで10歳からゴルフを始めた彩華さん。試合では母親・真由美さん(43)がキャディーを務め、一家総出の″チーム高橋〝 に支えられました。ボギーを打っても傍らで「大丈夫!」 と励ましてくれた母親のサポートは「大きかった」(彩華さん)と述懐しています。日本一を争う極度の緊張のなかで、メンタル面での支えは貴重だったのでしょう。

「いつも通り自分のプレーをしよう」と、自分に言い聞かせてスタートしたのですが、1番のグリーンでは手の震えが止まらなかったという。2オンした後のファーストパットは、カップに1㍍も届かずショートしました。震える手で打ったパーパット。それがカップに消えてくれたので助けられました。これで手の震えは止まったそうです。3番では3㍍についたチャンス。これが真ん中から入りました。5番では強気に攻めたショットが1.5㍍についてこれも入りました。これでトップを捉えた彩華に次の6番で″幸運〝が待っていました。首位争いの吉本が、グリーン手前のバンカーからの第3打をホームラン。これがOBとなるハプニング。「8」を叩いて一気に後退する展開に。彩華は8番(パー3)でもピン奥5㍍のバーディーパットを沈めて前半は「34」。通算11アンダーにしてトップに立ち、勝負のバックナインにターンしました。

彩華に2つ目のラッキーは16番でした。4㍍に2オンしていたボールに佐渡山理莉の第2打がガツン。動いたボールを元に戻し、次は先に打った佐渡山のパット(外れた)が参考になったのです。「ほとんど同じライン。参考になりました。スライスラインでした」(彩華)と、これをズバリ決めて貴重なバーディー。2位グループに3打差をつけた決定的な「運」でもありました。

★日本女子アマ、強運で勝ち取った高橋彩華のコメント
「優勝するには運も味方につけなければいけないって誰かがいっていました。その通りでしたね。最初は優勝するとは思ってなかったですが、ラスト4ホールくらいから少し意識しました。16番ではバーディーとらなくてはと思っていたのでよかったです。18番は初日に右にOBを打ったので、それが頭をよぎりましたが、うまく攻められました(1.5㍍のバーディーフィニッシュ)。マッチプレーは運もないと勝てないけど、今年からストロークプレーの4日間になって、実力を出せたと思う。ストロークプレーで勝てたことが自信になります。同世代の層が厚いうえにレベルが高い。来年のプロテストも厳しいと思います。もっとうまくならないと・・。課題は飛距離とパットです。ドライバーの飛距離はいま240ヤードくらいです」

小学生時代は空手もやっていたという彩華さん。「(ゴルフは)なかなか自分の思い通りにいかないところが魅力。それで思ったようにできると喜びが大きい」と、ゴルフを選んだ理由を話しました。空手もゴルフも勝負事。「勝負するときは勝負するところは、空手もゴルフも共通しています」と、なかなかの名回答!。

12歳で決勝に進み5アンダーで6位にくい込んだ梶谷翼(岡山・山陽女中1年)=日本女子アマ=福島グランディ那須白河GC(提供:JGA)

12歳で決勝に進み5アンダーで6位にくい込んだ梶谷翼(岡山・山陽女中1年)=日本女子アマ=福島グランディ那須白河GC(提供:JGA)

これまでのゴルフ歴。新潟県ジュニアには3度優勝の実績はありますが、全国レベルでの大会には未勝利。昨年の日本女子アマ42位で決勝のマッチプレーにも進めなかったのが、初めてつかんだビッグタイトル。今年はタイで行われた「トゥルービジョン国際ジュニア」に優勝してつかみかけた自信を、一気にブレークさせました。
「信じられない。女子アマの優勝なんて、かなわない夢だと思っていましたから」と、感激の涙を流した17歳。「勝みなみも日本女子アマと日本ジュニアに勝っている。だから私も勝って並びたい」と、次のターゲットは8月に控える日本ジュニア選手権と明言しました。女子ゴルフ界にまたまたつぼみを膨らませた花一輪。楽しみな卵です。

 

【この記事は2016-06-27ゴルフ会員権売買の老舗 (株)桜ゴルフ『児島宏のグリーン見聞記』に掲載したものを転載しております】